こんにちは。
今日はかんたんなお勉強回です。
糖質制限ダイエットを含む様々なダイエット、もしくはボディメイクをする上で色々な勉強をすることがあると思いますが、その中には専門家の方が解説しているがあり、知っておかないと逆の意味にとらえてしまったり、きちんと知っておいたほうがいい言葉があります。
今日はその中から○○ボリックに関する3つの言葉の意味についてお話していきたいと思います。
それは
- メタボリック
- アナボリック
- カタボリック
この3つについてです。
そんなに長くないので簡単にさらっと読んで終わりにしましょう。
メタボリック
私をはじめ皆さんにとっても一番なじみ深く、それでいてなっちゃいけないものですよね、メタボ。
なんとなくよくないものだということはわかっていると思いますが、簡単に解説を挟むと
メタボは正式名称をメタボリックシンドローム。
メタボリック … 代謝の
シンドローム … 症候群
となり、直訳すると代謝症候群となります。
「ボリック」という言葉だけには意味はありません。
なので「メタ」と「ボリック」は分けることが出来ません。
メタボの診断基準は
内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態であれば
メタボとされます。
糖尿病と同じくメタボ=肥満というイメージが強いですよね。
メタボの概念が作用された理由は心血管疾患にありました。
1951年、Jouve、Vagueらは男性型肥満が心血管疾患の原因になることを指摘したが、1981年、Rudermannらは正常体重でも肥満の人と同様に心血管疾患になりやすい(MONW)人が存在し、これが高インスリン血症によるであろうと報告した。そして、1988年、Reavenによって生活習慣病の三大要素(高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常)がインスリン抵抗性を基礎に集積して、心血管疾患を引き起こすという学説が、「Syndrome X」として報告され、その翌年にKaplanが男性型肥満を加えて「死の四重奏」と命名したのを契機に、インスリン抵抗性症候群の研究が盛んとなり、1993年、Hotamisligilが肥満とインスリン抵抗性の間に炎症が介在することを指摘し、1998年にWHO(世界保健機関)が『メタボリック症候群』という名称でその診断基準を発表した事により、「メタボ」としても一般に知られるようになった。
とあるように元々は心筋梗塞などのリスクを下げるために出された基準だったのですね。
そしてその最終的に考えられるべきとされたはインスリン抵抗性。
- 高血圧
- 糖代謝異常(糖尿病)
- 脂質代謝異常
これらがインスリン抵抗性が上がることによって引き起こされるという学説が発表され、さらに肥満も加えられました。
ものすごく端的に言えばインスリン抵抗性が上がっているということは糖尿病に近づいているということ。
つまり解釈的に言えば糖尿病=メタボと考えてしまってもいいのかもしれません。
しかし、メタボの診断にはいろいろな問題があるようで
米国糖尿病学会とヨーロッパ糖尿病学会が共同で発表した声明によると
- 診断基準があいまいで不完全である。基準値の根拠がきちんと説明されていない。
- 糖尿病を含む価値は疑問である。
- インスリン抵抗性が共通の原因かどうか不確かである。
- 他の心血管危険因子を含むか除外するかの明確な根拠がない。
- 心血管疾患の危険度は含まれる個別の危険因子によって様々である。
- 心血管疾患の危険度は各危険因子の総和以上ではないと考えられる。
- この症候群の治療は各成分の治療と同じである。
- この症候群の診断の医学的価値が不明確である。
ということで
- メタボの基準値がはっきり言って画一すぎて適当でその根拠もない
- メタボ診断基準以外にもリスク要素があるのにそれらが考慮されていない
- メタボ診断の医学的価値が不明確
など多数の問題が指摘されています。
また、日本のメタボ診断も同じく、
腹囲が85㎝以上など個体差を無視していますし、メタボ=肥満というイメージを強く植え付けすぎているために肥満でないが心血管疾患のリスクを抱えている人達を無視してしまっているという指摘などもあるようです。
腹囲云々には私も昔から疑問に思っていましたが、やはり…といったところですね。
日本のメタボ診断は肥満の診断にはいいかもしれませんが、本来の趣旨であるインスリン抵抗性の診断には向かないのだと思います。
アナボリック
さて、次はアナボリック。
アナボリックの意味は日本語で「異化」となります。
異化とは何かというと、ここでは簡単言えば筋肉の合成のこと。
アナボリックが起こる、進む、といえばそれは筋肉の合成が進む、つまり筋肉がつきますよという意味になります。
アナボリックステロイドについて
ここから豆知識
アナボリックといえば、アナボリックステロイドって聞いたことがあると思います。
昔も今も海外で大人気なオリンピックなどのドーピング検査に思いっきり引っかかる薬物ですね。
アナボリックステロイドを利用すると異化を促進、つまり筋肉の発達がアナボリックステロイドを使う時と使わない時とで大きく変わるのです。
アナボリックステロイドはアメリカでは本当に大人気で、特に若者の使用率はとても高く、
2003年にはアメリカの10代の若者のアナボリックステロイド使用者数が30万人に達したという報告もあり、
また、自身が常用者であることを明かしたアメリカ人だけでもおおよそ110万人に上っているとの2004年度の研究まであるようです。
目的は見栄えをよくするため、つまり逆三角形になりたいがためだそうでアメリカでは通販で簡単に買えてしまうようです。
私たちが知っている有名人でも使用してる人は多く、
- アーノルド・シュワルツェネッガー(俳優)
- シルベスター・スタローン(俳優)
- ハルクホーガン(プロレスラー)
- バリーボンズ(野球選手)
- マーク・マクガイア(野球選手)
などがアナボリックステロイド使用者として知られています。
マーク・マクガイアは
「アナボリックステロイドはバイアグラよりも効く」
などと発言して一時話題になりました。
ですが、その副作用もとても強く、
- がん
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- うつ病
- 無精子病
- 無月経
など体に甚大な被害を及ぼすこともよく知られていて、
プロレスラーのダイナマイト・キッドはその副作用のため、車いす生活を余儀なくされています。歩けなくなるまでとは本当に怖い…
そのためブッシュ政権時にはステロイドの危険性を啓発するための教育プログラムが巨費を投じて作り出されたということです。
日本ではアナボリックステロイドは普通にしていれば手に入れるルートはありませんが、海外からの輸入をうまくすれば手に入るようで、日本人でもステロイドを使っている人はごく少数いるようです。
未来のすべてを犠牲にしてまで一時の体のムキムキ感に浸ることがいいのか悪いのかはわかりませんが、私は使うことはないと思います。
カタボリック
さて、最後はカタボリックです。
カタボリックはアナボリックの反対語で、意味は「同化」
カタボリックの意味するところは筋肉の分解、ダイエットでもなんでも一番避けなければならない問題ですね。
なぜカタボリックが起きるのかというと、体の中のアミノ酸濃度が減っている時、つまりエネルギー不足に陥っているときに筋肉を分解してアミノ酸に変えてしまおうという働きが起こるためです。
ダイエットでリバウンドする原因の一つに基礎代謝の低下が上げられますが、
この基礎代謝の低下の原因はカタボリックにあります。
ダイエットで極端にエネルギーを制限して無理やり体重を落とすと、その間は慢性的なエネルギー不足に陥っているということになりますから、必然的に体はエネルギーをどこかから作り出そうとし、その原料が脂肪であり、また筋肉でもあるのです。
糖質制限でうるさくうるさくエネルギーはしっかり摂りましょう、脂質はしっかり摂りましょう、というのはこのエネルギー不足によるカタボリックを防ぐためで、糖質制限 + カロリー制限になっている人はカタボリックがとても起こりやすい状況になりますので本当に糖質制限中はエネルギー不足に気を付けてください。
カタボリックをどう防ぐか
筋トレ上級者の間ではこのカタボリックをいかに防ぎつつ、アナボリックを促進するか、というところをとても重視しています。
実は筋トレばかりしているだけでは条件次第ではカタボリックが起きることもあり、そうなると筋トレをしているのに筋肉が減ってしまうという何とも摩訶不思議な現象が起きてしまいます。
そのため、トレーニー(筋トレをしている人)たちはカタボリックにとても敏感なのです。
もちろん私たちも例外ではなく、トレーニングをしていなくてもカタボリックはできる限り防がなければなりません。
ではどうすればカタボリックを防ぐことが出来るのでしょうか。
以前に私が書いた記事で
タンパク質 = アミノ酸
ということを書きました。
そう、アミノ酸とはタンパク質と同じものなのです。
もっと正確にいえばアミノ酸がいくつもいくつも結合して大きくなったのがたんぱく質なのですが、一旦忘れてください。
ということは端的に言うと
たんぱく質を摂る=アミノ酸を摂る
ということになりますので、たんぱく質をしっかり摂っていればカタボリックを防げる、ということになります。
たんぱく質を摂るのはもちろん肉、魚などですが、
プロテイン、BCAAなどのサプリメントもとてもおすすめです。
特にBCAAはアミノ酸そのものですのでプロテインよりも吸収速度が速く、飲んでから30分ほどで体内のアミノ酸濃度が高まるほどですので、寝起きや寝る前にBCAAを飲むのはとてもおすすめと言えます。
BCAAがない場合であればプロテインでも全然大丈夫です。
大事なのはアミノ酸濃度が下がるほどにエネルギー不足に陥らないこと、これを意識するのが一番のポイントです。
まとめ
メタボ、アナボリックステロイドは聞いたことがあっても
一番大事なカタボリックについては皆さんあまり知っている人がいません。
メカニズムを知っていれば事前に対策は打てるものですから、ぜひこの機会にBCAAのサプリやプロテインサプリを用意しておきましょう。
私は常に両方とも置いてあります。
忙しかったり体調不良で食事がしっかりと摂れないときなどはプロテインもBCAAもとても役に立ってくれます。
プロテインを飲むと空腹感がなくなりやすくなるというところも何気にダイエットのストレスを軽減してくれますから、プロテインはぜひ持っておきましょう。
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。