トランス脂肪酸は脂質の中でも避けた方がいい脂質 糖質制限でも摂らない方が無難

こんにちは。

 

糖質制限中では脂質はとっても大事な大事な栄養素です。

 

脂質こそが糖質制限のかなめと言ってもいいかもしれません。

 

ですが、その脂質も出来ればよい脂質を選んでいかなければ糖質制限とは別のところで体に悪影響を及ぼすこともあります。

 

今回は避けるべき脂質であるトランス脂肪酸についてお話ししていきたいと思います。

 

トランス脂肪酸とは

 トランス脂肪酸とは主に人工的に作られた植物性の油に水素を添加して化学変化を起こしたものです。

 

 自然界にもトランス脂肪酸は存在しますが、それとは構造が似て非なるもの(シス型とトランス型と呼びます)で、私たちが口にしている人工的に作られたトランス脂肪酸は体内で正常に代謝できません。

 

そのため健康リスクが指摘されています。

 

 ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)によると、トランス脂肪酸が起因する心不全で死亡する人は年間500人にのぼるとされています。

 

トランス脂肪酸が使われる理由は

  • 安い
  • 保存がきく
  • おいしくなる

これらの利点を健康リスクが浸透していなかった1990年代から食品メーカーが好んで利用するようになりました。

 

 これだけみれば確かにとても便利なものですが、世の中そんなに甘くありません。

トランス脂肪酸の危険性

 先ほど書いたとおり、トランス脂肪酸には健康リスクが指摘されています。

 

 血管の障害を起点に心筋梗塞や脳卒中の被害が特に懸念されています。

 

 『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』誌で報告された2015年のカナダの分析研究では、トランス脂肪酸が健康に与える影響を調べた数カ国の研究20件のデータを分析しました。

 

 その結果、人工のトランス脂肪酸を取ると、すべての原因による死亡率が34%増加し、心臓の病気による死亡率が28%増加、心臓の病気になるリスクが21%増加すると判明しました。

 

 血管の障害を起こす理由はLDL、つまり悪玉コレステロールです。

 トランス脂肪酸はLDLコレステロールをぐんと増やすため、動脈が詰まりやすくなります。

 同時に、HDL(いわゆる「善玉」)コレステロールを減らしますから、余分なコレステロールを肝臓に戻して身体の外に排出する機能が低下します

 

 そのため、血栓ができやすくなり、心臓発作や脳卒中につながるだけでなく、トランス脂肪酸は血管の内側も傷つけるため、血管の正常な機能にも障害が起きるそう。

 そのほかにも糖尿病から心臓の病気、メタボリックシンドロームまで、多くの慢性病を推し進める重要な要素と見なされています

 

世界ではドンドン規制が

 デンマークでは、政府が2003年6月から、消費者向けに販売・供給される食品(中食や外食を含む。)に含まれるトランス脂肪酸について、最終製品に含まれる油脂100 gあたり2 gを超えてはならないとする規則を設けています。

 故意又は著しい怠慢によりこの規則に違反し、違反により健康に悪影響やリスクの増加をもたらしたり、不当な利益を得たりした場合には、最高2年の禁固刑という罰則が定められています。 

 

 また、ニューヨーク市では2004年からトランス脂肪酸を含む加工食品に含有量の表示義務を定め、

 2007年には全米で初めて、調理油などに含まれるトランス脂肪酸の飲食店での使用を禁止する条例を施行しました。

 具体的には一食につきトランス脂肪酸を0.5ℊ以内にするというもので、守らないレストランには罰金刑が科せられます。

 

 そしてそれを後追いするようにアメリカ政府も2006年にはトランス脂肪酸も含有量の表示を義務づけました。

 

また、2015年6月17日に、部分水素添加油脂の食品への使用規制を公表し、この規制を2018年6月18日から開始しました。

(ただし、規制の開始前に製造された食品や、部分水素添加油脂を特定の目的・方法で使用して製造された食品については、規制の開始を延期しました)

 

 さらには世界保健機関(WHO)は2023年までに、世界中のすべての食べ物から人工のトランス脂肪酸を取りのぞく予定、とまで明言しています。

日本では規制はなし

 これだけ世界的に規制規制となっているトランス脂肪酸ですが、日本では規制がされていません。

それは何故でしょうか。

管轄を行う厚生労働省は

 

「欧米に比べて日本人のトランス脂肪酸の摂取量はとても少なく、また、世界でのトランス脂肪酸に対する評価が固まっていないため」

 

としています。

 

 確かに厚生労働省の調査の結果、日本人の推定トランス脂肪酸摂取量は一日あたり約0.9ℊとWHOの定めた基準の1ℊを下回っています。

 

 ですが、一人暮らしの男性や女性で自炊をしない人達は店屋物を食べるしかなく、店屋物には必然的にトランス脂肪酸が多く含まれる食事を強いられることになります。

 

規制がありませんからね。

 

 それに安い食事ほどトランス脂肪酸を摂るリスクが高まりますから、平均がどうのこうのという前にしっかりと規制の網は張るべきだと私は考えています。

 

 平均では低くとも、年収の格差のように、トランス脂肪酸の摂取量の格差が起きてしまっている気がしてなりません。

代表的なトランス脂肪酸を含む食材

 外食では防ぐことが難しいですが、自炊では食材を自分で選ぶことができます。

 

そのため、トランス脂肪酸を含む食材は出来る限り避けていきましょう。

 

トランス脂肪酸を多く含む食材は以下の通り

  • サラダ油(なたね油、キャノーラ油、大豆油、とうもろこし油、ひまわり油、べにばな油、グレープシード・オイル、米油、綿実(めんじつ)油、等)
  • トクホのオイル(エコナ、リセッタ、サララ)
  • マーガリン
  • ショートニング
  • ホイップ

 

一番気を付けるのはやはりマーガリン。

 

そして油類ですね。

 

個人的に一番のおすすめはオリーブオイルです。

 

エキストラバージンオリーブオイルでもいいですし、通常のオリーブオイルでも結構です。

 

サラダ油は安価ですが、避けた方がいい油と言えますね。

 

トクホのオイルを買うくらいならオリーブオイルを買いましょう。

まとめ

 トランス脂肪酸は最近の健康志向ブームで知っている人も増えましたが、まだまだ知らない人の方が圧倒的に多いです。

 

 そのため、チェーン店や食品メーカーは必要がない限りわざわざ自社でトランス脂肪酸を使っていますなんて言いません。

 

安くて売り上げを上げることが至上課題ですから、規制がなければ使いますし、規制があっても抜け道を探し出すのが企業というものです。

 

 そのため厚生労働省をはじめとする公的機関にはいち早く日本の全社に対しトランス脂肪酸の規制をするべきと思います。

 

 今日はなかなか気にしないと気づけない油のお話でした。

 

皆さんの糖質制限がうまくいきますように。

 

本日もご覧いただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

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