こんにちは
今日は以前上げたストレスと糖尿病の記事の時に原因として取り上げたストレスホルモンの種類と本来の役割などを解説していこうかなと思います。
知っていたからといってどうにかなるわけではありませんが、単なる雑学としての読み物として読んでみてください。
早速見ていきましょう
血糖値を上げるストレスホルモンの種類
ストレスと糖尿病を読んでいただいた方には繰り返しになってしまって申し訳ありませんが、血糖値を上げる原因となるストレスホルモンの種類としては以下のようなものがあります。
- アドレナリン、ノルアドレナリン
- グルカゴン
- コルチゾール
などですね。
一つ補足をしておくと、これらのホルモンは決して不要なものではなく、本来はきちんと私たちの生命活動がうまくいくように調節をしてくれる生きていく上で必ず必要なものなのですが、ストレスが慢性化している状態ですと過剰に分泌されてしまうことで、逆に体に害をなしてしまう存在となります。
それではそれぞれのホルモンがどのような役割を担っているのか、少し引用も入れながら解説をしていきたいと思います。
ストレスホルモンの種類1 アドレナリン、ノルアドレナリン
まずはアドレナリンとノルアドレナリンです。
皆さんよく耳にすることがあると思います。
アドレナリンとノルアドレナリンの働きはよく似ていて、どちらも血圧の上昇が主な役割となります。
アドレナリンとノルアドレナリンの作用は似ているが違いもある。アドレナリンは、主に心臓に作用し心収縮力を増大させる。ノルアドレナリンは、主に血管平滑筋に作用し細動脈を収縮させる。いずれも血圧を上昇させる
引用:看護roo!
要約すると
- アドレナリンは心臓を動かす
- ノルアドレナリンは血管を広げる
となります。
この2つは闘争(逃走)ホルモンとも呼ばれていて、他の役割としては瞳孔の拡大や消化器官の運動低下、さらには痛覚のマヒなども起こします。
昔、サッカーのゴン中山選手が試合中に骨折をしていたにも関わらず試合を終わるまでプレーし、試合終了後に骨折していることに気づいた、というエピソードがありますが、まさにアドレナリンの働きによって痛みを感じにくくなっていたいい例だと思います。
そんな闘争に必要なアドレナリンとノルアドレナリンですが、過剰分泌するとどのようなことが起きるのでしょう。
こちらを見てください
アドレナリンは肝臓を刺激することで、グリコーゲンからブドウ糖への分解を促進させます。 同時に血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が抑制され、血糖値が上昇します。
引用:看護roo!
アドレナリンとノルアドレナリンが闘争ホルモンと呼ばれることは先に書きましたが、それはつまり闘争に必要な状態を作り出し、闘争が終わるまでそれを維持すると言えます。
これは途中でエネルギー不足にならない状態を維持するとも言い換えることが出来るのではないかと思います。
闘争(逃走)状態とはつまり、生きるか死ぬかの瀬戸際です。
生命の危機ですから、出し惜しみはしていられません。
死んでしまったら全てが台無しになります。
蓄えこんだ脂肪をエネルギーに変えて戦わなければなりません。
エネルギーの大売り出し、
エネルギーの大特売セール、
まさに赤字覚悟の出血大サービスセールです。
脂肪や筋肉が惜しくてガス欠になって倒されましたなんて笑い話にもなりません。
危機が去るまでエネルギーのストックは全部放出して、すべてが終わるまでは後のことは考えないようにする。
つまり
・脂肪や筋肉を糖新生によって血糖値を上げてエネルギーを体に充満させる
(エネルギーの生成をどんどん促す)
↓
・インスリンの分泌を抑制することにより、作り出したエネルギーを脂肪にすることをやめさせる。
(血糖値が高い状態を出来る限り維持する)
こういう仕組みに代わります。
普通の状態と全然違いますよね?
普通は血糖値が高まるとインスリンを分泌して脂肪としてためこみ、血糖値は下がっていきますが、この状態ですと脂肪を蓄えるのを逆に阻害します。
怖いことにストレスを受けている間はこの状態が慢性的に続きます。
脳はまだ危機が去ったと思っていない、もしくはまた危機がやってきたと判断するたびに、必要がないエネルギーを作りだし、それをしまい込むことを許してはくれません。
日常的にストレスにさらされ続け、このような緊張状態がずっと続いているとやがて必然的にずっと血糖値の高い状態が続き、糖尿病につながってしまうのは当然といえるでしょう。
ストレスホルモンの種類2 グルカゴン
さて、次はグルカゴンです。
まずはグルカゴンの働きを見てみましょう。
ウィキペディアからの引用です。
インスリンとともに血糖値を一定に保つ作用をするホルモンであり、インスリンとは反対に血糖値が下がって糖を必要とするようになったときに肝細胞に作用してグリコーゲンの分解を促進する。
引用:Wikipedia
要約すると
- インスリンとセット
- 役割はインスリンの逆で血糖値を上げる
となります。
役割はとてもシンプルですね。
グルカゴンの分泌は通常の状態であれば
グルカゴンの分泌は低血糖により促進され、高血糖により抑制される。
引用:Wikipedia
とあるように、自然と血糖値の度合いによって分泌量が自動的に調整されるので特に気を付けることはありません。
また、糖尿病患者に対し、低血糖治療薬として処方されることもあります。
ただし、ストレス過剰になるとこの限りではありません。
もう想像はついているでしょうが、ストレスが過剰になるとグルカゴンの分泌量も通常よりも増大します。
つまりアドレナリンやノルアドレナリンと同じく、必要もないのに血糖値を上げてしまうということです。
耐糖能と呼ばれる糖質に対しての耐性も悪化し、より糖尿病の可能性が上がってしまいます。
糖尿病患者にはグルカゴンのコントロールがうまく機能していない人も多く、健常者に高濃度のブドウ糖を投与すると血中のグルカゴン濃度は下がりますが、糖尿病患者に同様に高濃度ブドウ糖を投与してもグルカゴン濃度が下がらないケースがあります。
以前はインスリンの分泌異常にばかり注目が集まっていたようですが、最近ではグルカゴンの分泌異常にも着目され始めているようです。
ストレスホルモンの種類3 コルチゾール
最後はコルチゾール
ストレスホルモンの代表格がコルチゾールです。
まずはコルチゾールの概要を見てみましょう。
ヤクルト中央研究所からの引用です。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一つです。ストレスを受けた時に分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれています。コルチゾールの主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などで、生体にとって必須のホルモンです。例えば、その炎症を抑える働きから、ステロイド系抗炎症薬として治療にも広く使われています。
引用:ヤクルト中央研究所
とあります。
要約すると
- 副腎皮質ホルモンの一種
- 別名ストレスホルモン
- 糖新生を初めとする代謝の促進や炎症を抑える役割などを持つ
- 医薬品にも使われている
という感じです。
代謝の促進や炎症の抑制など確かに人にとって必要なホルモンですね。
ですが、ストレスを慢性的に受けている状態ですとコルチゾールが分泌され続けてしまいます。
この状態が続くと元々持っている役割が過剰になりすぎてしまいます。
つまり
- 必要がない状態での代謝の促進
- 免疫を抑制しすぎることによる免疫不全
などが挙げられます。不妊にも影響が出るといわれています。
また、コルチゾールは副腎皮質ホルモンの中の分類で糖質コルチコイドと呼ばれていて、下記のような役割を持っています。
タンパク質を糖化(糖に変換(脱アミノ基))して、血糖量を上昇させる。 また、グルカゴン、アドレナリンに対する許容作用がある。 糖質コルチコイドが存在しないと、これらのホルモンの働きが起きない。
引用:ヤクルト中央研究所
グルカゴン、アドレナリンは糖質コルチコイドがないと働けない、というものです。
これを逆に捉えると、ストレス過剰の状態でコルチゾールが分泌され続けているとグルカゴン、アドレナリンもその働きを止めることがない、つまりインスリン抵抗が上がり、代謝過剰にもなる。
結構怖い状態ですね。
まとめ
全てのホルモンが絡まりあうことで
- 高血糖状態
- インスリンの働きが阻害される状態
この2つの状態が必要もないのにずっと維持され続けてしまいます。
エネルギーは充満しているのにため込むことができない、そりゃああちらこちらで障害が出てくるのは仕方ないですよね。
ずっと体中に力を入れ続けているようなものです。
やってみるとわかりますが、1分ももちません。
筋肉はもちろん、関節や骨にも負担がかかり続けますから、意識的には自足することは困難です。
ただ、脳はそれを体の中で自動的にやってしまうので、知らないうちに体がむしばまれていくんですよね・・・
そう考えるとストレスって本当に怖い・・・
ストレスが与える影響は他にも自律神経失調症や摂食障害、うつ、あるいはがんなどの重大な疾患にも発展します。
出来る限りストレスにうまく対応して健康的な生活を送りましょう。
ストレス発散は美味しいものを食べたり、ヨガなどで体を動かしたりしてもいいかもしれませんね。
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皆さんが健康的な生活を送れますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。