こんにちは。
油について色々言われる中でよく出てくる言葉がありますよね。
それが
「飽和脂肪酸」
と
「不飽和脂肪酸」
これ何が違うかってご存知でしょうか?
ググっても結構専門的だったり、読みにくかったりではっきりわからないページが多かったので、素人なりに出来るだけ誤解や間違いがないようにそれらを引用しつつ解説していければなと思います。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の構造的な違い
では、さっそくですが、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸についてです。
名前の通り何かが飽和しているかしていないかで特徴が大きく変わるんですよね。
で、何が飽和してるの? というとそれは分子の結合。
下の図を見るとわかると思いますが、途中で炭素同士の二重結合があるものが不飽和脂肪酸。
ないものが飽和脂肪酸と呼ばれます。
わかるとシンプルですよね。
引用元:https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Faji3.com%2Fintroduction-to-nutrition-page3-1-types-of-fatty-acids%2F&psig=AOvVaw2Kl3VPfu9wUTDdch5QHDr0&ust=1583888137091000&source=images&cd=vfe&ved=0CA0QjhxqFwoTCOidhKTZjugCFQAAAAAdAAAAABAE
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の特徴
そして飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の特徴的な違いですが、物質として安定しているかどうか、常温において固体であるか液体であるかなどの違いがあります。
それに不飽和脂肪酸には先ほどの炭素の二重結合が一つのものを一価不飽和脂肪酸、2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸という風に呼びさらに種類が分かれています。
飽和脂肪酸はお肉や卵などに多く含まれ、エネルギーとして変換されやすいのが特徴です。
「飽和脂肪酸」
・ エネルギーとして使われやすく、体内で合成できる脂肪酸
・ 物質として安定(炭素鎖2重結合を持たない構造)
・ 肉、乳製品(牛乳、バター)卵黄、チョコレート、ココナッツ、パーム油などに多く含まれる
対して不飽和脂肪酸の一価と呼ばれるものはオリーブオイルやアボカドに多く含まれていて、常温では液体であることが多く、エネルギーとして使われにくいのが特徴です。
「一価不飽和脂肪酸」
・ オメガ9系脂肪酸とも呼ばれる
・ 比較的エネルギーとして使われにくく、常温で液体の脂肪酸
・ 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ持つ構造)
・ オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに多く含まれる
・ オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など
最後に多価不飽和脂肪酸ですが、これはオメガ3、オメガ6などが有名ですね。
DHAやEPAなどが有名です。
魚やクルミに多く含まれ、体内で合成できないため、食品から摂るしかないためサバ缶などの青魚はとてもおすすめです。
「多価不飽和脂肪酸」
・ オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される
・ 体内で合成できない必須脂肪酸を含む
・ 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ以上持つ構造)
・ 魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、えごまなどに多く含まれる
・ リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など炭素同士の結合方式によって大きく飽和と不飽和に大別することができます。
それぞれの構造の違いは下の図を見るととても分かりやすいと思います。
引用元:https://www.j-oil.com/oil/type/fa/#omega6
一般的に飽和脂肪酸は体に良くないといわれるが…
一般的にオメガ3やオメガ6などの不飽和脂肪酸は体によく、健康に良いとされています。
対して飽和脂肪酸は健康リスクが色々なところで指摘されています。
それは果たしてどこまで本当でしょうか。
Wikipediaからの引用になりますが、
- 2016年の世界保健機関によるシステマティック・レビューは、飽和脂肪酸の多量摂取は心血管疾患のリスク上昇と関係があるため懸念があり、特に多価不飽和脂肪酸に置き換えることで血中脂質の状態を改善することが確認された[1]。
- 飽和脂肪酸の多い食事はインスリン抵抗性を生じさせ、糖尿病の罹患が増加する可能性
- アメリカ心臓協会は、心臓病と闘うための健康的な食事と生活スタイルを勧告している(心臓病#アメリカ心臓協会による2006年版の食と生活の勧告参照)[8]。脂質関連項目を以下に抜粋する。
- 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を含む食物を、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸を含む食物に替える。
- 飽和脂肪酸の摂取を制限するために、肉は皮が取り除かれていて脂肪の少ないものを選ぶ。また、低脂肪の乳製品を選ぶ。
といったように飽和脂肪酸の多量摂取は心血管リスクや糖尿病リスクが上がるといった一方で、
- 日本の国立がん研究センターが4万3000人を追跡した大規模調査では、乳製品の摂取が前立腺癌のリスクを上げることを示し、カルシウムや飽和脂肪酸の摂取が前立腺癌のリスクをやや上げることを示した[9]。飽和脂肪酸を食べる量が多いグループで心筋梗塞のリスクが上昇するが、反面、飽和脂肪酸を食べる量が少ないグループで脳卒中のリスクが上昇する[10]。
- 2014年3月発行のアナルズ・オブ・インターナル・メディシンでは、「飽和脂肪酸は心臓疾患の原因にはならない」という研究が発表された。飽和脂肪酸の摂取量を減らすことは女性の場合、特に害がある。飽和脂肪酸の摂取量を減らしている女性の場合、高比重リポタンパク(いわゆる「善玉コレステロール」)の量が急減し、心臓疾患にかかるリスクが高いとされる[11]。
というように、飽和脂肪酸をあまりに摂らなさすぎないと逆に心筋梗塞や心臓の疾患にかかるリスクが上がるともされています。
ですので、極端に飽和脂肪酸をなくして不飽和脂肪酸を摂るのではなくて、割合を3:7にするなどなくすのではなく、比率を変えるようにすると健康リスクの低下につながると考えられています。
飽和脂肪酸は決してただの悪者ではないのでそこは勘違いしないようにしましょう。
まとめ
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違い、ちょっとはわかってもらえたでしょうか。
分子的な意味や構造式などの話を細かくするとついていけない人が多いと思うので、お肉が飽和脂肪酸、魚やオリーブオイルが不飽和脂肪酸と覚えておくくらいでいいかもしれません。
大事なポイントとしては
- 飽和脂肪酸の摂りすぎはよくないが、減らしすぎもよくないこと
- オメガ3やオメガ6は体で作れないので多く摂れる青魚はおすすめ
といったところを覚えておけばいいと思います。
ちなみに油には後もう一つ以前取り上げたトランス脂肪酸がありますが、これは本当に摂る意味がありません。
ですので、トランス脂肪酸も避けるようにすると健康にはなおいいでしょう。
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今日は雑学回でした。
何かの参考になれば幸いです。
本日もご覧いただきありがとうございました。