こんにちは。
先日のビタミンカスケード理論を紹介したときに発案者である三石巌さんのことを軽くご紹介しました。
ただ、
「この人って誰?」
「信用できるの?」
という気持ちになるかもしれませんので、今日は三石巌さんのことをご紹介したいと思います。
三石巌さんについて
三石巌さん。
カスケード理論の時も書きましたがこの方は世間では有名ではありませんが、実はすごい方。
経歴をざっくりWikiから引っ張ってくると
1927年東京大学理学部物理学科、同工学部大学院卒。日本大学、慶応義塾大学、武蔵大学、津田塾大学、清泉女子大学の教授を歴任。理科全般にわたる教科書や子供の科学読み物から専門書にいたる著作は300冊余。今なお読みつがれている。分子栄養学を提唱、健康自主管理運動の拠点として株式会社メグビーと三石理論研究所を設立。講演・執筆活動による啓発につとめ、生涯現役を全うした。
というように基本は物理学者ではありますが、自身の体験などから分子栄養学を提唱し、自身が掲げる健康自主管理の拠点としてメグビーと三石理論研究所を設立しました。
現在でも株式会社メグビーは存続しており、三石さんの理論に基づいた高ビタミン、高たんぱくサプリが販売されています。
物理学者が栄養学とか生化学とかに口を出すの?
と思われるかもしれませんが、DNAの二重らせん構造を解明したのって、
生物学者のワトソン氏と物理学者のクリック氏だったんですよね。
クリック氏は物理学者から生物学に転向してわずか6年でこの業績を上げました。
もちろんDNA研究と栄養学を一緒にはできませんが、人体の研究という点においては意外にも生物学と物理学は近くにあるものなのです。
三石さん自身も人間の体の中の細胞そのものも物理的な力が加わっているのではないか、としています。
これは私見ですが、それはまったくもって正しく、人間の筋肉の動きなどはもちろん、筋肉の合成、皮膚の再生、血液の循環、神経の伝達、脳の働きなどなど、生き物のメカニズムというものは全て物理的に説明ができるものだと思っています。
そこに魔法や超能力といった不可思議なものが介入する余地などもないということも、です。
話を戻しますが、三石さんの何より驚くべきところは1970年代、つまり40年以上も前に現代でようやく言われだしたコレステロールに関する事実を指摘していたり、さらにその前の50年以上前にはメガビタミン主義の大元になる理論をすでに発表していたことです。
コレステロールの誤りの指摘
コレステロールの誤りについてですが、具体的には「ビタミンE健康法」という著書を1976年に出版。
その著書の中で、「誤れるコレステロール伝説」というタイトルで
- 菜食主義者にも動脈硬化あり
- コレステロールは人体に必須
- 体内でコレステロールは大量につくられている
- 卵を食べてもコレステロールは上昇しない
- 動物実験の結果はウサギのような草食動物を使用
といった内容を指摘しています。
動物実験に草食動物を使用というところなどは、最近のマウスに糖質制限食を与えていた、などと同じですよね。
メガビタミン構想について
更にビタミンに関してはもっと昔のなんと1962年頃。
このころにメガビタミン主義の根拠としての今回ご紹介するカスケード理論を発表。
理由は自身の白内障診断による失明の危機でした。
それについては先日の記事をご覧ください。
1972年には「人間への挑戦」と題しメガビタミン主義を発表し、1974年には、東京タイムスに「ビタミンの大量投与の是非をめぐって」という論文を連載しました。
そして、1976年にはメガビタミン主義の理論的基盤となるパーフェクトコーディング理論の構想を立てました。
1981年にはメガビタミン協会(現三石理論研究所)を設立。
メガビタミンという言葉は三石さんが作った言葉なのです。
これが全て事実なのですからびっくりするという他ありません。
失礼な話ですが、私が生まれるさらに前の時代の方(三石さんは明治生まれ)が最近になってようやく知れ渡りだした事実をすでに知っていたなんてとても驚きです。
ボディビルダーの山本義徳さんは著書の冒頭で三島さんのことを「生涯学習の扉を開けてくれた」とまで評しているほどです。
他の理論に関しては機会があればまた取り上げたいと思います。
ダルビッシュ選手も著書を参考に
一般人の中では有名ではありませんが、一部アスリートの中には三石さんのことをご存知の方もいるようで、メジャーリーガーのダルビッシュ有選手もその一人。
Twitter上で三石さんのビタミンCに関する書籍を読んでいることを公表し、ためになると評しています。
まあ、そこで色々と炎上したみたいですが(^_^;)
炎上の理由
炎上理由は三石さんの理論が論文化されていない、医学的エビデンスに基づいていないという人がダルビッシュさんにかみついたわけですね。
ダルビッシュ選手は個人でそこは個人個人で判断して選べばいいとしましたが、かみついた人はエビデンスがない、論文で精査されていない理論などトンデモ理論でしかなく、そんなものを著名人が発信するなどナンセンスだ! としたわけです。
言いたいことはわかりますが、それでは著名人はいちいち自分が食べているものや使っているサプリなどを紹介するときに都度都度論文やエビデンスを提示しないといけないということになりますから、何もできなくなりますよね。
それにダルビッシュさんはこの本の紹介にあたって
珍しく寝られないため読書。
三石巌氏の「ビタミンC健康法」
この方の本は山本義徳氏の本と並んで本当に勉強になります。
ビタミンCがあなたの不調を治すかも?
としか書いていません。
これだけのツイートに論文がどうのエビデンスがどうのと言われたら何も発信できませんよね。
この紹介の時に
「これで○○が完全に治る!みんなこれをすべきだ!」
なんて書いたらそりゃーちょっとな…とはなりますが、読んでる本を紹介しているだけですからそれは個人の自由と思います。
三石さんの理論ってどこまで正しいの?
でも、

って思った方にですが、確かに三石さんの理論は論文化されていません。
それに100%が正しいとは私も思っていません。
「医学常識は嘘だらけ」
という本の中で
「脳が必要としているのは、ただ一つ、ブドウ糖だけだ」
と明確な誤りを書いてしまっています。
それに論文もありませんからそれを証明しているデータといったものもありません。
確かに論文化し、相互批判を受けることでその精度を上げていくというのは確かです。
ただし、そういったところだけを見て三石さんの理論のすべてを否定するのも逆におかしい話ではあると思います。
はっきりしているのは
- カスケード理論を考え出し、三石さん自身がビタミンCの大量摂取によって失明を免れた
- ビタミンE健康法にて現在になってようやく世間に認知され抱いたコレステロールについての考え方の誤りをすでに指摘していた
という事実。
また、論文は発表されたからといってすぐさま信用できるものではありませんし、世間の評価を受けるまでにも時間がかかります。
全ての事柄が論文や実験のエビデンスではっきりしてからでないと何も選べないのであればその間に私たちは死んでしまいますし、何よりもそこまで時間をかけて信用がついた論文があっさりと新事実で覆ることもあるという現実もあります。
論文がない、エビデンスがない、そういったところだけを見て三石さんの理論や考え方をトンデモと一概に切り捨てるのはどうかとも思います。
アインシュタインの考えや理論にさえ穴はあったのですから。
まとめ
じゃあ、お前はどうなんだって?
もちろん参考にしていますよ。
というより、三石さんの著書に出会い、それをさらに発展させた山本義徳さんの著書を現在は読み進めています。
山本義徳さんの著書は各種論文をしっかりと精査し、なによりご自身がボディビルダーであったことからも自分の体のためにしていたので、とても実践的で無駄のない理論になっています。
ただ、言えるのは一般人に向けてというよりアスリートなどの専門性の高い方が読むといいと思います。
私は変人なのでアスリートでもなんでもありませんが、とても面白く読ませていただいてます。
山本義徳さんは世界大会で優勝の経歴もある方ですからその方の実践している内容と思えばその一助を担っている三石さんの理論も信用が出来るのではないでしょうか。
ダルビッシュ選手も山本さんの指導を受けている方でしたね。
どちらかというと私の場合三石さんをというより山本さんを信じているので、その山本さんが信じている三石さんを信じている、といった感じでしょうか。
簡単にいえば師匠の師匠みたいな感じですね、あったことないけど(笑)
よかったら皆さんもお読みになってみてください。
山本さんの著書もとても参考になりますよ。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。