こんな疑問に答えます。
こんにちは。
糖質制限においても、そうでなくてもたんぱく質をしっかりと摂ることはとても大事なことですが、なかなか普段の食事だけで満たすのは難しいところがあります。
なので、私個人の意見としては大半の人は普段の食事とは別にプロテインを飲むことをおすすめしています。
プロテイン、つまりたんぱく質は筋肉だけではなく、髪の毛や皮膚、骨などの原料にもなるので、減らすことを考えるということはあり得ません。
極限までカロリーを減らしてダイエットをするVLCDダイエットでも、たんぱく質だけは摂るようにしていることから、いかにたんぱく質量を維持することが体にとって大事なことなのかがわかります。
そんな感じで、ダイエットのサポートとしても、単純な栄養補助食品としても優秀なプロテインですが、これに異を唱える人がいます。
糖質制限支持派の牧田善二医師です。
牧田医師は著書の中でプロテインのような「不自然な」ものは口にしてはいけない、そういっています。
ただ、個人的に突っ込みたいことがありましたし、牧田医師がそう唱える根拠と反論もまじえて紹介したいと思います。
牧田善二医師がプロテインを否定しているのはなぜ?
さっそくですが、なぜ牧田善二医師はプロテインを否定しているのでしょうか?
ちょっと牧田医師の主張を抜粋してみます。
以下、牧田医師の主張より引用。
肉など自然の食べ物には含まれていない「つくられたタンパク質」は、大事な腎臓を悪くする可能性があります。どういうことか簡単に説明しましょう。
引用元:https://diamond.jp/articles/-/145387?display=b
タンパク質は、私たちの血肉をつくる非常に重要な栄養素です。ただ、糖質や脂質と違って、分解の過程で尿素窒素などの毒素を産出します。これら毒素は腎臓の濾過機能によって尿として体外に排出され、私たちは健康を保っています。
もし、腎臓の濾過機能がすっかり駄目になれば体中に毒素が回る尿毒症となって死に至ります。それを避けるために、機械に血液を通して毒素を濾過しているのが人工透析です。
人工透析を必要としている患者さんは「身体障害者1級」の手帳を持ち、医療費が無料(*1)になります。腎臓が機能しないということは、それほど重篤な状態だということです。
このように腎臓は非常に重要な臓器なのですが、人工的に大量のタンパク質を摂取することは、その働きを腎臓に強要し疲弊させ、重大な被害を生みかねません。
引用元:https://diamond.jp/articles/-/145387?display=b
では、人工的なタンパク質とはなんでしょう。代表的な例が、パウダータイプなどのプロテインやアミノ酸です。スポーツクラブに行くと、摂取している人をよく見かけます。とくに男性に多いですね。
どうせ運動をするなら、筋肉がつくプロテインや疲労を取り除くアミノ酸の力を借りたほうが効率的だと考えるのでしょう。
しかし、私はいますぐやめたほうがいいと思います。こうした人工的な商品には、自然な食品とは比べものにならないほど大量のタンパク質が含まれています。
引用元:https://diamond.jp/articles/-/145387?display=b
また、タンパク質の大量摂取は骨に悪い影響を与えるという論文もあります。こうした人工物で健康体をつくろうというのは大きな間違いなのです。
引用元:https://diamond.jp/articles/-/145387?display=b
まとめると、
- 人工的なたんぱく質は体によくないよ!
- 摂りすぎると人工透析が必要なくらい悪くなるかも!
- 人工的な商品はたんぱく質がびっくりするぐらい大量に!!!
- 骨がもろくなるかもって話もあるからプロテインを摂るとかっていうのは大きな間違いなんだよ!
はい、こんな感じ。
正直、この人医者? と思うくらい極論に走りがちで妄想バリバリな感じなので突っ込みたいと思います。
『人工的なたんぱく質』の定義とは?
まず、人工的なたんぱく質って言い方が引っかかります、というか気に入りません。
ホエイプロテインを初めとする各種のプロテインは例えば牛乳だったり、豆だったりと自然なものから抽出したたんぱく質ですから、人工的人工的と連呼するのは非常に違和感があります。
牧田医師はプロテインの製造工程をしっているのでしょうか?
それに、自然のものから抽出したプロテインが体に良くないというのであれば、一つ言いたいことがあります。
それは
え、じゃああなた達医者が処方してる薬って人工的なものなんかじゃなくて、自然にどっかから収穫できるものなんですか!? すごいですね!!
ってことです。
だってそうじゃありませんか?
病院で処方される薬ってどっかの畑から収穫したものなんですかね?
それとも何かの木の実として最初っからカプセル状で成ってるものをとってきたんでしょうか?
そんなわけないですよね、完全に工場でそれこそ成分からカプセルから何から完全に人工的なものといって過言ではありません。
100%人工物の薬を患者に対して処方しているくせに、牛乳から抽出したプロテインを人工的なものだから飲むのはやめとけとか、適当かますにしても限度ってもんがありませんか?
そんなに人工的なものに拒否反応起こすんなら医者やめりゃーいいんです。でも、牧田医師は今でも何食わぬ顔で患者さんに薬を処方しています。
これをダブスタといわずしてなんというのでしょう?
まずこの一点が気に喰いませんし、主張がブレブレになっていますから牧田医師の発言そのものに信憑性がなくなりますよね…
プロテインに大量のたんぱく質が含まれているとは? 大量のたんぱく質の定義とは? ちょっとは勉強しろ!
次に大量のたんぱく質の定義について。
牧田医師の大量のたんぱく質の定義とはどの程度のものでしょうか?
プロテインは一杯あたり大体20gのたんぱく質を摂ることができますが、牧田医師が警鐘をならしている大量とはいったい何g程度のたんぱく質を指しているのでしょう?
私が以前取り上げた記事で、体重×4g近いたんぱく質を摂取したとしても問題がないことはわかっています。
実に300g近いたんぱく質をとっても問題がないのですから、腎臓に影響が出てしまいそれこそ人工透析が必要なくらい腎臓が悪くなるという牧田医師の過剰摂取ラインはもっと高いと考えていいでしょう。
一日にたんぱく質を500g、あるいは1㎏とかでしょうか。
ただ、結論から言えばそれほどの大量のたんぱく質を摂ることは現実問題として不可能です。
肉や魚はたんぱく質がおおよそ20%含まれていますが、一日にたんぱく質を300g摂取するとしても、毎日1.5㎏もの肉や魚を食べねばなりません。
プロテインに頼るにしても一日に15杯も飲むことになります。
はっきり言って異常ですし、牧田医師の主張をそのまま受け入れるなら、更にもっと大量の、一日500gとか1㎏のたんぱく質を摂るとかそんな途方もないレベルになっています。
肉、魚換算で1日あたり、2.5㎏~5㎏くらいの量を食べることになります、そんな人どこにいますか?
牧田医師はどこの誰を想定してそんな主張をしているのでしょうか、はっきり言って全く意味が分かりません。
プロテインで人工透析? 論理が飛躍しすぎている
それに牧田医師はその危険性を人工透析に例えていますが、牧田医師は実際にプロテインの飲みすぎで人工透析になった人を見たことがあるのでしょうか?
100%言えることですが、完全に牧田医師の妄想です。
これも現実に目を向ければ簡単に答えが出ます。
もし、そんなにプロテインが危険なものならトレーニングをしているマッチョさんたちはきっと全員腎臓がいかれてるでしょうし、実験結果としても報告されていてプロテインは市場から消え去っていることでしょう。
ただのたんぱく質がそんなに危険だっただなんて!! と。
ですが、そんなことは起きていません。だからこそ今でもプロテインは売れていますし、作られてもいるのですから。
病人と一般人を一緒に語られても困る
さらに、牧田医師は自分の患者がプロテインを飲んだことによって尿アルブミン値が悪化したことを根拠にしているようですが、病人と健常者を一緒くたにされては困ります。
それを言い出せば糖質制限だってやってはいけない人もいるのですから、牧田医師が進める糖質制限も同じようにしてはいけない危険な食事療法と言われても何も文句は言えません。
例外ばかりを取り上げて危険だなんだといって公平性に欠ける主張をするなど医師という科学的な仕事をしているくせに気が付かないのでしょうか? あきれてしまいます。
もし、「糖質制限も脂質代謝異常の人がしては危険だから糖質制限は危険だ! みんなしてはいけない!」と主張する人が現れたら牧田医師はどう反論するのでしょうか?
きっと「それは例外的なものであって『正常な人』は糖質制限を行っても問題はない」というでしょう。
そのまま牧田医師にブーメランで返っていきますね。
1回あたり20g程度のたんぱく質が含まれているプロテインを飲んだところで『正常な人』は問題ありません、『正常な人』なら。
確かにプロテインを腎臓や肝臓の病気にかかっている人が飲むとそういったことは起こるかも知れません。
ただ、それは健康体の人には起こらないことですし、万が一起こったとしてもかなり低確率なことと考えて差し支えないでしょう。
そんな当たり前のことをドヤ顔で本に出してまで言うなんてちょっと牧田医師は思慮が足りないといわれても仕方ないのではないでしょうか。
骨がもろくなるというのも大嘘。たんぱく質は骨にとって超大事!
そして骨がもろくなるという説もすでに否定されています。
● たんぱく質摂取と骨粗しょう症に因果関係は認められない
専門家の間でも議論があることから、近年、たんぱく質摂取と骨の健康の関連性について、複数の大規模なシステマティック・レビューやメタ解析によって検討が行われました。その結果、食事のバランスがとれていれば、たんぱく質摂取と骨粗しょう症に因果関係は認められませんでした。むしろ、たんぱく質の摂取は骨の健康に寄与することが示されました。動物性たんぱく質、植物性たんぱく質のリスクの差も認められませんでした。
引用:https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa31.html
ただ、これに関しては牧田医師を擁護するわけではありませんが、仕方のないことです。
『医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方』の出版は2017/9/22。
対して、「骨粗鬆症、変形性節症、筋骨格疾患の臨床的および経済的側面に関する欧州学会」と「国際骨粗鬆症財団」が、たんぱく質と骨の関係性において合意を得たのは、2018 年9月。
1年後に否定されたのであれば仕方ないですが、できれば増刷する際はその部分は改定していただきたいものです。
まあ、本を読む限り牧田医師はなんちゃってレベルで本を書いておられるようですから、そのようなことはあり得ないでしょうね。
牧田医師の唱えている説ははっきり言ってもう古く、そもそも少数派の意見だったため、個人的には聞く価値はないと思います。
まとめ
ということで、牧田医師のプロテインに対する妄想全開の主張に対する反論でした。
ちなみに断っておきますが、私は別に薬とか否定してるわけじゃないですからね。
私個人はサプリも薬もプロテインもなんでもかんでも飲みます。安全で体にいい影響があればなんでもいいというスタンスです。
人工的とか天然だとか死ぬほどどうでもいいことですね(^^;)
病院から処方された薬だって用法を無視して大量に飲めば体に悪影響がありますし、水でも油でもなんだって同じことが言えます。
毎日大量に飲んでも大丈夫なのはせいぜいビタミンCくらいでしょうか。
大量に何かを摂りすぎればダメだなんて子供にでもわかることですが、牧田医師はなぜかプロテインだけを標的にしているのがよくわかりません。
薬もプロテインも用法用量を守って使えば健康に役立つものですので安心して飲みましょう。
では。