こんにちは。
糖質制限と言えばケトン体。
ケトン体がエネルギー源になって、糖質がいらなくなりますよ、
というのは皆さん結構ご存知かと思いますが、
先日の記事で同じカロリーでも消費カロリーが増えるんですよね、と書きました。
なぜケトン体を作り出す体にすることで消費カロリーが増え、痩せる体になるのでしょうか?
雑学みたいな話になってしまいますが、少しおつきあいください。
ケトン体のおさらい
まずはケトン体ってなんぞや?
というおさらいからしてみましょう。
ケトン体とは、脂肪から作られる糖に変わるエネルギー源です。
普段私たちは糖質を摂っているため、糖を主なエネルギー源として活用していますが、
体に蓄えられる糖、グリコーゲンの量はとても少なく少しの間糖を摂らないとすぐに糖が枯渇してしまいます。
そんな時、体は自身の脂肪を分解することによってケトン体を作り出し、
糖の代わりのエネルギー源として利用するようになるのです。
余り知られていませんが、私たちは糖質を摂っていても毎日ある時間にケトン体を作り出しています。
そのある時間とは睡眠中。
よほど生活習慣が乱れている人でない限り、夕食を食べてから朝起きて朝食を食べるまでに実に10時間前後私たちは何も口にしません。
そんなわずかな時間でも糖質は足りなくなり、ケトン体を作りだしてエネルギーを補っているのです。
ケトン体と言えば糖質制限と思われがちですが、ケトン体とはもっと私たちの身近に存在するものなのです。
脳は糖しか使えない?
ケトン体についてよくしらない医師や管理栄養士がよく
脳は糖分しか使えない! 糖質制限すると危ない!
という批判をしている方がいますが、明確な誤りです。
脳はケトン体をエネルギー源として使えることはすでにわかっています。
細かな話をするとケトン体をエネルギー源として使うためにはミトコンドリアが必要で、
ミトコンドリアを持っていない細胞や組織というものは
体の中では赤血球くらいしかありません。
ですが赤血球に必要な糖は糖新生で作り出されますので糖質を食べる必要はないのです。
脳にはミトコンドリアがきちんとありますので、ケトン体をエネルギー源として利用することは可能です。
というか、そんな不便な仕様だったら人間はすでに滅亡してますよね…
人間の先祖は糖質が不足している時代の方が長かったわけですから。
批判している人はそんなこともわからないのでしょうか( ̄▽ ̄;)
ケトン体が痩せる理由
では、ケトン体がエネルギー源になりますよということがわかったところで、
なぜケトン体が痩せるのか、という説明をしたいと思います。
ケトン体が痩せる理由にはいくつかあります
- 脂肪を直接エネルギーにするので効率がいい
- 肝臓の消費カロリーが増える
- 余ったケトン体は外にでていく
大きく言えばこの3つがその理由と言えるでしょう。
脂肪を直接エネルギーにするので効率がいい
まず、先ほども申し上げた通りケトン体の原料は脂肪。
脂肪を直接エネルギーに変換するため、
中性脂肪や内臓脂肪といった厄介な脂肪もそのままケトン体に変換されるため
とても効率よく脂肪が減らせます。
肝臓の消費カロリーが増える
次に肝臓の消費カロリー増える、ですがケトン体は肝臓内で脂肪酸を変換して作り出されます。
そのため肝臓が活発に活動することによって肝臓の消費カロリーが糖質を食べているときよりも上がるのです。
でもこういうと
「肝臓なんて内臓の一部でしょ? 肝臓のカロリーなんて大したことないでしょ( ´艸`)」
という人がいるかもしれませんが、それは勉強不足というもの。
実は私たち人間の基礎代謝量に占める割合は臓器では
- 肝臓が最大で27%
- 脳が19%
- 腎臓も10%以上
を占めると言われています。
肝臓の消費カロリーって基礎代謝の1/4ほどにもなるのです。
ということはその肝臓の活動が活発になればその消費カロリーもとても大きく上がるということ。
以下の実験では250キロカロリーもの消費UPにつながっているとあります。
ケトダイエットの優れた減量効果を示す研究は増え続けている。マサチューセッツ州のフレーミンガム州立大学チームが昨年発表した論文によると、低糖質・高脂質の食事を20週間続けた過体重の成人は、高糖質・低脂質の食事を続けた対照群と比べ、1日の消費カロリーが約250キロカロリーも多かった。
出典:噂のケトダイエット、本当に体にいいの?
結構すごいでしょ?
もちろん肝臓だけではなく、糖新生による腎臓の消費カロリーUPも見込めますので、同じカロリーを摂っていても消費カロリーが上がり痩せやすくなるということです。
余ったケトン体は外にでていく
最後に余ったケトン体は外に出ていく、ですがこれが一番面白いところと言っていいでしょう。
ケトーシス中の人間の体の血液はケトン体で満たされています。
それというのもケトン体は水溶性で血液中に溶けるために、作られた先からどんどん血液中に溶けだしていきます。
ですが、困ったことにケトン体をそのままストックしておける体の機関や組織といったものはありません。
どの組織もケトン体をエネルギー源として使うのがせいぜいです。
でも、肝臓はどんどんケトン体を作り出していきます。
面白いのがここで、ケトン体がどこまで作られたら肝臓はケトン体を作り出すのをやめますよ、という基準は体に存在しないのです。
ですのでケトーシス状態の肝臓はせっせと体の脂肪を分解してケトン体を作り続けるのです。
でも、使えるケトン体には限度がありますよね?
このままだと血液にケトン体しかなくなってしまいます。
さて困りました(笑)
解決方法はとても簡単で、おしっこにまぜてケトン体を体の外に逃がしてあげることです。
そしてまた肝臓は脂肪を分解してケトン体を作り出すのです。
これは一見するととても無駄な行為です。
生き物のメカニズムからすればエネルギー源をどんどん作っては不良在庫扱いで外に捨ててしまっているわけですからね。
ですが、ダイエットと考えればこんなにありがたいことはありません。
- ケトン体をどんどん作って
- 体に充満してもまだまだ作って
- 要らない分はおしっこ行き
- もちろんケトン体の原料は脂肪
というわけで、ケトン体を作り出す状態に変化することのメリットはとても大きいものなのです。
不安な人は検査キットでチェック
ケトーシス状態には糖質制限をきちんとおこなっていれば勝手になってくれるのですが、
ゆるめの糖質制限をしていてケトーシスになっているかわかない、
あるいは自分がケトーシス状態が目で見てちゃんと知りたいという人は
検査キットがおすすめです。
検査キットといってもただの紙におしっこをかけるだけの簡単なもので、
リトマス試験紙のようなものです。
薬局などでたまにあるようですが、私の近くのサーバなどでは見たことがないので、ネットで買うのが簡単でおすすめですね。
ただ、消耗品なのでもったいないという人は少し高いですが、
呼気からケトン体をチェックできるものもあるのでそちらでもいいかもです。
まとめ
何もしなくても消費カロリーが上がるのはとてもありがたいですよね。
ちなみにケトン体が体に充満することによって
ケトアシドーシス
という症状が表れるかもしれないから糖質制限が危険だという人がいますが、
江部医師はこれをきっぱりと否定しています。
ケトアシドーシスが起こるのはインスリンの分泌がうまくいっていない人に飲み起こる症状で、
健康な人が糖質制限をした際にはケトン体が充満していても何ら問題はないと述べています。
もちろん私も2年間やっていましたが体が酸性に傾いて危なかった、なんてことは一度もなかったので安心してください。
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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