こんにちは。
糖質制限をしていて、よく聞く問題が便秘。
しっかりと食物繊維などをとれていればいいのですが、
やはり人によっては食事内容が傾いたりして便秘気味になったりする人もいるようです。
便秘を解消するためには腸内環境の改善に努めなければなりません。
そんな時に色々なサプリを試すと思うのですが、一度イヌリンを摂ってみてはいかがでしょう?
今日はイヌリンについてのお話です。
イヌリンってなに?
イヌリンとはきくいもやゴボウ、玉ねぎなどに多く含まれる多糖類の一種です。
別名はフラクトオリゴ糖と呼ばれています。
「あれ、多糖類ってことは糖質なの?」
と思われるかもしれませんが、
確かにイヌリンは多糖類で糖質に分類されますが、
栄養学上は水溶性食物繊維としてみなされるものとなります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いはこちら
いわゆる難消化性のオリゴ糖で、糖質ではあるのですがほとんど血糖値はあげません。
それどころか腸内環境の改善にとても役に立つ優れものなのです。
イヌリンの効果
「ほうほう、水溶性の食物繊維だからうんちを柔らかくしてくれるので腸内環境の改善に役立つんだな?」
と思った方、いえいえイヌリンの効果はそんなものじゃありません。
イヌリンの効果で分かっているものに以下のような効果があります。
- 大腸でビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす
- カルシウムやマグネシウム、鉄などの吸収を促進させる
- 血糖値・中性脂肪を下げる
なかなかすごいのですよね。
一つずつ解説していきます。
大腸でビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす
まず、イヌリンの一番大きな特徴として言われているのが善玉菌の増加。
イヌリンを摂取することでいわゆる腸内フローラが改善することがわかっています。
かなり具体的に言うと
- 上行結腸においてはビフィズス菌を増やす
- 横行結腸においてはビフィズス菌と乳酸菌を増加させ、大腸菌を減らす
- 下行結腸においてはおなじくビフィズス菌と乳酸菌を増やし、大腸菌とブドウ球菌を減らす
このようになります。
上行結腸や下行結腸がわからない方は以下の図で確認してみてください。
出典:大腸がん(上) 患者最多 自覚症状少なく「突然の下血」「診断時には転移」
要するに
大腸の最初から最後の部位に至るまでしっかりと善玉菌の増加に役立っている
ということですね。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
イヌリンは血糖値も上げず、消化酵素の影響も受けませんので消化はされにくいものです。
ですが、腸の中のバクテリアのえさとなるため、このようなことが起きるのです。
これをプレバイオティクスと呼びます。
プレバイオティクスの考え方は善玉菌を食べ物で摂取しても腸にたどり着くまでに胃酸などで死んでしまうため、腸までしっかりと届くエサを送り込んで、元々いる善玉菌のサポートをしよう、という考え方です。
CMで似たような単語をよく聞きますよね。
あれはプロバイオティクスで、プロバイオティクスは善玉菌そのものを生きたまま送り込もう、という考え方で基本的な発想は同じものです。
「プレ」 と 「プロ」 で少しだけ違うのです。
さて、イヌリンの善玉菌が増える効果によって善玉菌は短鎖脂肪酸をたくさん作り出します。
この短鎖脂肪酸によって腸内環境が改善されていくのです。
短鎖脂肪酸とは
短鎖脂肪酸とは簡単に言えば大腸のエネルギー源、ごはんです。
短鎖脂肪酸のおかげで
- 大腸はエネルギーを確保して蠕動運動(ぜんどううんどう)を行ったり
- 大腸内を弱酸性にして悪玉菌の増殖を防ぎ腸内環境を整えたり
- 小腸や大腸の上皮細胞の増殖を促してくれたり
- 腸粘膜の維持して病原体の侵入を防いでくれたり
と色々な効果をもたらしてくれるわけです。
短鎖脂肪酸があるおかげで大腸は元気にうねうねとうんちを外に運び出すことが出来るわけですね(笑)
カルシウムやマグネシウム、鉄などの吸収を促進させる
短鎖脂肪酸の効果はそれだけではありません。
短鎖脂肪酸の効果のひとつの
- 腸内を弱酸性に保つ
効果によって、
カルシウムやマグネシウム、鉄などの吸収効率を高める役割も果たすのです。
これはイヌリンの効果というより、短鎖脂肪酸の効果ですが、
イヌリンのおかげで善玉菌の増え、その善玉菌がたくさんの短鎖脂肪酸を作ってくれるわけですから、
イヌリンのおかげでカルシウムやマグネシウムの吸収率が上がると言ってもいい
でしょう。
血糖値・中性脂肪を下げる
次にイヌリンが中性脂肪を減らす効果についてですが、
まず、中性脂肪のでき方として、
血糖値がある程度以上上がる
↓
血糖値が上がるとインスリンが分泌され、糖をエネルギーに変換する
↓
血糖が高すぎるとインスリンが全てをエネルギーにしきれず、余った糖を脂肪として体に蓄える
↓
中性脂肪が増える
というメカニズムになっています。
インスリンの役割の一つは糖を体の中にエネルギー源として取り込むことですが、
血糖値を下げるという役割も持っています。
この2つの役割はほとんど同じ意味を持ちますが、エネルギーが十分なのにまだ血糖値が高い場合はその糖を中性脂肪に変えてエネルギーのストックとして保存してしまいます。
つまり、中性脂肪がたまってしまう大きな要因は
血糖値を上げすぎてしまっている
こと。
言い換えれば
血糖値が上がりすぎなければ中性脂肪の蓄積は抑えられる
とも言えますよね。
そこでイヌリンが活躍します。
イヌリンというバリア
イヌリンは水溶性食物繊維のため、胃に入るとトロリとしたゼリー状になります。
そしてゼリー状になったイヌリンは胃の中にある糖を包み込んでしまいます。
イヌリンに包まれていない普通の糖と違って、イヌリンに包まれた糖はイヌリンに包まれているおかげで小腸に吸収されにくくなります。
簡単に言えば糖がイヌリンというバリアを装備している状態ですね。
このバリアがあることによって、バリアがなくなるまで糖は分解されません。
つまり糖が分解されるまでいつもより時間がかかるということ。
バリアの程度にもばらつきがあるでしょうが、それでも通常よりもずっとゆっくり吸収されますし、一部のバリアがぶ厚くまとえた糖は大腸へと運ばれそのまま体外に排出されていきます、消化すらされないわけですね。
糖の吸収がゆっくりになるということは血液に運ばれるスピードもゆっくりになるということで、血糖値は急激に上がらなくなります。
血糖値が上がりにくくなるということは糖が血液中に余りにくくなるということですから、本来血液中に余ってしまってインスリンによって中性脂肪になるはずの糖が少なくなる、あるいはいなくなるわけです。
少しダイエットに関心がある方へ向けて例えるとすれば
イヌリンは糖自体のGI値を下げてしまう効果がある
と思っていただければいいでしょう。
白米のGI値を玄米のGI値まで下げる、
というようなイメージです。
摂りすぎは注意
色々ないい効果をもたらしてくれるイヌリンですが、やはり摂りすぎは禁物。
イヌリンを摂りすぎると便が膨らみすぎたり、腸内のバクテリアが増えすぎたりすることなどによって
- 腸内にガスがたまりすぎる
- 膨満感を感じるようになる
といったデメリットが発生します。
イヌリンを摂る目安は一日10ℊ
それ以上摂ると上にあげたようなお腹の中に大量のガスがたまったり、膨満感を覚えたりすることがあります。
くれぐれも適量を守るようにしましょう。
まとめ
イヌリンは別名をフラクトオリゴ糖といいますが、オリゴ糖は約20種類ほどあります。
オリゴ糖を買うとき、イヌリンと同じ難消化性のオリゴ糖ならいいのですが、消化性のオリゴ糖である場合、ただ単に血糖値を上げるだけにしかならないので注意しましょう。
消化性オリゴ糖で覚えておきたいのが
イソマルトオリゴ糖
です。
オリゴ糖と書いていて、値段が安いものはたいていがこのイソマルトオリゴ糖なので、オリゴ糖を買うときは必ず何のオリゴ糖かを確認するようにしましょうね。
イヌリンはとても腸に効き、なおかつカロリー、糖分もないサプリメントですのでとてもおすすめです。
でも、注意していただきたいのは摂りすぎによるおならの暴発(笑)
一時期私がそうなってしまい、仕事中大変だったので本当に気を付けてくださいね(^_^;)
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。