【驚愕】一日80ℊまで?糖新生の限界はどこまであるのか? 糖を摂らないと筋肉が落ちる?【糖質制限の可能性】

 こんにちは。

 

 今日は糖新生の限界について。

 

 糖を摂取していないと糖を体の中から作りだす糖新生が起こります。

 

 どうしてかというと、脳や赤血球、肝臓などは糖質しかエネルギーにできないため糖質を摂っていない場合、自分で作りだす必要があるからです。

 

 そして糖新生はたんぱく質から作り出されるため、糖新生が活発に起きると筋肉が落ちてしまう、なんて風に言われたりもします。

 

 ただ、糖新生はある程度以上起きないと今度は逆にトレーニングをしても筋肉を合成するための糖を作り出せないので、トレーニングをしても無駄になってしまうという二律背反が起きてしまうとも言われています。

 

 トレーニングをしたときは筋肉を合成するためにたんぱく質はもちろん糖質もある程度は必要になりますから、糖質制限をしていてもトレーニングを並行している方はむしろ糖新生が起きてくれないと困るという理屈になります。

 

 ただ、糖新生には限りがあり、それだけでは一日の活動+筋肉の合成の2つの行動を賄えないと語る人もいたりします。

 

 そこで一つ面白い記事を見つけたのでシェアします。

 

 見つけたのはこちらの記事。

https://www.ebato-harikyu.com/the-mistery-of-maximum-amount-of-glucose-made-from-gluconeogenesis.html

 

 正直、今から書くことはほぼまるまる同じです。

 

 なので、専門的かつ細かい内容を知りたい方はこちらを見た方が早いです。

 

 こっちでは画像は同じものを使いつつ、要点を取り上げて簡単でいてわかりやすい内容にしたいと思います。

 

糖新生の限界は80gまで?

 さて、該当記事ではダルビッシュ選手が糖新生が80ℊまでしかないって山本義徳さんが言ってたよ、という内容に疑問を感じ、調べた結果全然違うよってなったという内容。

 

 山本義徳さんも、こちらの筆者さんも同じ論文を見ていたようですが、山本義徳さんは論文を全て見ずに結論を出してしまったか、ダルビッシュ選手が話の全容をきちんと覚えていなくてうろ覚えで発言してしまったようです。

 

 ただ、その論文には続きがあって、糖新生は体の状況で限界は変わるよ、ということがちゃんと書かれていたのです。

 

 それが後に出す2つの図で、それぞれ

 

  • 5日未満の絶食をした時の男性のエネルギー生成過程
  • 急性のけがを負った時のエネルギー生成過程  

 

を表しています。

 

 一応英語だらけなので大事なとこや馴染みのないところだけ訳しておくと

 

  • LIVER → 肝臓
  • KIDNEY → 腎臓
  • Gludoneogenesis → 糖新生
  • NERVE → 神経
  • RBC → 赤血球
  • WBC → 白血球
  • WOUND → 怪我、創傷

 

となります。

 

 図の見方は左が原料、どこから糖新生の材料が運ばれてくるのか、真ん中が作られるエネルギーの内訳、右側がどこでそれらのエネルギーが利用されるのか、という見方になります。

 

 例えば一つ目の図では筋肉からたんぱく質が75ℊ摂られ、肝臓で糖新生が行われて糖が180ℊ精製、脳が144ℊ、他の部位で36ℊ利用される、となります。

 

5日未満の絶食を行った時の糖新生

 まずは5日未満の絶食を行った際の糖新生等のエネルギー生成の過程です。

 

 とりあえずそのまま抜粋

 

糖新生(短断食)

 

体重70㎏の男性が基礎エネルギー消費量(≒基礎代謝)1800kcalを消費する5日未満の絶食では、筋肉のタンパク質75gと体脂肪160gが代謝され、肝臓に蓄えられていた75gの糖と共に180gの糖、60gのケトン体、120gの脂肪酸となり、それぞれ必要とされる器官で消費される。

つまり105gの糖が糖新生によって新たに生成されていることになります。

 

 単純に絶食するだけで糖新生で作られる糖が105gに増えます。

 

 もちろん通常は肉や魚などのたんぱく質を摂取しますから、筋肉がそのまま分解されることなく糖新生が行われます。

 

 ですので、この時点で一日の糖新生の限界が80gという説はあっさり覆りました。

 

 そして次の図はさらに糖新生が進むことがわかっています。

 

 それは急な怪我を負った時です。

 

怪我をした時の糖新生はすごい

 こちらも一旦ほぼそのまま抜粋です。

糖新生(怪我)

 

急性の怪我を負った場合、栄養の利用には急激な変化が起こり、筋中のタンパク質250g、体脂肪170gが利用され、360gの糖が糖新生によって生成されるほか、60gのケトン体、130gの脂肪酸がエネルギー源として怪我の修復や各器官で消費される。

筋力アップを目指してトレーニングを行うという行為は、筋肉に負荷を掛けて微細な損傷を負わせることなので、上記の代謝経路のうち3つ目の「怪我や感染した状況」が近いと思われます。
一方でこの代謝経路の図には、「脳」で消費される糖orケトン体が入っていないので、そのための栄養も追加で必要になってくると思います。
以上から、しっかりとタンパク質と脂質を摂取していれば、糖を取らなくても筋肉等の損傷状況に合わせて体内で適正な代謝が行われ、「筋肉を減らしながらトレーニングをする」ということにはならないと私は考えます。

 

 こっちはちょっと長いので要点だけいうと

 

  • 急な怪我をした時の糖新生は360g
  • 筋力トレーニングは筋繊維を傷めるという点から怪我してると同じことと考えられるよね
  • ということは筋力トレーニングをした時の糖新生は360gあってもおかしくない
  • だったらトレーニング+糖質制限でもなんの問題もないよね
  • あ、でも脂質とたんぱく質はとってね

 

って感じ。

 

 この2つの実験からわかる一端の糖新生の限界は360gとなっていますが、個人的には状況が変わればもっと限界は上の方にあるのではないかなと思います。

 

 そう考えると糖質って外から取る必要がほんとにない栄養素だなあと思います。

 

 何せたんぱく質から作れちゃいますからね。

 

 たた、こちらもたんぱく質をちゃんととることがもちろん必須条件。

 

 たんぱく質をとらないでのトレーニングは一番してはいけない、というか無意味な運動でしょう。

 

 それこそトレーニングをしつつ筋肉を減らしてしまう結果になってしまいます。

まとめ

まとめ

 

 糖新生の限界は状況によりけりですが360gまでは作り出せることがわかりました。

 

 というか、そもそも一日に必要な糖質って最低でも144gは脳が使いますから、作れないはずないんですよね。

 

 人間の体質や代謝の仕方は多少変われども、糖質や脂質の使い方はそこまで大きく変わってはいないでしょう。

 

 となると、よく言われる農耕が始まる前の人類は基本的に糖質がほぼない生活を送っていましたから糖新生をしっかり行えない固体は自然と絶滅していったと考えるのが正しく、今生きている私たちはその生存環境に適応した生物と言えます。

 

 ですので、糖質がない状態が当たり前な生活を何万年と行ってきたのですから、なくても大丈夫なように出来ているのです。

 

 ってことで糖質摂らずにトレーニングしても筋肉は付きますし、筋肉が落ちるなんてこともないのでご安心を。

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

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