こんにちは。
今日は今はあまり多くの人には関係しない、でもいつか関係があることになるかもしれない、というお話をしていきたいと思います。
人工透析の患者にみる共通点
今日はこの記事をご紹介したいと思います。
「透析患者は糖尿病治療をやめた人が多い」 合併症の怖さと検査で発見されにくい食後高血糖
タイトルにある通り、人工透析の患者さんによく見られる共通点として、
糖尿病治療を途中でやめた人が多い
という記事です。
それによると、
腎症の発症は、糖尿病を発病してから10~15年後とされる。腎症はその進行の程度から1~5期に分けられるが、2期までは自覚症状がない。馬場園医師は、腎症治療では、この2期が大きな境目になるという。
「2期とはアルブミンというたんぱくが少量尿中に漏れ出てくる時期です。2期までに治療を始めれば、3期以降への重症化を止められるだけでなく、腎症の回復も可能です。アルブミンは尿検査で簡単に測定可能であり、患者さんの苦痛もありません。糖尿病そのものの治療と同時に、定期的にアルブミン尿の検査を受けることが、腎症の重症予防のうえで必須です」
「透析が必要となるまで腎症が重症になった患者さんのなかには、それ以前に糖尿病の治療を中断してしまった人が多く見られます。自覚症状はなくても、治療を受け続けることが重要です」
とあり、糖尿病腎症は段階が5つに分かれており、2期目までは自覚症状がありません。
この2期までの段階で糖尿病治療などを行い、血糖値がある程度安定したり、薬の服用をしっかり行い、治療すれば腎臓の機能と言うものは正常な状態に戻すことが可能です。
しかし、途中で安心して治療を中断してしまうと腎症は知らず知らずのうちに重症化していしまいます。
糖尿病腎症の進行ステージについて
糖尿病腎症のステージについて引用を載せておくと
糖尿病性腎症の第1期、第2期では自覚症状はほとんどありません。このため、尿の検査をしないと判断できないのです。第3期では、むくみ・息切れ・胸苦しさ・食欲不振・満腹感などの自覚症状があり、第4期・第5期では、顔色が悪い・易労感・嘔気あるいは嘔吐・筋肉の強直・つりやすい・筋肉や骨に痛みがある・手のしびれや痛み・腹痛と発熱などの自覚症状があります。第3期以降では、進行を遅らせることはできても、良い状態に戻すことはできないため、第2期の段階までで糖尿病性腎症をみつける必要があるといえます。
2期目と3期目は大きな分かれ目。
引用:https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/about/class/diabetic-nephropathy/
自覚症状の有無ももちろんですが、3期に入ってしまうと腎臓の状態をいい状態に戻すことが出来なくなってしまうので、より気が抜けない治療を続けなくてはなりません。
糖質の制限による血糖コントロールだけではなく、タンパク質の量も制限されますし、4期になるとカリウムや食塩といったミネラルにまで制限がはいり、5期になると人工透析が待っています。
もうここまで来ると一生透析生活です。
引用元:https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/about/class/diabetic-nephropathy/
人工透析のつらさは以前糖尿病のし・め・じについて書いたのでそちらをご参考ください。
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覚えておいた方が糖尿病の「しめじ」
心血管疾患のリスクについても食後高血糖がカギ、糖質は控えめに
また、記事の中では食後高血糖と心血管疾患のリスクについても言及されています。
朝日生命成人病研究所糖尿病代謝科部長の高尾淑子医師は、同院に通院していた糖尿病患者約600人を約16年間追跡して、これらの心血管疾患と食後高血糖との関連を調べた。
血糖値は食後にいったん上昇した後、もとに戻る。これが食後2時間たっても、基準値(140ミリグラム/dL)を下回らない場合が「食後高血糖」である。
調査の結果、食後高血糖は、死亡率や、心筋梗塞・脳梗塞といった心血管疾患の発症リスクの上昇と関連している可能性があることがわかった。外来受診時の朝食後2時間血糖値が18ミリグラム/dL上昇するごとに心血管疾患の発症リスクは11%、総死亡リスクは15%上昇していたのである。
このほか、同院に通院していた糖尿病患者約1千人を約19年間追跡して調べた結果から、食後高血糖はがんによる死亡率の上昇と関連している可能性があることも明らかにしている。
要約すると
- 600人を16年間追跡調査し、心血管疾患と食後高血糖の関連を調査
- 食後高血糖の値が18㎎/dl上昇するごとに心血管疾患のリスクは11%上昇、総死亡リスクは15%上昇
となります。
食後高血糖の値が高ければ高いほど心血管疾患のリスクはうなぎのぼりになるということ。
イメージとしてなんとなく想像はついていましたが、はっきりと数字に出されるとあーやっぱりそうなんだなー、、、となりますね。
兆候はやはり神経症、特に足に注意
そして、最後に糖尿病の兆候についての話に軽く触れられています。
このほか糖尿病悪化の兆候として注意すべきなのが、足病変だ。
「当院で約700人の通院患者さんを調査したところ、約6割に、糖尿病に伴う末梢神経障害を疑う検査異常を認めました。末梢神経障害は足病変につながります。普段から足をよく観察し、少しでも異常を感じたら医師に相談してください」(同)
一番最初に影響が来るのは、末梢神経。
つまり、糖尿病神経障害ということになります。
- 足に謎の痛みやしびれがある
- 何かで切ったりしてもあまり痛まない
- それらが左右対称に起こっている
などの自覚症状が現れるようなことがあればすぐに医師に相談し、検査を受けるようにしてください。
もちろん、糖尿病と診断されれば糖質制限などでの血糖コントロールも必要ですよ。
まとめ
糖尿病はもともとサイレントキラーと呼ばれていて、知らないうちに症状が重くなってしまう病気ではあります。
ですので、糖尿病と分かったときには必ず治療に専念し、血糖コントロールをしっかり行わないといけませんし、早めに治療を行えばその後の生活もグッと楽にもなります。
糖尿病というものは基本的に治らないものと思っておいて、症状が緩和されても慢心せずなおきましょう。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。