こんにちは。
今日は糖尿病においての「しめじ」を覚えておいていただきたいなと思います。
さっそく見ていきましょう。
しめじってなんだ?

と思われたかもしれません。
もちろん食べ物のしめじではありません、ぶーちゃんごめんね(^_^;)

あ、でもしめじは糖質制限にすごいいいから食べても大丈夫だよ!

しめじとは糖尿病になった人に起きるいわゆる3大合併症を並べ、その頭文字をとったものです。
すなわち
- し ・・・ 糖尿病神経障害(神経のし)
- め ・・・ 糖尿病網膜症(網膜、つまり目のめ)
- じ ・・・ 糖尿病腎症(腎臓のじ)
となります。
順番に解説をしていきます。
しめじの「し」(神経) ・・・ 糖尿病神経障害
まず、糖尿病になって一番最初に起こるとされているのが糖尿病神経障害です。
糖尿病神経障害がなぜ起こるかはまだはっきりわかっていません。
一説として、高血糖の状態が続くと、一因として「ソルビトール」という、障害を起こす原因となる物質が神経細胞に蓄積する結果、神経障害が起こるといわれています。
また、高血糖によって毛細血管の血流が悪くなるため、神経細胞に必要な酸素や栄養が不足するために起こるという説もあります。しかし、それ以外の説も考えられており、理由は明確にはわかっていません。
この症状はなかなか初期症状に気づきにくく、気づいたとしてもそれが糖尿病によるものだとは気づきにくいものです。症状としてはまず、足の指、足の裏に軽いピリピリとしたような痛みやしびれが来ます。
これが一番の初期症状。
足の指や裏がピリピリしたからって「あ、糖尿病かも!?」なんて普通は想像がつきません。
もちろんほとんどの方はそのまま放置して次の段階に行きます。
それが手。手の指や手のひら、手袋で覆える範囲程度の部分が該当します。この辺りでおかしいなと思って病院に行く人もいるでしょうが、糖尿病外来に行く人はもちろんいません。下手をするとかかった医師が気づかず、原因不明として様子見になることもあります。
そしてさらに放置が進むと痛みやしびれを感じなくなり、どんどん感覚が鈍り、最後にはなにも感じなくなります。
そうなるとケガをしても気づきませんから、ケガからの感染、細胞の壊死が起きることもあり、その時は最悪足の切断になります。
これは脅しているわけではありません。
実際に江部医師のお父様も糖尿病にて足の切断をされていますし、元横綱 曙太郎のお父様も両足を切断しています。
また、他にも切断の憂き目にあっている方はたくさんいます。

ほうほう、みなさんも同じ意見ですか?
では、実際に糖尿病で足を切断している人はどれくらいいるでしょう?
・・・
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本で糖尿病で足を切断している人、その数実に年間一万人を超えると言われています。
(引用元:https://dm-net.co.jp/calendar/2013/019706.php )

そして世界では実に30秒に1人が糖尿病によって足の切断をしているとまで言われており、年間を通して言えば100万人が糖尿病で足を切断している人がいるのです。
(引用元:http://www.rakuwa.or.jp/kenkoevent/pdf/kenko_summry193.pdf )
全然他人事ではありません。
ぶーちゃんが足のない人を見ていないというのは、自宅療養だったり、入院だったりで日常の場所にそういった人が表れていないだけなのです。
しめじの「め」(目) ・・・ 糖尿病網膜症
神経障害が進むにつれて、「め」つまり目に起きる糖尿病網膜症も同時に症状として起こります。
原因は目の網膜が糖尿病によって傷つき、小さな出血や新生血管と呼ばれる新しい血管が破れてしまい、網膜剝離などを起こし、最終的には失明するというものです。私の父も最終的に両目ともほとんど見えなくなりました。近視や乱視といったたぐいのものではなく、本当にものが見えなくなるのです。
糖尿病網膜症の症状としては大きく3段階に分かれており、2段階目まではまだ治療の余地があります。
以下は日本眼科医会からの引用です。
詳しい症状や原因が載っています。
1)単純糖尿病網膜症
針の先で突いたような小さな点状出血、それよりやや大きめの斑状出血、毛細血管が膨らんでできる毛細血管瘤、脂肪やたんぱく質が沈着してできたシミ(硬性白斑)、血管がつまってできたシミ(軟性白斑)などが眼底所見として見えます。視力には全く影響がなく、血糖コントロールをよくしていると自然に消えてゆきます。
2)増殖前網膜症
軟性白斑というシミが多数出てきたり、血管がつまって酸素欠乏になった部分があちこちに出てくると、新生血管が出てくる前段階になります。静脈が異常に腫れ上がったり、毛細血管の形が不規則になります。正確な状況をつかむために蛍光眼底造影(血管造影)をすることがあります。この段階でも視力に影響がありませんが、危険な状態に一歩踏み込んでいます。この時期にレーザー光凝固をすると最も良い効果が得られます。
3)増殖網膜症
新生血管(正常ではないはずの新しい血管が硝子体にのびてくる)、新生血管が破れて起こる硝子体出血、増殖膜、網膜剥離という重症な段階です。新生血管が出てもまだ自覚症状はありません。この段階でレーザー光凝固をすればまだ間に合うことも多いのですが、硝子体出血や網膜剥離を起こすと、なかなか自然に治ることは少なくなります。この段階になって目の中に煙のすすがたくさん出たり、赤いカーテンがかかるなどの自覚症状が出てきますが、相当に進んでしまって手遅れに近いのです。
これらの三段階がどのくらいのスピードで進むかは、人によって違います。血糖コントロールがきちんと行われている人は進むのが遅く、また最終末期の網膜剥離にまで至らずに、途中で進行が止まり安定することも多くあります。概して比較的若い人(40~50歳以下)は進行が速いので注意を要します。
前述の通り、私の父も網膜症を患い、最後はほぼ何も見えなくなっていました。
話せていた時に聞いた感じでは、
「すりガラスが常に目の前にあって、かなりぼんやりとした輪郭だけがわかるような状態で、何かが目の前に歩かないかくらいはわかる」
ような感じだったそうです。

さてどうでしょう。
まず糖尿病網膜症の人数は約140万人と言われています。

そう、非常に多いのです。足の切断する人ほどではないですが、そんなにいるの?と思われるでしょう。また、その中で年間約3,000人の失明を引き起こており、成人の失明原因の第2位、50〜60代では第1位となっています。
(引用元:http://www.dme-eye.com/disease/dr/)
そして古いデータではありますが、1989年に行われた調査では、視覚障害認定(身体障害者認定「視覚」)患者が、何の病気で失明したかを比較したところ、糖尿病網膜症が第一位となり、全体の約18%、ほぼ5分の1に相当することが分かりました。
逆に言えば糖尿病をしっかりと抑制し、糖質制限などで血糖値コントロールが出来ていれば日本人の失明者は今の2割近く減らすことが出来るとも言えます。
しめじの「じ」(腎臓) ・・・ 糖尿病腎症
そして最後の「じ」は腎臓、糖尿病腎症のことを指し示しています。
糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。腎臓はご存知の通りおしっこにいらないものを流すためのろ過機能を備えていますから、糖尿病腎症になると体の中の老廃物や毒となる物質をおしっこに排泄する機能が失われてしまいます。
そのため、糖尿病腎症の行きつくところは透析治療。そして糖尿病腎症においても自覚症状が全くと言っていいほどありません。そのため糖尿病、もしくはその気がある人はに腎臓の機能を検査する必要があります。
人工透析はとても大変です。基本的に週に3回、一度につき4時間もの時間をかけて透析をおこないますから通院時間や待ち時間などを含めると人生の半分近くを透析に費やさなければなりません。そして人工透析をしなければならいのは一生、つまり死ぬまでです。
費用も馬鹿にならず、時間も精神的な疲労もはかり知れません。そのため人工透析にならないで済むなら絶対に避けるべきなのです。

はい、言いたいことはわかりますよ。
では、糖尿病腎症で人工透析になる人の数ですが、2015年12月時点で、国内で透析療法を受けている患者数は32万4,986人。そのうち透析の導入患者の第1位は糖尿病性腎症で43.7%に上ります。

つまり、人工透析患者の約半数は糖尿病が原因で起きており、その数は毎年1万6千人も増えつづけています。ということは糖尿病が原因で毎年約7~8千人もの人が透析を受けていることになります。
糖尿病の治療がしっかりとしていればこれらの人たちが救えるのです。
そういった意味でも糖尿病学会の標準治療ガイドラインの罪深さは推して知るべきだと思います。
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- 糖尿病の標準治療における食事療法。やはりエビデンスがなかった
まとめ
糖尿病といえばこの3つというほどの基本的な病気のお話でした。
ですが、その数や症状が重くなった時の大変さなどはなかなか理解されていないように思えます。
- 足の切断
- 失明
- 人工透析
そして死。
以前に書かせていただきましたが、私の父は糖尿病が原因で死にました。神経障害、網膜症、もしかしたら腎症も患っていたかもしれません。
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糖質を摂ることが悪い、悪だ、などとは言いませんが、節制は必ず必要です。
ご自身だけでなく、周りの方たちの中にもこのような症状が表れていないか一度気を配ってみてください。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。