こんにちは。
糖尿病に限らず病気になると医者にかかり、病院にかよいと色々とやるべきことが多くなり、それに伴って時間もそうですがお金もどんどんと出ていきます。
ただ、糖尿病に関してはどうもその医療費の負担の引き上げに一役買っているようなのです。
増える医療費負担
先に言っておくとこれは日本の話ではありません。
ですが、全然無関係というものでもありませんから注意して読んでおくといいと思います。
イギリスでの調査によると糖尿病のコントロールを適切に行うことで年間で30億ポンド、日本円にして約4000億円もの医療費の節約につながることがわかりました。
これはイギリス人の5800万人を対象に調査をした結果で、研究者は糖尿病治療をしっかりと行うことで10%は医療費を削減できると主張しています。
なぜ糖尿病だけがピックアップされ、またこれほどの金額の節約につながるのでしょうか。
無視できない合併症
その理由は合併症にあります。
以前に書いた「し・め・じ」の記事の通り、糖尿病治療を適切に行えないととても深刻な問題が起きてきます。
神経症、網膜症、腎症などです。
それらだけでも別々に治療が必要なものになりますし、また、血管がもろくなるため、心筋梗塞などの虚血性心疾患の原因にもなりますから、糖尿病を起点とした主種様々な病気はどれも深刻なもので、なおかつ医療費がかさむものばかりになります。
糖尿病は全ての重疾患の原因です、といってしまってもいいくらい色々な病気に影響を及ぼします。
糖尿病を放置したり、あるいはまともな治療を行わないだけでその後の患者の人生が大きく狂ってしまうのです。
糖尿病の治療を適切に行わないでいると、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病、下肢潰瘍など、深刻な合併症が引き起こされる。合併症は患者にとって生活の質(QOL)を大きく引き下げる原因になるだけでなく、医療費の増加の点でも深刻だ。 英国では、加齢を除くと、糖尿病が医療の増加の最大の原因で、欧州全体でも平均寿命を引き下げる要因になっている。
日本でも患者の不満はやはりお金
ですが、糖尿病の治療自体にもお金はかかります。
糖尿病ネットワークでの患者の本音というコーナーでの不満を見ると、やはり一番多いのはお金です。
インスリン注射はもちろんのこと、血糖値を測るための器具の購入代金なども安く買えるといっても無料ではありません。
大体の目安としては糖尿病患者一人当たりの医療費は "年間24.7万円(平成15年度:3割負担では7.4万円=月額約6,000円)”と報告されています。
ただし、これはあくまで糖尿病の治療費でしかありませんから、糖尿病からの合併症、つまり心筋梗塞や脳卒中などの治療費はまた別カウントになります。
そう考えると糖尿病に関する生涯にわたっての治療費というものはそうでない方と比べると大変なものになるということがわかります。
薬だけでない治療法を
薬だけに頼りきりの治療ではまず抑えることはできても治すことはできません。
正確には治すことが出来ないものでありますが、患者が楽に人生を送れるような環境には決してならないでしょう。
そうなるとやるべきことは食事療法と運動不足の解消。
食事療法は言わずもがな糖質制限です。
ガイドラインではカロリー制限の食事療法を推奨していますが、それでは解決しないことが多く、場合によっては悪化をおこし、逆に糖尿病が進行してしまいます。
専門医に正しい糖質制限のやり方を聞き、しっかりと実践しましょう。
また、運動に関しても何もしないのはやはりよくありません。
主婦の方であっても軽い家事をするだけで血糖値の改善が見られたなどの報告もあり、高齢者は特に運動、ウォーキングなどでも結構ですし、望めるなら週に一回の筋力トレーニングを行うことで血糖値の上昇を抑えることが出来ます。
一番いいのは両方を同時に行うことですが、やはり優先すべきは食事。
糖尿病に必要なことは血糖コントロール。
カロリー制限を制限することではありません。
糖質を抑えたきちんとした糖質制限食を摂ることが何よりの治療法になります。
まとめ
糖尿病だけでなく誰も病気になんてなりたくありません。
2型糖尿病の大半は肥満が原因ですから自業自得という面も確かにあるでしょう。
ただ、だからといって治らなくていいと思う患者さんはいないでしょうし、また治さなくていいものでもありません。
医療に頼るところは確かにあり、医療費がかさむこともまた事実です。
ですが、自身で出来ることもまた大きいので、人に頼りつつも自身でどうにかするという意識をもって糖尿病対策に取り組みましょう。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。