こんにちは。
先日フォロワーさんのツイートで興味深い番組を紹介していて、リツイートさせていただきました。
動画を見たときは信じられなかったのですが、調べてみると
「やっぱ犬ってすげえ‥‥‥‥(;゚Д゚)」
ってなったので今回は糖尿病アラート犬、低血糖アラート犬と呼ばれるわんちゃんについてご紹介していきたいと思います。
犬の嗅覚を利用した糖尿病アラート犬
番組上では糖尿病介助犬とされていますが、正式な名称は
- 糖尿病アラート犬
- 低血糖アラート犬
という名前で呼ばれています。
これは
英国のケンブリッジ大学の研究チームが、1型糖尿病患者が低血糖になると、息に微量の化学物質が増えることを発見。これをモニターして低血糖を早期に発見する方法をみつかれば、低血糖の弊害を最少に抑えられる可能性がある。
とあるように、低血糖状態の人の呼吸に微量の天然の化学物質、イソプレンと呼ばれる物質が通常の2倍に増えることが発見されました。
ただ、これは人間にはわかる範囲ではありません。
しかし人の1000倍もの嗅覚を持つ犬であればそれが可能なため、それを基準として、主人の呼吸が一定以上の匂いになるとワンコがアクションを起こすように訓練しています。
基本的には低血糖状態を教えてくれるのが目的ですが、高血糖状態もわかるようです。
なんで糖尿病アラート犬が出来たの?
糖尿病アラート犬が出来た経緯ですが、
1型糖尿病患者の方に対するインスリン投与による低血糖症状に対するストレスを緩和するために考え出されました。
1型糖尿病患者の方はインスリンを自分で作り出せないため、毎日インスリンを主に注射などで投与します。
ですが、体調などによって同じ量のインスリンを打っていたとしても本人の思わぬところで低血糖症状になり、意識不明、最悪の場合死に至ることもあります。
特に
- 「無自覚性低血糖」といって自覚がないまま低血糖状態が深刻するケース
- 「夜間低血糖」と呼ばれている寝ている間に低血糖になってしまうケース
などは本人もその家族も気づけるわけがありませんのでとても危険です。
低血糖状態になった場合、ブドウ糖の経口摂取やグルカゴンという血糖値を上げるためのホルモンを注射するなどして対処しなければなりませんが、いつ来るかわからない低血糖症状はストレスですし、それを管理することもまたストレスにつながります。
さらに、毎日10回にも及ぶ血糖値のチェックのため、その都度指先から血を出さなくてはならないため身体的な痛みのストレスも伴います。
糖尿病患者の3割がうつ病の傾向が見られたというデータもあり、低血糖症状だけが原因でないにしろ、精神的な負担というものはとても大きいものと思われます。
下で紹介している動画のクレアさんはアラート犬が来るまでは
毎日1時間おきに起きて測定をし、
ご主人は毎日朝起きるたびにクレアさんが亡くなっていないか心配だった
と言っています。
これだけで低血糖におびえるストレスがどれほどのことか容易にわかるかと思います…
クレアさんは「疲れ果てていた」とも言っていました…
そこで糖尿病アラート犬の出番です。
一緒にアラート犬と過ごしていれば動画で紹介しているように、においの変化に犬が自動的に気づいてくれますので管理の負担や低血糖の見過ごしがなくなり発作の心配が激減します。
さらに無自覚性低血糖や夜間低血糖になった時も教えてくれるので低血糖による危険性というものはとても低くなってくれるのです。
これによって患者本人の精神的な負担は激減します。
また、アニマルセラピーの面も持ち合わせているので、患者の精神的な負担はさらに少なくなるというとてもいい方法と呼べるのです。
糖尿病アラート犬のアクション
糖尿病アラート犬は訓練によって低血糖状態と同じ匂いを感じると主人にアクションを起こすよう訓練されています。
アクションの内容は
- まず主人のひじ、あるいは肩を押して意識の確認、および主人に低血糖状態であるかもしれないことを教える
- 主人からの反応がない場合、家族がいる場合などは家族を呼ぶ
- 一人暮らしの場合通報もする(911通報)
おどいたのは通報も出来るように訓練されているということ。
ただ、アラート犬はとても優秀で動画のクレアさんのインタビューでは最長で発作が起きる30分前にはマジック(アラート犬の名前)は教えてくれるとコメントしています。
ですので、基本的には主人が発作を起こすより以前に気づけるので通報の出番はほとんどないかもしれませんね。
費用は莫大
ただし、こんないいことづくめのアラート犬にも難点はあります。
それは訓練費用。
麻薬取締犬と同じく、においをかぎ分ける訓練、それによって主人に対するアクションを覚えさせ…という訓練は一日二日では到底覚えきれません。
専門のトレーナーを呼び、専門の訓練と機器を使いようやくアラート犬が出来上がります。
そしてその費用はアラート犬一頭につきおよそ200万円。
さらに言えばお金を用意できてもそれを訓練するトレーナーの数も不足していますから、アラート犬の供給は間に合っていないのが現状です。
もっと言うと日本にはまだアラート犬を養成する機関すらないのが正直なところです。
現在IDDMネットワークという1型糖尿病患者の支援をする団体が日本でのアラート犬の養成機関を作りだそうと頑張っています。
ただ、海外から専門の講師を読んだり、訓練をしたりと通常よりもお金がかかり、年間800万円ほどかかっているようなのです。
そこで寄付を募っています。
一口3000円からとちょっとお高めなのですが、よかったら寄付をお願い致します。
日本IDDMネットワークのアラート犬紹介のページ
まとめ
1型糖尿病は子供のころに発症しやすく、発症した子供は当然ながら突然生活が激変してしまいます。
本人には何の責任がないながらも付き合っていかなければ死んでしまいますから付き合わざるを得ません。
毎日のインスリン注射、そして低血糖症へのストレスは本当に負担になると思いますし、家族も気が気でなりません。
そんな時にアラート犬がいてくれることで負担の軽減、精神的な癒しを担ってくれるの本当に一石二鳥だと思います。
ちなみにアラート犬は殺処分対象の犬を訓練していくということですので、ワンコ自身の命も救われるので一石三鳥ですね(^^♪
ただ、お金は本当にかかるみたいですからぜひ協力をお願いしたいと思います。
アラート犬で少しでも人が救われるといいですね。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。