こんにちは。
つい最近朝食を抜くことで糖尿病リスクが悪化するという記事がでました。
その真相を探りたいと思います。
朝食を抜くと糖尿病になる?
対象の記事ですが、
糖尿病ネットワークに記載された
というタイトル。
若年層での朝食のスキップが糖質の摂りすぎを促し、糖尿病のリスクを上昇させているというものです。
ですが、読んでいて「おや?」と思いました。
「確かに理屈はわかるのだけど、それは朝食を抜くことが原因で起きていることなのかな?」
という気持ちが沸き起こりました。
ちょっとタイミングがずれただけで糖尿病が上がる?
以下は引用になりますが、少し読んでみてください。
「世界中の数百万人もの子供や若者が、朝食をスキップし、学校や登校途中で間食として、栄養価の低い高カロリーの加工食品を食べています。揚げパンやスナック菓子、炭酸飲料、インスタントフードなどを食べ過ぎると、肥満や2型糖尿病のリスクが上昇します」と、サンパウロ大学医学部予防医学科のエルシ デ オリヴェイラ フォルカート氏は言う
まず、矛盾がありますよね。
朝食をスキップしていると言いながら登校途中で間食を摂っている、と。
それって朝食と何が違うんですか?
その子たちの登校するタイミングってそんな昼前だったりするのでしょうか?
その後に高カロリーの加工食品を食べているため、と続きますが、
「いやいやいや、じゃあ家で寝起きに高カロリーの加工食品摂ったら糖尿病リスク下がるんですか?」
そんな話あります?
常識的に考えておかしいですよね。
食べているものでなく、タイミングが少しずれただけで糖尿病リスクが上がるなんて論点がずれているにもほどがあります。
論点のすり替えにしか感じないある問題
また、以下の文章にも疑問があります。
朝食をスキップする頻度の高い男子の平均腹囲は、朝食を毎日食べている男子に比べ、欧州で2.61cm大きく、ブラジルで2.13cm増加していた。BMIの平均も、欧州の男子では1.29、ブラジルの男子では1.69増えていた。 女子でも、朝食のスキップにより平均腹囲は欧州の調査で1.97cm増加していた。また、座ったままの時間が長い(1日2時間以上)女子では、平均腹囲は1.20m増加した。 朝食をスキップする頻度の高い若者は、生活全体も不健康である傾向があることが示された。学校や通勤中、自宅、レジャーなどでの身体活動レベルが低く、テレビ、パソコン、ビデオゲームで遊ぶ頻度が高く、座ったままの時間が長い傾向がみられた。 「家でテレビを見たり、パソコンを使ったり、ビデオゲームをする時間が長く、座りがちな生活をおくっている若者は、就眠時間が遅くなり、結果として朝食を抜く頻度が増えると考えられます。これらは肥満や2型糖尿病の直接的な原因になります」と、フォルカート氏は言う。 「肥満や糖尿病のリスクを減らすために勧められるのは、食事のバランスを良くすること。乳製品、全粒穀物、野菜、果物などの健康的な食品を、家庭で摂ることです。さらには子供にも1日60分の中強度から活発な運動が勧められます」と、フォルカート氏は指摘する。
スペインのグラナダ大学の調査によると、朝食を毎日摂っていないか、栄養やエネルギーの少ない朝食しか食べていない子供の13%が、血中のコレステロール値と尿酸値が高く、インスリン抵抗性が進展していることが明らかになった。 朝食で十分なエネルギーを摂っている子供ほど、1日に身体活動の推奨量を満たしており、グルコース代謝も良好な傾向がみられた。
朝食を抜いている子供と抜いていない子供とではお腹周りが平均で2㎝程大きい、これはわかります。女子も同様に2㎝大きいと。
なるほどそれは問題だ。
ただ、その後がまたおかしい。
朝食を抜く子供たちは生活全体が不健康な傾向がある、と。
テレビやゲーム、パソコンをしている時間が長く、座ったままでダラダラしていると朝食を抜く機会が増え、糖尿病リスクが上がる、と。
さらにその下では朝食を摂っている子供ほど身体活動の推奨量を満たしていて、グルコース代謝、つまり糖質をうまく代謝できているということです。
何となくですが、私の言いたいことわかります?
それって単に不摂生してるだけじゃん! って。
朝食を抜くことに焦点を合わしているから何もかもおかしく見えてしまうように思えます。
逆に考えれば全部自然じゃないですか?
元気に活発な行動をしている子供たちは活動量も多いし、規則正しい生活を送っているからお腹も減りやすくて筋肉量なども発達しているために朝食を食べたくなる。
椅子に座ってゲームばかりしている子供たちは活動量が少ないからご飯も抜きやすいし、間食も多いから糖尿病リスクが上がる。
…ごくごく当たり前のことじゃないですかね?
いっぱい体を動かすからお腹が減る。
体を動かさずダラダラしていたらお腹が減らない。
これって朝食を抜いているかどうかよりも
本人の生活態度の問題だったり、家庭環境の問題じゃないでしょうか?
もしかしたら何かしらちゃんとした根拠があるのかもしれませんが、
私には問題点のすり替えをしてこじつけをしているようにしか見えません。
先ほどの登校途中と寝起きで同じ高カロリーの加工食品を食べたときの違いはどうなのかという疑問もそう。
親がろくに子供に対して朝食を用意しない、あるいは子供のことを気にかけず、とりあえずジャンクフードを与えておけばいい、というようないい加減な食育を行っていればそりゃー子供はブクブク太っていくでしょう。
子供は放っておけば好きなものばかり口にしますからね。
とても欲望に忠実ですから、それをどうにかしようと親がしなければ好き勝手食べて食生活が乱れるのなんか当然の話じゃないですか。
逆にきちんと食事の内容を考えて毎朝きちんとした食事を親が出してくれていて、子供に対してしつけもしっかりと行っていれば夜更かしもせず、健康的な生活を自然と送れるはずです。
何を食べると体にいいのか、スポーツやクラブなど体を動かすことの楽しさなどをしっかりと親がコミュニケーションをとって子供に伝えれば子供は自然と興味を持つようになり、健康的な生活を送るようになるはずです。
どの子供もそうとは言いませんが、少なくとも親の影響が大きく子供の食生活にかかわっているのは間違いないでしょう。
この問題の焦点は朝食を抜いているかどうか、ではなく家庭環境が乱れていることと食生活が乱れていることの因果関係を見抜くことであって、朝食を抜いているかどうかはそのおまけの要素でしかないと私は考えます。
だって、どう考えても登校途中にジャンクフード食べるような生活を送っている子供に「朝起きたときにジャンクフードを食べるようにしなさい」と指導して、仮にその通りになったとして、その子の肥満や糖尿病リスクが下がると思いますか?
どう考えても下がるように感じません。
まとめ
本当はこの記事を見かけたときにもっと別の論点で書こうと思ったのですが、
思った以上に稚拙なデータ分析だったために今回の内容に切り替えました。
あの内容をものすごく極端に言えば
「朝、みんなでテーブルを囲ってビッグマックセットを食べていれば、登校途中に食べるよりも糖尿病リスクが下がるよね!」
ってことですからね。
もちろんタイミングもそうだけど、根本的な本人たちの生活習慣に焦点合わして考えてやれよと…
もし、子供を持つ親御さんがこれを見ていたら子供さんにも糖質制限をおすすめします。
以前に書いた三島塾に関するお話なども併せて読んでいただければなと思います。
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子供の糖質制限について
また、大人に関しても朝食を抜くことで昼にドカ食いをしてしまい、HbA1cの数値が悪化するそうです。
これは糖質制限をしっかりと行っていればHbA1cのリスクもありませんから、糖質を抑えた食事を意識することの方が大事ですね。
…これが言いたかった(笑)
江部医師も私もそうですが、朝食は別に摂りません。
摂ってもごく少量。前にも書きましたが、朝食は本来食べなくても大丈夫なものです。
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一日の食事回数は2回? 3回?
今回は食事のタイミングよりも内容ってすごい大事だよね、というお話でした。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。