こんにちは。
以前にストレスホルモンは糖尿病を誘発する、という記事を書かせていただきました。
その中のコルチゾール、というホルモンがお酒を飲むことによっても分泌されるのはご存知でしょうか。
そろそろ飲み会が多くなるこの季節、少し頭に入れておくといいかもしれません。
アルコールによるコルチゾールの促進
今日はまたか、という感じですが、結論としてはアルコールは控えてね、とそれだけのお話です(^_^;)
ただ、お酒を飲むことによって起こるメリットよりもデメリットの方が多いのはかなり確かなこと。
以前、適量のアルコールは体にいいかも、という記事も書きましたが、そこまで厳密に守れる人はなかなかいなくて、普通の人はかなりの確率で飲みすぎていることだと思います。
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その飲みすぎの中でのアルコールのデメリットにコルチゾールの促進も含まれるのです。
コルチゾールは先ほども書いた通り通称ストレスホルモン。
人が何か怖い思いや何か脅威に出会ったときに戦うか逃げるかをどちらでも選べるように体を臨戦態勢にするためのホルモンです。
内容としては脂肪の分解をストップ、糖新生を促進し血糖値を上げる、などがあります。
そのため慢性的にストレスを感じ続けている人はストレスホルモンの分泌が多く、さほど暴飲暴食をしていないにも関わらず糖尿病の気が出てしまう人もいたりするのです。
そしてそのストレスですが、実はお酒を飲むことは人体にとってはストレスとなるのです。
アルコールとは端的に言えば毒ですから、毒を飲むってストレスかどうかって言えば普通に考えてストレス以外の何物でもありませんよね(^_^;)
なのでアルコールを飲んだ場合はコルチゾールの分泌が増え、糖新生の促進、脂肪の消費の抑制が行われてしまい、結果としてストレスを感じているときと同じことが体に起きてしまうのです。
お酒を飲むときってストレスを発散したり、嫌なことを忘れたりするときに飲むこともあると思います。
それが体にとっては結局同じことだというのは皮肉という他ありませんよね……
トレーニング後などもアルコールの摂取は禁止
これは絶対にか、と言われると絶対ではありませんが、トレーニング後の筋肉の付き方は確実に落ちると言えます。
それはおそらくトレーニングをしている方は何となく感じていることかもしれません。
何故ならアルコールを飲むと、肝臓は筋肉の合成よりもアルコールの分解を優先するためです。
その間は筋肉の合成に使われるはずだった糖やたんぱく質の処理は後回しにされ、結果脂肪として蓄積されることになるからです。
アルコールの分解は体にとって絶対に後回しにすることはできない処理です。
だって毒だから(^_^;)
放っておくと死んでしまう毒の分解と、とりあえず脂肪にしとけば何とかなる糖やたんぱく質のどっちを優先するのかは考えるまでもありませんよね。
それにアルコールを飲みすぎることによって男性ホルモンのテストステロンの分泌も低下してしまいます。
テストステロンは男性らしい体つきをつくるために必要なホルモンですから、それが減るということは男性らしい体つき、つまり筋肉質な体を作ることが出来ない、もしくは出来にくくなるということになります。
まとめて言うと、
アルコールを飲むことによって、
筋肉の合成を行うホルモンを減らし、
筋肉の分解を促すホルモンを増やす、
こういうことになります。
なので何もない時も出来るだけアルコールの量は減らし、トレーニング後などは決して飲まないのが最良の選択肢と私は考えるわけです。
コルチゾールを減らす手だて
では、コルチゾールを減らす方法にはどのようなものがあるでしょう。
一番確実に言われているのは有酸素運動です。
具体的には、「ランニングやスイミングなどの有酸素運動を週に2、3回、20~30分続ける」とストレス耐性が養われると、今の科学では唱えられています。
このときの運動のペースとしては最大酸素摂取量が70%ほどの「やや息がきれるくらいの運動」が良いとされていて、やりすぎは逆効果との研究も上がっています。
このような意見もあることから、激しすぎる有酸素運動ではなく、軽く息切れをする程度の運動を週に2,3回行うことでコルチゾールを減らす手建てとなるといわれています。
また、有酸素運動を定期的に行い、習慣化することで、運動中のコルチゾールの上昇値は下がっていくものの、運動後のコルチゾールの下降値はそのまま変わらない、という研究結果もあります。
なので習慣的に有酸素運動を行っている方はストレス耐性があがり、コルチゾールへの耐性も強くなると考えられるのです。
まとめ
一つだけお伝えしておきたいのは、コルチゾールは体からなくなっていいものではない、ということ。
コルチゾールの働きとしては
- 肝臓での糖の新生
- 筋肉でのたんぱく質代謝
- 脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進
- 抗炎症および免疫抑制
といった面があり、体には必要なものです。
ダイエットやトレーニングではとかく嫌われがちな糖新生ですが、これがないと人間は死んでしまいます。
ただ、過剰に必要なものでもなく、多すぎると害があるものであることも確実なことです。
どのホルモンも役割があり、必要であることは間違いありません。
私たちの生活習慣がそれを狂わせ、結果として自分自身を苦しめることになる、それだけは覚えておきましょう。
大事なのは糖質と一緒で付き合い方です。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。