シナモンが糖尿病に対して有効というのは少し間違いかも…個人的な見解

 こんにちは。

 

 今日はシナモンが血糖値を下げ、糖尿病などに対して必ずしも有効とは言えないかも…というお話。

 

 気になっている方は見ていってください。

シナモンの血糖値に対する有効性とは

 シナモンは以前から糖尿病に対して有効である、血糖値を下げる効果がある、とされていて、

 

牧田善二医師などは

 

「シナモンは血糖値を下げる作用が科学的に認められた唯一の食品」

 

と言っていて、シナモンコーヒーをすごく進めていて自身も愛用しているようです。

 

著書にもそう書いています。

 

 私も興味がわいて少し調べてみたのですが、んー、、、ちょっとなってなったので、個人的に調べたこととあくまで個人的ですが見解を述べたくなりました。

 

有効と言われたデータの有用性

 まず、牧田医師が根拠としている実験ですが、

 

米国糖尿病学会(ADA)の専門誌に掲載されている実験のことを指しています。

 

60人の2型糖尿病患者が協力し、パキスタンで行われた臨床試験で、1日1〜6gのシナモンを摂取した人では、血糖値や中性脂肪値が2〜3割、総コレステロール値が1〜2割下がることがわかった。シナモンに糖代謝などを改善する効果があることは、試験管内実験で確かめられていたが、糖尿病患者で効果が確認されたのは初めて。研究結果は、米国糖尿病協会(ADA)の学術誌であるDiabetes Care誌12月号に掲載された。

https://www.cochrane.org/ja/CD007170/ENDOC_tang-niao-bing-nidui-surusinamon

 

 2003年に行われた実験で、小麦粉入りのカプセルを飲んだグループよりもシナモンを飲んだグループの方が中性脂肪、総コレステロールが下がり、血糖値も改善されたというのです。

 

 これは確かに有意性が見られていますから、一見するとかなり有効に思える実験です。

 

 ただ、これにはもう一つ着目する点があって、それは実験に参加した人たちがかなり重度の糖尿病患者ということ。

 

 ただし、実験に参加した2型糖尿病患者は、全員がインスリンの分泌を増やす薬(スルホニル尿素=SU薬)を飲んでいるにも関わらず、空腹時の血糖値が200〜300mg/dl前後の人たち。血糖値がやや高い、というレベルの人に、同じ効果があるかどうかはわからない。

 

 とあるように、薬を服用していても空腹時血糖値が200~300㎎/dlの人達が対象のため、一般人、もしくは少し血糖値が高い程度の人達にとってはどのように働くかはわかっていないのです。

 

 そして実際にシナモンを摂っても血糖値に変動がなかったという人や実験も存在するのです。

効果がなかったという事例

  例えばこちらのサイトの方は特に意味がなかったとしています。

 

 ごはんを250gとシナモン1gを同時にとったけど、特に血糖値の変動に影響がなかったと書いています。

 

 また、別の実験では効果がないという結果になっていたりもします。

 

1型および2型の糖尿病の参加者総計577例を登録した前向きランダム化並行群間比較試験10件を同定した。中等度のバイアスのリスクと判定した2件を除いて、全試験バイアスのリスクの評価は、高い、もしくは不明であった。試験の50%で、いくつかのドメインのバイアスのリスクが高かった。シナモンの経口単一製剤(主にシナニッケイ)が平均用量1日2g、4~16週間にわたって投与されていた。空腹時血糖値に対するシナモンの効果には決定的なものが見出せなかった。シナモン群と対照群の間で、グリコヘモグロビンA1c(HbA1c)、血清インスリンおよび食後グルコースに統計学的有意は認められなかった。データが不十分であったため、インスリン感受性の結果は統合できなかった。健康関連QOL、罹患率、死亡率および費用に関して報告した試験はなかった。経口シナモンに対する有害作用の頻度は低く、概して本質的に軽度であった。

 

 こちらは577名を対象に行った実験で、1日2ℊを4~16週間にわたって投与しましたが、決定的な効果が見出せませんでした。

 

 これはあくまでも一例だけですが、このように前にご紹介したお酢やオリーブオイルのように特に糖尿病にかかっていない方なども摂取することで効果が現れるようなものではなく、

 

実験の対象者のように誰もが空腹時ですら超高血糖な人ばかりではありませんので、このデータを有効活用できる人はごく一部に限られるのかもしれません。

 

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 ただ、他にも抗酸化作用や抗炎症作用などもあるとされているので、摂っておいて損はないものかも知れません。

 

 ですが、他の食品と同じく、体にいいからと摂りすぎてしまうと逆に体に害を与える結果になるので要注意です。

 

 シナモンの一日の目安摂取量は0.6~3ℊ程度。

 

 長期に渡って1日10g以上摂取し続けると肝機能に障害が出ると言われています。

 

 血糖値を下げるため、糖尿病を改善するためにとたくさんのシナモンを服用すると改善どころか肝障害になって最悪にっちもさっちもいかなくなります。

 

 薬もシナモンも同じですが、用法用量は必ず守るようにしましょう。

まとめ

まとめ

 シナモンは健康にいいと昔から民間では伝わっている食材ではあります。

 

 ただ、今回の実験の内容は適用範囲がすごく狭く、一般人にも適用できないものですから、ほとんどの人には有用と言えるデータではないでしょう。

 

 とはいえ、これを読んでいるあなたが重度の糖尿病で、薬を服用しても空腹時血糖値が200~300/dlとなっているのであればシナモンは確実に有効な手立てではあると思います。

 

 あとは量だけを間違えないように。

 

 皆さんが健康でありますように。

 

 本日もご覧いただきありがとうございました。

 

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

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