こんにちは。
今日はちょっと勉強のお話は抜きにして、
糖質制限に関わった人を紹介しようと思います。
その人の名はウィリアム・バンティング。
どのような人なのでしょうか。
すこしお付き合いください。
ウィリアム・バンティング
今回ご紹介のバンティングさん。
この方は実はすでに亡くなっています。
というのもこの方が生まれたのは1796年、つまり200年以上前に生まれた人物ということになります。
日本はまだ江戸時代(寛政7~8年)ですね(^_^;)
ナポレオンも生きていましたし、同じ年にはロマノフ王朝のニコライ1世も生まれています。
すごい昔だ…(笑)
で、なんでこの人を紹介するんだって疑問に思うでしょうが、この人なんと実はすでにこのころに糖質制限についての本を書き、ベストセラーになっているのです。
本業は葬儀屋
バンティングさん、実はお医者でもなんでもなく本業は葬儀屋さん。
バンティング一族はイギリスでも有名な葬儀一族でイギリス王室御用達。
ウェリントン公爵やビクトリア女王などの葬儀も執り行っていました。
バンティングさんがなぜそんな有名な葬儀屋一族なのに糖質制限についての本かいたの?
っていうとやはりこれは自身の体の悩みから出たものでした。
友人から聞いた糖質制限ダイエット
バンティングさんも多くの人と同じく肥満に悩んでいました。
そして色々な医師に肥満についてのアドバイスをもらい、
- 断食
- 食事療法
- 運動療法
- 湯治療法
などを行いましたが全て失敗。
そこでバンティングさんは友人の医師のウィリアム・ハーヴェイさんに悩みを相談。
ハーヴェイさんはバンティングさんに炭水化物を制限する方法を伝えました。
その内容とは
- 1日に4度の食事
- 肉
- 野菜
- (1日に数オンス以下の)果物 ※1オンスは約28.3ℊ
- 辛口のワインを食べる
というほぼほぼ糖質制限そのものの内容でした。
それと並行して避けるべき食べ物としては
- 砂糖
- サッカリン
- デンプン
- パン
- ビール
- 牛乳
- 豚肉
- バター
などを指定していました。
豚肉とバターが含まれているのは当時はまだ豚肉とバターにもデンプンが含まれていると信じられていたからであり、本当はもちろん食べてOKです。
この炭水化物の制限によって、バンティングさんは50ポンド、23キロの減量に成功しています。
ハーヴェイさん一回失敗していた
ついでですが、ハーヴェイさんは糖質制限に出会うまでに一度別の友人にたいして間違ったアドバイスをしてしまい、失敗しています。
何故かとハーヴェイさんはこの時
「体重を減らすには、激しい身体活動に励めば良い」
と考えてしまっていて、友人にそう伝えたのです。
それからその友人は「早朝に2時間ボートを漕ぐ」ことにし、
近くのテムズ川でボートを漕ぎに漕ぎ続けました。
その結果友人の腕は太くなりました(笑)
ただ、それに伴って食欲が湧いてしまい、結果食事の量が増え、最終的には体重は減るどころかどんどん増えていってしまいました。
ハーヴェイさんは前言を撤回し運動をやめるように友人に言いました。
この時ハーヴェイさんは「運動には体重を減らす効果は無い」と悟ったためであるとされています。
その後 フランスの医師、クロード・ベルナールがパリで行った糖尿病についての講演を聴いたことをきっかけに炭水化物の制限についてのダイエットをすすめるようになったとのことです。
本を出版、ベストセラーになり、ダイエットの代名詞に
バンティングさんは減量に成功した後一冊の本(小冊子)を書きます。
そのタイトルは
『Letter on Corpulence, Addressed to the Public』
(『市民に宛てた、肥満についての書簡』)
というもので、内容はバンティングさんがハーヴェイさんから受けたアドバイスを忠実に実践した食事療法のやり方とその体験談。
その中でバンティングさんは
- 「私にこの食事法を教えてくれた、親切で大事な友人は、肥満の治療医ではないが、別の病気の治療においては素晴らしい評判の持ち主だ。彼も承知しているが、肥満はしばしば別の病気を誘発する」
- 「パン、バター(※)、牛乳、ビール、ジャガイモが、私にとっての生きる糧であり、私はこれらを無害なものとみなして長い間自由に食べてきた。素晴らしい助言をしてくれた友人は、これらはデンプンや糖分を含んでおり、身体に脂肪を蓄積させる傾向があり、避けるべきである、と私に言った。最初は、私には食べられるものはほとんど残されていないように思えたが、実際には沢山あることを友人が示してくれた。この食事計画を偏見無しに試してみることに大いに喜びを覚え、数日以内にその恩恵を得られた」
といった内容を書いています。
この本はベストセラ-になり、複数の言語にも翻訳され、
南ローデシア(現在のジンバブエ)出身の科学者ティム・ノークスは、「低糖質・高脂肪ダイエット」と名付け、この食事法を普及させました。
もう、糖質制限そのものですね(^_^;)
その後
Bant
という単語はダイエットの代名詞にもなり、
「Do you bant?」(ダイエットするかい?)
「Are you banting?」(今、ダイエット中なの?)
という言い回しが広まるまでになりました。
さらに「Bant」は次第に「食事療法を行う、ダイエットをする」という意味の言葉として使われるようになり、スウェーデン語にもこの言葉が輸入されて使われるようになりました。
その功績は凄まじいものがあるのですが、バンティングさんはあくまで功績はこれを教えてくれたハーヴェイさんにあるとコメントしたということです。
まとめ
以前ご紹介したスウェーデンでは糖質制限が大流行というお話。
そのスウェーデンでバンティングさんの名前がダイエットの意味として使われていたなんて少し驚きです。
もっと言うとバンティングさんは、インスリンを発見したフレデリック・バンティング医師はなんと遠縁の親戚にあたるのだとか。
なんかこういうのって運命めいていてときめきますよね!
糖質制限に役に立つ内容ではありませんが、ちょっと面白かったので記事にしてみました。
減量目的で糖質制限をされている方には心強い証人ですね。
何せ江戸時代と同じ時代にすでに糖質制限でしっかり結果を残した方がいたのですから。
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。