こんにちは。
糖質制限をしている人の中で、
健康目的で行っておられる方ももちろんいらっしゃるとは思いますが、
ダイエット目的で糖質制限をしている方も結構いらっしゃると思います。
ダイエット目的で糖質制限をしていると、
思っているよりも高速に体重が落ちていって、驚かれるかもしれません。
それはそれで素晴らしいことなのですが、
あまりに急激に体重が落ちすぎるとリバウンドの可能性が出てきます。
理由は体のあるシステムにあります。
少し気になる方はお付き合いください。
さっそく見ていきましょう。
脳はものっすごくドケチ
私たち人間の体や脳というものはまだまだ原始時代の環境を忘れていません。
どういうことかというと、
基本的に脳と体は生き残ることにしか機能しません。
「ボディラインが崩れてきたなあ」
とか
「やだー腰にお肉がついてるー」
とか
「そろそろ夏だし、水着姿が格好良く決まるようにしようかな」
とか
全くそんなことは考えません。
見た目がきれいだろうが醜かろうが、生き残ることだけが全てなのです。
ですので、脂肪を蓄えることは脳と体からすれば大正義、痩せるなんてもっての他なのです。
なので普段から脳と体は
- ご飯がたくさんあるときは脂肪を出来るだけ蓄えて体重を増やす
- ご飯がなくなって体重が減ってきたら脂肪を出来るだけ使わないようにする
という風に機能します。
お金で置き換えるとわかりやすいかもしれませんね。
- 給料が多いときは無駄遣いをせずに出来るだけ貯金をするようにする
- 給料が少ないときは貯金を切り崩しますが出来るだけ減らないようにする
という具合です。
要するに人間の脳と体はドケチなのです(笑)
脳は周りの環境がわからない
そしてダイエットというものは人間の脳と体からすると危機的な状況と判断されます。
私たち自身は自分が
- 今どのような環境にいて
- ご飯をいつ
- どれだけ食べられるか
をしっかりとわかっています。
あくまでダイエットは自身の健康や美容のためにわざと食べないようにしているだけで、やめてしまえばいつでもご飯を食べることが出来ると知っています。
ですが、脳と体は体に入ってくる毎日の食事や消費カロリー、体重の減り方など体の中の変化しか判断基準にしません。
消費カロリーが増えたのは
- 筋トレをしたからなのか
- ランニングをしたからなのか
- あるいは食料を得るために何かを狩るために戦ったのか
全く考えようとしません。
そしてご飯が体の中に入ってきて来なくなってことにしても
- わざとなのか
- 本当に飢えて困っているからなのか
の判断もつきません、そんなことはいちいち気にしないのです。
脳と体の判断基準はあくまで毎日の体重の増減や摂取カロリー、そこにしかありません。
そして脳と体はケチ臭いので増えているときは気にしませんが、減りだすと途端に気にしだします。
判断基準は今の5%
少しくらいの体重の減り方なら、さすがにケチな脳も見逃してくれますが、
流石に減りすぎると見逃してくれません。
体重が減りすぎるということは
私たちからすれば
「やったーダイエット成功! スリムになったよ!」
となるかもしれませんが、
脳からすれば
「やばい、むっちゃ体重減ってる…このままだと死ぬんじゃない?」
とものすごくビビります。
そう、原始時代の食糧が安定しない時で言えば
体重が減りすぎるということはご飯が食べられない、つまりそのままだと餓死してしまう
ということにつながります。
これは確かに危険なことです。
では、脳がそう判断したらどうなるでしょう。
答えは
通常以上に脂肪を蓄えるようにして、消費カロリーも減らす
という反応が起こります。
だってそうですよね、放っといたら脂肪(貯金)がなくなって死んじゃうんですもん。
要するにますますドケチになるということです。
そしてその判断基準ですが、
- 一カ月以内に
- 現在の体重の5%の減量
という条件が満たされると起こります。
この反応をホメオスタシス効果(生体恒常性)と言います。
ホメオスタシスには他にも体温の維持や免疫の維持なども指す言葉で体にとってはとても大事な機能です。
ただ、私たちはその効果を知ってうまく付き合わなければなりません。
停滞期の付き合い方
このホメオスタシス効果が発揮されると
ダイエットで言うところの
停滞期
というものに入ります。
はい、とても嫌な言葉ですね(笑)
ただ、ここをどうやり過ごすかがダイエットの成功、リバウンドでの失敗に大きくかかわってきます。
では、どのようにすればよいのでしょうか。
停滞期は最長でおよそ3カ月続くといわれています。
体重が減ってもその状態をキープできれば、
脳が
「なんだかんだでこの環境でも生きれてるな、よし、スイッチ戻そう」
という風に体をもとの代謝状態に戻してくれます。
そうなるとまた体重が落ち始めるようになります。
ポイントは脳が安心するまでどうするのか、です。
停滞期中は頑張ってダイエットを行っても中々体重が落ちません。
そして停滞期中に一番やってはいけないことは諦めてダイエットをやめること。
すなわち食生活を以前の状態に戻すことです。
停滞期が終わるまでは同じ量のご飯を食べていても蓄えられる脂肪の量は多くなります。
つまり、前と同じご飯を食べているのに体重が増えてしまうということが起きます。
不思議に思われるかもしれませんが、ドケチな脳がさらにドケチになっているので、このようなことが起きてしまうんですよね。
そう、お気づきかもしれませんが、これがリバウンドしてしまう原因ということになります。
停滞期で意識するべきことは体の状態に合わせて今の状態をキープしてあげることです。
もちろん無理やりに体重を落とすことも可能ですが、その後が続きませんので結果としてゆっくりと体に付き合いながら体重を落とすことが一番の方法となります。
ゆっくり落とすのがメンタルにも優しい
本人の精神的にも成果としても一番いいダイエット方法はゆっくりと減らしていくことです。
急激な体の変化は脳をびっくりさせてしまい、停滞期を引き起こしてしまいます。
そうなると中々体重も落ちませんし、リバウンドの可能性も上がってしまいます。
停滞期が終わればまたダイエットが出来ますが、条件をしっかりと守らないとまた停滞期が起きてしまってリバウンドをして…
という風に負のスパイラルに陥ってしまいます。
脳からすれば脂肪が蓄えられてホクホク顔かもしれませんが、
ダイエットしたい方からすればたまったもんじゃないですよね。
ただ、脳の機能を変化させることはできませんので、こちら側としてはうまく付き合っていってあげるしかありません。
ゆっくり、大体ですが体重の2~3%ほどの減量にとどめておけば停滞期にも入りにくいでしょうし、ゆっくりとですが確実に成果は出てくると思います。
少しずつでも目に見えて成果が出た方が私たちも嬉しいですよね。
まとめ
停滞期について取り上げましたが、あまり脳を責めないであげてください(笑)
私たちが肥満だなんだと気にするようになったのはここ数十年。
糖尿病なんて言葉も人間の歴史からすればごくごく最近の話なのです。
対して人間自身の歴史は数万年以上に及びます。
今までの歴史の99%以上は食糧事情が安定しなかったのです。
ですので脳はそちらの環境に適したように作られています。
誤解を生むかもしれませんが、
要するに脳の価値観と私たちの価値観というのは
老人と若者
と置き換えられます。
脳は価値観が古いので今の食糧事情や環境についてこれていないのです(^_^;)
ただ、現代の文明が滅んで昔に戻るようなことがあればおじいちゃん大正義! ってことになるかもしれませんね。
脳の機能とうまく付き合ってダイエットを成功させていきましょう。
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。