糖質制限食が自然な食事である理由~脂質と糖質について~

こんにちは。

 

今日は糖質制限をお勧めする理由として、私たち人間の体の構造と絡めてお話していこうと思います。

 

今回は脂質と糖質についてです。

 

脂質と糖質について

私たちが食事をする中で脂質と糖質の話はどうしても欠かせません。

 

脂質か糖質、どのような食事をするにしてもどちらかを必ずエネルギー源として活用しなければならないためです。

 

 糖質制限では糖質を抑えるため、脂質を主なエネルギー源とします。

 

なぜならこれが人間が長年続けてきた本来の食事内容だからです。

 

 それは昔々のまだ食料が豊富に摂れるような時代ではなかった頃の時代の食事がとても長かったためで、その長さは数万年単位。

 

 約250万年ほどにホモ属という私たちホモサピエンスと同じ仲間が狩猟で肉食を開始し、それは約1万年前の農耕が徐々に盛んになるまで、つまり249万年間は私たちの祖先は肉食の生活を送っていたのです。

 

 そのころの糖質摂取量は1日10から125グラムと推定されています。

 

特に意識することなく糖質制限状態だったわけですね。

 

  そのため人間の祖先たちは脂質を体に多く蓄えられるように時間をかけて進化し、現代の私たちもそのDNAを受け継いでいるといえます。

 

糖質が豊富になり、肉や魚の時代にお米や麺が追加されたのは人間の歴史から言えばごくごく最近。

 

地球の歴史を24時間に例えると…

というようなたとえ話がありますが、

 

人間の歴史を24時間に例えた場合、糖質を主に摂るようになったのは23時をはるかに過ぎたころ。

 

 24時間の歴史の中で23時間以上は脂質を主なエネルギー源としていたと考えれば、糖質を抜いた糖質制限食が本来の食事であるといっても不自然ではありません。

 

 人生で言えば80年の寿命のうち70年以上を脂質メインの食事にしていたわけですから、急激に体質が変わるとは考えられないでしょう?

脂質と糖質では体に蓄えられる量も段違い

 その証拠の裏付けとして、私たちが体の中に蓄えておける脂質と糖質の量はけた違いに脂質のほうが多いのです。

 

 もし、糖質をずっと主な食事として数万年の時を人間が過ごしていたとしたら、糖質を蓄えておけるように体が進化しないとつじつまが合いません。

 

 糖質は体の中に蓄えられるとき、グリコーゲンという名前で蓄えられます。

 

人間の体の中で蓄えておけるグリコーゲンの量はたった200g~300g。

 

 糖質、つまり炭水化物のカロリーは1gあたり4kcalですから、体の中にあるグリコーゲンの量はカロリーに換算すれば800kcal~1200kcalしかありません。

 

人間の体は一日の基礎代謝にも及ばない程度の量しか体の中に糖質を蓄えておくことができないわけです。

 

かなり使い勝手が悪いエネルギーとは思いませんか?

 

 たいして脂肪はもっとたくさんのエネルギーを蓄えておくことができます。

 

体重60キロ、体脂肪率20%の方がいたとして、その脂肪の量は12kg。

 

脂質のカロリーは1gあたり9kcalですから、なんとその総カロリー量は108,000kcal!

 

10万ですよ、10万。

 

決してけたを間違えていっているわけではありません(笑)

 

 もちろん女性やぽっちゃりしている方の場合体脂肪率はもっと高いでしょうから、さらに蓄えているエネルギー量は上がります。

 

 10万キロカロリーとたった1000キロカロリー、どちらが生きていくうえで蓄えておくべきエネルギー源なのか、利用すべきエネルギー源なのか、いわずともお分かりいただけるかと思います。

 

 もし、人間の祖先がずっと昔、何万年も前から糖質が豊富に存在する環境にいて、糖質を主なエネルギー源としていたとしたら、もっと糖質に依存した、糖質をもっとうまく活用できる体の構造になっていないとおかしいと思うのは不自然なことでしょうか?

 

私はそうは思えないのです。

 

糖質は常温のお肉

 あくまで私の考えの一つですが、糖質というのは、その場その場で得られる脂肪よりも消化が早いエネルギー源として活用されていたのだと思います。

 

 現代風にいえばエナジードリンクや栄養ドリンク、ドーピングといった感じです。

 

 糖質は取り込んでから消化、吸収が早いのですが、糖質よりも脂肪はエネルギーにするまでに時間とエネルギーを使います。

 

 ですので、緊急時により早く活動のエネルギー源として活躍するのは糖質。

 

 例えるなら脂肪は冷凍庫に入っているお肉で、解凍から調理まで時間がかかりますが、糖質は常温のお肉なので、すぐに調理に取り掛かれ食べることができるといった具合。

 

そのため糖質が体に入ってくると体はすぐに使える糖質から使いだすようになるのです。

 

 ただ、ご存知の方も多いでしょうが、糖質にはデメリットが存在します。

 

それは血糖値の低下によるリスク。

 

糖質をたくさん摂った後は血糖値が跳ね上がり、エネルギーが充満します。

 

体が熱くなり、力がみなぎり、瞬間的にすごい活動ができるようになります。

 

 ですが、その後に必ず血糖値が下がり、場合によっては低血糖の症状が現れます。

 

 糖質が豊富でなかった時代にこのような状態の変化が現れたら、その時の人たちはどう思うでしょうか?

 

きっと普段は使わないようにし、いざという時のためにしか口にしなかったと思います。

 

 いつも糖質があれば問題は解決しますが、血糖値が下がったときに敵に襲われでもしたら対処ができません。糖質の在庫がないのですから。

 

 グルカゴンなどのストレスホルモンが糖新生を促してそれをカバーしてくれたとしてもやはり体の負担は大きくなるので、しょっちゅう使うことはなかったのかなと想像してしまいます。

 

 糖質を麻薬という人がいますが、確かに血糖値の乱効果によって糖質を欲しがってしまう姿はそう見えてもおかしくはないかもしれません。

 

 ですが、決して糖質は不必要なものではありません。

 

 糖新生が体で行われている通り、何もしなくても体は糖質を自ら作り出し、赤血球は糖質しかエネルギーにできません。

 

ですので糖という物質そのものが消えることは人間にとっても困る話なのです。

 

 ただ大昔はとても貴重で安定的に食べることができず、ものによってはその安全性も不確かなものも多かったであろうことから、人間の祖先は動物を狩り、その血肉を主な食事としていたため、高たんぱく、高脂質の食事が自然であるというだけの話なのです。

コレステロール値も制限はない

 人間本来の食事が高脂質、高たんぱく質であるという主張をすると返ってくる答えが「コレステロールのリスク」

 

コレステロール値が高いと動脈硬化や心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクにつながってしまうというもの。

 

ですが、これには反論があります。

 

まず、食事からのコレステロールの摂取上限は日本、アメリカともにすでに上限を撤廃しています。

 

 昔は卵にはいくらのコレステロールが含まれているから卵は一日に何個までにしましょう、といった啓もうがあったかもしれませんが、それは今では時代遅れになっています。

 

 一日の卵の摂取量には上限がなく、カロリーなどの事情を無視してコレステロールだけに限って言えば卵はいくら食べても構いません。

 

 また、日本脂質学会の発表によれば総コレステロール値の総量が高いと逆に寿命が長くなる、といった発表もされています。

 

 動脈硬化や心筋梗塞のリスクはむしろ糖質の摂りすぎが原因

 

アメリカでは心筋梗塞で亡くなる方の7割が糖尿病患者ですし、日本でも糖尿病の方の1/3が心筋梗塞で亡くなられています。

 

注視すべきはコレステロールよりもやはり糖質。

 

過度な糖質摂取はリスクを負う結果にしかならないのです。

よくわからない批判は無視

 最後に糖質制限への批判をする方でも多種多様な方がいますが、しっかりとした理論やエビデンスに基づいたもの以外はすべて無視してかまいません。

  • ラットの寿命が縮んだから
  • 脳は糖しかエネルギーにできないから
  • たんぱく質の摂りすぎは肝臓に悪いから

などなど

 

 的外れであったり、思い込みであったり、あるいは単純な勉強不足だったりと理由は様々ですが、聞く価値がないものが大半です(-_-;)

 

一つ面白かったのは、

 

「人間の祖先が高脂質、高たんぱく質の食事を摂っていた数万年前とやらの平均寿命はとても短かった!

「現代の糖質食が主な時代の平均寿命はその時よりもはるかに長くなっている!」

「やはり糖質制限はダメなんだ!」

 

という方がいました。

 

ちょっと頭を疑いましたね(笑)

 

この方は数万年前の環境が現代と同じと思っているのでしょうか?

 

車が走ってたの? 麻酔とか外科手術とかあった? コンピューターが数万年前にあったの?

 

色々突っ込みどころ満載ですが、このくらいにしておきます(笑)

 

 何度も申し上げていることですが、現代において糖質制限が誰にでも当てはまる奇跡の食事療法だとは私も思っていません。糖質制限をしてはいけない人についても言及しています。

 

 それはアメリカの糖尿病学会も糖質制限食の有効性を認めたうえでそういう趣旨の発言をしていますし、当然正当な発言だと思います。

 

  ですが、あまりに稚拙な批判は議論をかき回すだけですし、あまり糖質制限食について知らない人たちを混乱させるだけなのでやめてほしいわけです。

 

正当な批判や指摘は糖質制限食をさらに進化させる有効な意見ですが、感情論や思い込みでの批判は何も生まないのです。

まとめ

 私自身勉強不足なところは多々ありますので、間違った理論を組み立てている可能性は全然否定しません。

 

そういった間違いを指摘してもらえるのはとてもありがたいことですのでどんどんいただければと思います。

 

 ただ、変な宗教染みた思い込みからの批判やなんとなく人づてで聞いたレベルの批判には耳を貸す気にはなれません。

 

 糖質制限の是非も含めて、有用な議論を出来れば一番いいなと思います。

 

実際に糖質制限で健康になった人もいますし、逆にダメになった人もいると聞きます。

 

 その原因がなんなのか、もっとうまくやる方法はないのか、など糖質制限食の発展に役立てばいいですね。

 

 皆さんの糖質制限がうまくいきますように。

 

本日もご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

-糖質制限, 糖質制限についての豆知識・雑学