こんにちは。
先日の変な記事の中で糖質制限には味覚障害が起きる危険性があるというような指摘をしている人のお話をしました。
その時に軽く触れて答えは出しているのですが、本当に糖質制限によって味覚障害が起きるのか、何か注意点はあるのか?
そんなところに触れていきたいと思います。
糖質制限をすると味覚障害になるのか
さて、先日の記事でも書いていますのでさっさと結論から言ってしまいますが、糖質制限による味覚障害への関連性はありません。
皆無と言ってもいいでしょう。
色々と探しましたが、どこを探しても
糖質制限をすることによる味覚障害が起きる
という論文も見つかりませんでしたし、
何かしら実験を行った
というデータも見つかりませんでした。
これを言っている人は本当に謎です。
どこから情報を仕入れたのか聞いてみたいですね(^_^;)
味覚障害の定義と根本的な原因
よく、味覚障害、味覚障害といいますが、みなさんは味覚障害とは何か、という定義はご存知でしょうか。
味覚障害の種類は大きく分けて2つ
- 味覚そのものを感じる力が弱くなり、ひどくなるとまったく味を感じなくなる「量的障害」
- ある味覚だけ感じなくなり、何を食べてもいやな味がするといった「質的障害」
この2つがあります
前の記事の甘味が強く感じられるようになった、なんて人は逆に味覚が鋭敏になっていますから、味覚障害なわけがないのです。
そして、一般的に浸透している味覚障害は「量的障害」の方だと思います。
何を食べても味がしない、ご飯を食べていてもじゃりじゃりとした食感だけが感じられて美味しくない、といった症状ですね。
料理漫画とかでも大体はこれに料理人が悩まされています。
また、実際に味覚障害で病院に来院する人の7割近くが「量的障害」だとも言われています。
では、味覚障害が起きる原因についてですが、そもそも糖質制限をしただしないだではなく、元々昔からある味覚障害の原因は亜鉛不足によるものです。
他にも心因性のうつ病によるものや、風邪を引いたときに嗅覚が麻痺する「風味障害」と併発するものがありますが、大半の原因は亜鉛不足によるものです。
もし、万が一の話ですが糖質制限によって味覚障害が起きうるとすればそれは糖質制限をしたから、ではなく、亜鉛を含む食事をほとんどとらず、慢性的な亜鉛不足に陥ったからだと思います。
そういった方は亜鉛を摂れば大体の場合解決することがほとんどですし、そもそもそこまで深刻な亜鉛不足にはなかなかなりません。
ただ、一つ気を付けておきたいことがあります。
糖尿病になると味覚障害になる可能性があるのです。
糖尿病と味覚障害
糖質制限によって味覚障害が起きる可能性というものは皆無ですが、糖尿病となると話は少し変わってきます。
実は糖尿病患者の多くは程度の差はあれど味覚障害に陥っていることが多いのです。
その理由としては神経障害が味覚神経に影響を及ぼしたり、糖尿病腎症によって味蕾の新陳代謝に欠かせない亜鉛が吸収されずに排出されてしまう影響などが考えられています。
また、糖尿病が唾液腺の変化を引き起こし、唾液分泌が低下するため味覚障害を引き起こす可能性も高いのです。
この場合の対処法は難しく、亜鉛を補給しても腎症によって亜鉛が取り込まれないこともありますから、亜鉛を摂ることが解決策にならないことがあります。
そういった場合、味付けをどんどん濃くしていき、糖尿病が悪化するという悪循環が生まれるため、推奨されているのはうまみ成分を含んだ食品をうまく活用することとされています。
うまみ成分を含んだ食品を長時間口のなかで咀嚼することで唾液の分泌が活性化し、味覚障害をなおすことに一役買ってくれるということです。
まとめ
糖質制限によって味覚障害になることはあり得ませんが、亜鉛不足の場合はもちろんなります。
そして亜鉛不足が深刻化するとうつや糖尿病になる危険性もありますので十分な注意が必要です。
また、糖尿病になることでの味覚障害はまた原因が違いますから、対処法も別途検討する必要がありますね。
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。