こんにちは。
私の父は糖尿病でしたが、がんにはならずに他界しました。
ですが、父方の祖父母はふたりともガンで亡くなりました。
がんは場合によっては治療が困難になる場合があるようですが、
糖質制限によって、がんが寛解、つまり完治まではいかずとも症状が穏やかになったり、がんが縮小したり、消失する例すらあるようです。
今回は糖質制限とがんについてお話ししていきたいと思います。
がん細胞のでき方
まず、雑学になってしまいますが、がん細胞は正常な細胞が様々な理由によって傷ついたり、遺伝子的に変異を起こしてしまってできるものになります。
そのタイプは大きく分けて
- 感染症型
- 生活習慣病型
に分けられます。
感染症型はピロリ菌やB型及びC型肝炎ウイルスHPV(ヒトパピローマウイルス)などの感染によって引き起こされるものです。
これらは菌の感染を防ぐことが肝心なので、発見次第に早期治療を行うことで未然に防ぐことが出来ます。
一方生活習慣病型は単純にその人の食生活が問題。
肥満や糖尿病など、体に負担がかかる状態を放置していると細胞が変異し、がんにつながることがあります。
生活習慣病について江部医師は
「生活習慣病型」の根本的な原因は酸化ストレスであり、その酸化ストレスは糖質によって誘発されるのである
とのべています。
酸化ストレスの誘発原因は
- 食後高血糖
- 血糖値スパイク
- 高インスリン血症
の3つであり、
国際糖尿病絵連合は「食後高血糖は発がんに関与している」と結論付けています。
糖尿病患者のがん発生リスクは一般人よりも20~30%高くなるという研究もあり、
以上のことから普段から糖質を抑えて生活をしていれば
がんの発生も未然に防げるということのようですね。
もちろん100%ではないので、ご注意を。
がん細胞のエネルギー源
では、実際にがんになってしまった場合ですが、
根治につながるかまではさておき、寛解や進行を抑える程度にはもっていくまではできるようです。
これは、
「がん細胞は糖のみしかエネルギー源にできず、ケトン体をエネルギー源として使えない」
という理論に基づくもので、ワールブルク効果と言われています。
そして、江部医師はインタビュー記事にて
がんとインスリンに関連してこんな仮説があります。
がんの末期ではインスリンが異常に出ている可能性がある。がん細胞そのものにインスリンを出させるメカニズムがあり、自分のエネルギー源である血糖を取り込みやすくさせているのではないか。
実は、大阪大学の末期がんの患者さんで数例、異常にインスリンが出ているケースが確認されているのです。大阪大学では現在、糖質制限食のがん抑制効果について積極的な研究が行われています。
このほか2015年の第53回日本癌治療学会学術集会において、肺がんの末期であるⅣ期の患者さん5人にケトン食治療を行ったところ、2人が寛解(症状が落ち着き安定)し、それぞれ32カ月間と20カ月間生存中、1人ががんは残るものの26カ月間生存中、あとの2人はケトン食を継続できずに死亡という、大阪大学大学院医学系研究科漢方医学寄附講座・萩原圭祐准教授らの発表がありました。
肺がんのⅣ期患者の生存中央値が8~10カ月ですから、かなり効果があったわけです。
と発言しています。
がん細胞が糖を摂取するためにインスリンを分泌させる作用があるのではないか、という仮説が存在し、実際に末期がんの患者さんで以上にインスリンが出ているケースが確認されている。
大阪大学院の実験において、末期がんの患者さんにケトン食を行ったところ、5人中3人が末期がん患者の平均余命を大幅に超える結果を残したというのです。
一番短い20カ月の患者さんでも平均の2倍、
32カ月の患者さんは3倍近く生存できたということで、
糖質制限をすることによるがんの寛解に大きく影響していると思われるのです。
臨床研究で分かったケトン体の有効性
また、
「ケトン食がガンを消す」
(古川健司著 光文社新書)
の著者である古川健司医師は著書の中のプロローグでこう述べています。
免疫栄養ケトン食とは、私が臨床栄養学に基づいて作り上げ、2015年の臨床研究の成果をもって本格的にスタートさせた、がん治療に特化した栄養療法です。
2014年、抗がん剤効果が期待できなくなったステージ4の乳がんの患者さんに、炭水化物の摂取を極端に控えた糖質制限食を指導したところ、まもなく3センチ大の腫瘍がほぼ消失。肺転移と皮膚転移の一部も消失し、QOL(生活の質)が大きく改善されました
免疫栄養ケトン食の3か月以上の実施者は、この乳がん患者さんを含めて18人。その治療成績を見ると、がんの完全寛解(消失)が5人、がんが30%以上消失した部分奏効が2人、がんの進行制御が8人にも上り、増悪(悪化)はわずか3人にすぎません。
完全寛解が部分奏効よりも多いのは、がんの顕著な縮小や転移巣の消失によって、手術に持ち込めた症例が多いためです。
完全寛解率は約28%。完全寛解も含めた奏効率(がんが消失、もしくは縮小した患者さんの割合)は約39%。進行制御を加えた病勢コントロール率に至っては、実に83%にも上っています。
しかも、実施者の多くは、ステージ4のがん患者さんです。ステージ4と言えば、いわば末期と呼ばれる状態で、この時点で医師の多くは「もはや打つ手なし」と、治療の匙を投げてしまいます。
それを考えると、奏効率39%、病勢コントロール率83%という数字は、まさに驚異的であり、これまでの医学界の常識を覆したと言っても過言ではありません。
私の免疫栄養ケトン食では、炭水化物を極端にカットする代わりに、健常者の約2倍のタンパク質を摂取するようにしています。
少し長いですが、
要点を抑えると
- がん患者に極端に糖質を抑えた免疫栄養ケトン食を実施
- がんを縮小、あるいは消失できた率は39%(奏効率)
- がんの進行を抑えれた率は83%(病勢コントロール)
- 対象患者の多くはステージ4(末期がん)の患者だった
となります。
ステージ4というと5段階あるがんの段階で最後の段階で、
“治療方法がほとんどない、または、通常のがん治療では身体の体力を奪って死期を近づけてしまう状態”
であり、これ以上のステージはありません。
ステージ4の患者さんは、基本的にがんが治る可能性はほとんどありません。
その中で39%もの奏功率、83%の病勢コントロールができた言うことは本当にすごいことだと思います。
がんが完全に消滅しなくても縮小することで手術による摘出が可能になることもありますから、完全緩解につながるという点でもこれは見過ごせない成果だと思います。
そしてこの内容の注目するべきところは臨床研究の成果であるということ。
つまり、机上の空論ではなく、
実際の患者さんに対して行った治療が効果が出た
ということです。
臨床例がすくなく、また大規模なランダム化比較実験などではないため、医療的なエビデンスレベルは低く扱われますが、これは大事な研究成果であると言えます。
隠されたケトン体のすごさ
また、古川医師は別のインタビュー記事では、
ケトン体のすごいところは、単にがん細胞の栄養源を絶つことだけではありません。がんを誘発する酵素(β-グルクロニターゼ)の活性を低下させるなど、それ自体に抗がん作用があることが、動物実験などで解明されています。さらに、がんの発生起源と考えられる乳酸を除去し、ミトコンドリアの活性化を促す「長寿遺伝子」のスイッチを入れる働きがあることも、最近になってわかってきました。
とも述べておられ、
ケトン体自体に抗がん作用があり、長寿遺伝子のスイッチにも関連することがあるなど、
糖質制限をすることによってがん細胞のエネルギー源を断てるだけではなく、
それによって付随するケトン体自体の有用性も認めています。
ケトン体は糖質の代替エネルギーになるだけではなく、
がんの抑制や、長生きの秘訣にもつながるすごい物質だったわけです。
まとめ
がんになりたいかと聞かれてはいと答える人は0だと思います。
ですが、単純な老化や突発的な理由でがんに見舞われることもあるかもしれません。
そんな時にもし、この知識が活かせることがあれば何かの助けになるかもしれません。
また、ケトン体自体に抗がん作用があり、長行きにも繋がるという点から見ても、やはり基本的には糖質を抑えた食生活が望ましいのだと思います。
免疫栄養ケトン食のような炭水化物を95%カットするのは難しくても、
江部医師のスーパー糖質制限なら十分に行える範囲だとおもいますので、
もし健康に気をつけているかたがいらっしゃれば是非糖質制限を始めましょう。
皆さんの糖質制限がうまくいきますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。