あなたに教えたいセレンの基礎知識

こんにちは。

 

 あなたに教えたいミネラルの基礎知識、今日はセレンです。

セレンとは? 役割は?

 セレンとは微量ミネラルのひとつで、セレニウムと呼ばれたりもします。

 

 名前の由来は元素周期表のテルルの上に存在するためです。

 

 テルルとはラテン語で地球を意味する言葉で、地球の上にある存在、つまり月を意味するセレンという言葉が名づけられました。

 

なんだかロマンチックですね(笑)

セレンの役割

 セレンは私たちの体の中でおよそ0.17㎎程度だけ存在しますが、単体では存在しません。

 

 セレンはセレノシステインというアミノ酸に変換され、さらにたんぱく質の中に組み込まれ、25種類のセレノプロテインというたんぱく質として体の中に活動します。

 

 セレノプロテインはおよそ半分がその役割を認められていて、まとめると以下のようなものになります。

  • 活性酸素の除去
  • 精子の形成
  • 甲状腺ホルモンの制御
  • DNA合成
  • 免疫機能の維持
  • 筋肉の代謝

 セレンの体の中の代表的な機能は活性酸素の除去。

 

 ビタミンEやビタミンCと協調して、活性酸素から身を守ってくれると考えられています。

 

 他にも男性の場合、精巣に働きかけることで精子の形成を促し、正常な生殖行為をサポートしてくれます。

 

 また、子供においても甲状腺ホルモンの制御を正常に行う役割を持っていることから、発育や成長においても重要な機能を果たしているといえます。

 

 私たち日本人においてはセレンは不足することがないミネラルと言われており、東京都からはサプリメントでの過剰摂取を懸念する声が上がっており、必要以上のセレンは腎不全や心筋梗塞のリスクも上がるので、避けておいた方がよいでしょう。

セレンの必要量、セレンが豊富な食材

 セレンの1日の推奨量30㎍前後。

性別 男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5(月) 15 15
6~11(月) 15 15
1~2(歳) 10 10 80 10 10 70
3~5(歳) 10 15 110 10 10 110
6~7(歳) 15 15 150 15 15 150
8~9(歳) 15 20 190 15 20 180
10~11(歳) 20 25 240 20 25 240
12~14(歳) 25 30 330 25 30 320
15~17(歳) 30 35 400 20 25 350
18~29(歳) 25 30 420 20 25 330
30~49(歳) 25 30 460 20 25 350
50~69(歳) 20 30 440 20 25 350
70以上(歳) 20 30 400 20 25 330
妊婦(付加量)   +5 +5
授乳婦(付加量) +15 +20

 

 セレンの一日の摂取量は栄養調査の対象に入っていないため、具体的な数値は不明ですが、おおよそ約100μg/日とされています 。

 

 必要量の3倍ですね(^_^;)

 

 そのため、基本的に日本人はセレンを過剰摂取気味と言っていいでしょう。

 

 セレンを含む食材としては動物性食品に多く、

  • かつおやうになどの魚介類
  • 鶏肉や豚肉の肉類
  • 牛乳などの乳製品

これらに多く含まれていて、どれも100ℊも摂れば十分なセレンを補給することが出来ます

 

 卵でも2個も食べれば一日の必要量に達しますので、本当に不足の心配がいらないミネラルと言ってよいでしょう。

 

セレンが不足した際の症状

 セレンは日本にいる場合はほとんど欠乏することはありませんが、海外の一部の地域では土の中に含まれるセレンの量が少ないため、そこから取れる農作物や、動物全般においてセレンが不足し、人間もまたセレン欠乏が見られることがあります。

 

 セレンが不足すると以下のようなことが起きるといわれています。

  • 克山病(ケシャン病、クーシャン病)
  • カシン・ベック病(骨軟骨関節症)
  • 貧血
  • 高血圧
  • 精子減少
  • ガン(特に前立腺ガン)
  • 関節炎
  • 早老
  • 筋力低下
  • 多発性硬化症

 

 克山病とは中国黒竜江省にある克山県の風土病として知られ、セレンの不足によるうっ血性の心不全が特徴の病気です。

 克山県は当時、セレンだけでなく他の栄養素も不足していたとみられ、セレンをはじめとした各種栄養素を補給することで今では見られなくなっています。

 

 また、セレン不足は子供の成長にも大きな影響を与えます、

 カシンベック病という、骨の成長に異常が見られる病気にも関係性があるとみられていて、子供の脊椎にこれが起きると小人病などの成長障害に発展することもあるという怖い病気です。

 

 他にも、セレンの不足は前立腺がんを主としたがんのリスクの向上にもつながってしまうようです。

セレンを過剰摂取した際の症状

 セレンは私たち日本人は過剰摂取気味。

 

 耐用上限が約400㎍(マイクログラム)に対して一日の摂取量は100㎍ですので、摂りすぎのラインは超えていませんが、必要量も大幅に上回っているため、補給も必要ありません。

 

ですので、不足よりも摂りすぎに注意するべきミネラルです。

 

 セレンを摂りすぎると起きる症状は以下の通り。

  • 脱毛
  • 爪の変形、脱落
  • 皮膚炎
  • 末梢神経障害
  • ニンニク臭
  • 胃腸障害
  • 疲労感
  • 心筋梗塞
  • 腎不全
  • 免疫機能の低下

 セレンの過剰摂取が起きると、セレンはその毒性をあらわにします。

 

 1番多い過剰摂取の報告は髪と爪の脆弱化、そして消失、つまり脱毛です。

 

 その他にはイライラ、皮膚炎、ニンニク臭などがあり、通常食事からは過剰になることはほとんどありませんが、サプリメントではごく普通に起きてしまいますので、セレンのサプリメントは避けた方が良いでしょう。

 

 また、万が一セレンをグラム単位で摂取するようなことがあれば命に関わります。

 

 セレンをグラム単位で摂ってしまうと重症の胃腸障害、神経障害、心筋梗塞、急性の呼吸困難、腎不全などを引き起こしてしまいますから、体の健康どころか死んでしまいます。

自殺願望がある人以外はセレンの過剰摂取は絶対にするべきではありません。

まとめ

 それではセレンのまとめになります。

まとめ

分類 微量ミネラル
体の中の役割
  • 活性酸素の除去
  • 精子の形成
  • 甲状腺ホルモンの制御
  • DNA合成
  • 免疫機能の維持
  • 筋肉の代謝
一日の推奨量(成人) 30㎍(マイクログラム)
一日の上限量(成人) 400㎍前後
不足した際の症状
  • 克山病(ケシャン病、クーシャン病)
  • カシン・ベック病(骨軟骨関節症)
  • 貧血
  • 高血圧
  • 精子減少
  • ガン(特に前立腺ガン)
  • 関節炎
  • 早老
  • 筋力低下
  • 多発性硬化症
過剰摂取にした際の症状
  • 脱毛
  • 爪の変形、脱落
  • 皮膚炎
  • 末梢神経障害
  • ニンニク臭
  • 胃腸障害
  • 疲労感
  • 心筋梗塞
  • 腎不全
  • 免疫機能の低下

備考

  • 日本人は基本的に過剰気味なので、サプリメントの必要性はなし
  • グラム単位でのセレンの摂取は命に関わるので絶対に行わないこと

 

 名前の付けられ方はロマンチックなセレンですが、その毒性は全然ロマンチックではありません(^^;

 

 日本では普通に摂れるミネラルですし、サプリメントでの補給も全く必要はありません。

 

 例外としては透析を行なっていたり、静脈栄養管理や経腸栄養管理などを長期間行なっている方くらいで、そう言った方は医師が判断してくれると思いますので、心配もさほど必要無いと思います。

 

 記事で取り上げておいてなんですが、基本的には触らないようにしておくとよいミネラルですね( ̄▽ ̄;)

 

 皆さんが健康でありますように。

 

 本日もご覧いただきありがとうございました。

 

2019-12-28 10:33:25

 

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

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