こんにちは。
あなたに教えたいビタミンの基礎知識、今日はナイアシンになります。
ナイアシンとは? 役割は?
基本的なことですが、まずナイアシンって何だろう?
という方もいらっしゃるかと思います。
ナイアシンというのは、別名をビタミンB3、ニコチン酸、ニコチン酸アミドといった名前がありす。
つまり
ナイアシン = ビタミンB3 = ニコチン酸 = ニコチン酸アミド
ということです。
厳密に言えば違いはあるのですが、私たち一般人が摂取する上では気にする必要性はないので、この4つは同じ効能を得られるものと覚えておけばOKです。
また、分類として水溶性ビタミンとなりますので、少しくらい多めに摂ってもおしっこと一緒に出ていきます。
ただし、後述しますがあまりの大量摂取は控えた方がいいでしょう。
では、ナイアシンの役割とはどのようなものがあるのでしょう。
ナイアシンの役割は以下のようなものがあります。
- 糖、脂質、たんぱく質の代謝(エネルギー産生)
- 脂肪酸の合成
- ステロイドホルモンの生合成
- ATP産生
- DNAの修復や合成
- 細胞分化
- 循環系、消化系、神経系の働きを促進する
などがあります。
ナイアシンを豊富に摂ることによって得られる効果として、
- 神経症状(不眠、不安、うつ)の改善
- 統合失調症の改善
- 血管拡張効果(脳梗塞、心筋梗塞の予後改善)
- アルツハイマーの進行を防ぐ
- 皮膚がん、口腔がんの予防
- コレステロール、リポ蛋白の低下作用
- 脂質・糖分分解の促進
などが上げられます。
どれもこれも非常に重要で、特に
脳や神経の症状改善
が取り沙汰されることが多く、
薬の処方よりもナイアシンを大量に摂取することで統合失調症が改善されたという報告もあるくらいです。
また、糖尿病患者の方に適量のナイアシンを服用させることで糖尿病の改善が見られたという報告もあります。
マウスの実験ではニコチン酸アミドを投与した結果糖尿病が改善されたという研究結果もあるようですので、臓器の修復機能もあるのではないかと期待されていて、それは他のビタミン群と併用して飲むことでさらに効果UPが期待できるということです。
私たち一般人がナイアシンを摂る理由としては
- 精神の安定
- 代謝UP
- 若返り効果
などが期待できると言われています。
ナイアシンが豊富な食材は主に、肉や魚類で、植物性のものであれば、マイタケなどのキノコ類がおすすめです。
ナイアシンの一日の必要量
ナイアシンの一日の必要量はおよそ13㎎(ミリグラム)前後。
推奨量でも15㎎程度ですから、食品から摂れるナイアシンで十分に賄えると言えます。
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量b | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量b |
0~5(月)c | - | - | 2 | - | - | - | 2 | - |
6~11(月) | - | - | 3 | - | - | - | 3 | - |
1~2(歳) | 5 | 5 | - | 60(15) | 4 | 5 | - | 60(15) |
3~5(歳) | 6 | 7 | - | 80(20) | 6 | 7 | - | 80(20) |
6~7(歳) | 7 | 9 | - | 100(30) | 7 | 8 | - | 100(25) |
8~9(歳) | 9 | 11 | - | 150(35) | 8 | 10 | - | 150(35) |
10~11(歳) | 11 | 13 | - | 200(45) | 10 | 12 | - | 200(45) |
12~14(歳) | 12 | 15 | - | 250(60) | 12 | 14 | - | 250(60) |
15~17(歳) | 14 | 16 | - | 300(75) | 11 | 13 | - | 250(65) |
18~29(歳) | 13 | 15 | - | 300(80) | 9 | 11 | - | 250(65) |
30~49(歳) | 13 | 15 | - | 350(85) | 10 | 12 | - | 250(65) |
50~69(歳) | 12 | 14 | - | 350(80) | 9 | 11 | - | 250(65) |
70以上(歳) | 11 | 13 | - | 350(75) | 8 | 10 | - | 250(60) |
妊婦(付加量) | - | - | - | - | ||||
授乳婦(付加量) | +3 | +3 | - | - |
ナイアシンが欠乏症した際の症状
ナイアシンが欠乏しすぎると起こる症状は以下の通り
- ペラグラ(ペラグレア)
- 口舌炎
- 下痢などの胃腸障害
- 皮膚炎
- 神経症状(うつなど)
- 倦怠感
- 食欲不振
といったものがあります。
ペラグラという言葉は聞きなれないかもしれませんが、なると結構つらいです。
症状を端的に書きますと
- 皮膚がただれる
- 下痢になる
- 精神に異常をきたす
- 嘔吐
などの症状が表れます。
欠乏するとこうなるということは、
しっかり摂ればこれと逆のいいことが起きると考えればわかりやすいですよね。
ちなみに日本人でペラグラになる人はほとんどいません、基本的にナイアシンの摂取量は食事で足りているからです。
ただし、例外的にアルコール依存症の方はペラグラに陥る方もいらっしゃるようです。
アルコールを毎日大量に飲む方は肝臓の調子だけではなく、ナイアシンを含む各種ビタミンがアルコールの分解をする際に失われてしまいます。
そのためお酒が大好きで仕方がないという方はマルチビタミンなどをしっかりと摂って対策するようにしましょう。
ナイアシンを過剰摂取した際の症状
ナイアシンは水溶性ビタミンですが、過剰摂取した際の長期的な健康被害の可能性が指摘されています。
Wikipediaによると
- 1日100mg以上の摂取 → ナイアシンフラッシュ
- ナイアシン徐放剤を1日2000mg以上の摂取 → 肝障害の可能性がある
- ナイアシンアミドを1日3000mg以上の摂取 → 肝障害の可能性がある
- 高用量では血糖値を上昇させるおそれがあり糖尿病では注意が必要。
- 高用量では尿酸値を上昇させるおそれがあり痛風では注意が必要。
といった点が指摘されています。
他にも副作用として、
- 消化不良
- 下痢もしくは便秘
- 肝機能低下
- 劇症肝炎
など、消化器系や肝臓に障害が生じた例が報告されているとのことですので、
水溶性だからと甘く見ずに適量を守ることが重要です。
ナイアシンフラッシュの症状としては
- 皮膚がピリピリして、人によっては痛みが少しある。
- 顔が赤くなる
という特徴があります。
ただし、これについて藤川理論の藤川医師は問題ないとしています。
- ナイアシンフラッシュについては体の中に蓄えられているヒスタミンを放出しているだけであって、徐々に緩和され慣れてくる。
- 統合失調症の治療法としてナイアシン療法を考案したエイブラハム・ホッファーは一日に4500㎎も摂っていて、自分も4000㎎摂っている。
といった主張に基づいているようです。
ただし、アメリカにてナイアシンを1日当たり約160~200ミリグラムのナイアシを含んだ栄養ドリンクを3週間飲んでいた男性が重度の肝昨日障害で病院に運ばれたという記事もあり、また安全性をキチンと確認できる信頼できる実験などがないことから私はあまりの過剰摂取はお勧めできないと思います。
栄養ドリンク毎日4~5本、米男性入院 肝臓に負担か
https://www.afpbb.com/articles/-/3106589
厚生労働省が定める耐容上限量ですが、
成人では、
- 女性は250㎎
- 男性では300~350㎎
以上摂ると摂りすぎとされています。
糖尿病患者、痛風患者は特に気を付けて
特に糖尿病患者、痛風患者の方のナイアシンの摂りすぎは他の方に比べてその危険性は増します。
どういうことかというと、先ほど挙げたナイアシンの過剰摂取した際のリスクとして
- 血糖値の上昇
- 尿酸値の上昇
が上げられているからです。
過剰摂取すればナイアシンフラッシュがほぼ必ず起きますので、すぐに気づくことでしょう。
糖尿病、痛風の方でナイアシンをサプリメントで取り入れている方は摂りすぎた際の血糖値や尿酸値に注意してください。
まとめ
では、葉酸のまとめとなります。
分類 | 水溶性ビタミン |
体の中の役割 |
|
一日の推奨量(成人) | 13㎎(ミリグラム)前後 |
一日の上限量(成人) | 250~350㎎(ミリグラム) |
不足した際の症状 |
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過剰摂取にした際の症状 |
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備考 |
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ナイアシンを摂ることで精神の安定や皮膚質の改善、代謝UPなど様々なよい効果が得られますが、やはりやりすぎは禁物。
サプリメントでおぎなうのはとても簡単なことですが、お薬と同様に用法用量はしっかりと守りつつ体質改善に努めたいですよね。
ちなみにですが、ナイアシンを摂った方がいい方として
- 日常的にストレスが多い
- 不眠症の気がある
- 最近何もしていないのに太った気がする
などの方が上げられます。
摂りすぎはよくありませんが、そういった方は適量を守って一度試してみてはいかがでしょうか。
皆さんが健康な生活を送れますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。