こんにちは。
ビタミンの基礎知識、最後はビタミンB群についてです。
ビタミンB群はB1からB12までの中でDやE、Kなどのように、ひとまとめに出来ず、一つずつ紹介していこうと思います。
今回はビタミンB1についてです。
ビタミンB1の役割
まずはビタミンB1の基礎知識です。
ビタミンB1に限らずビタミンB群とよばれるものは全て水溶性ビタミンに分類されます。
そのため大量摂取による後述する例外を除き健康被害はありません。
ビタミンB1は別名をチアミンとよび、さらに他の名前ではサイアミン、アノイリンなどと呼ばれることがあります。
1910年に鈴木梅太郎氏が脚気を予防する因子として米糠から抽出し、1912年にはオリザニンと命名されました。
ビタミンB1の体の中の役割は
- 糖の代謝
- 脂肪酸の代謝
- アルコールの代謝
などが上げられます。
全体として、エネルギーを作り出すエネルギー産生という役割を持っていると言えますね。
ビタミンB1が多く含まれる食材としては
- 酵母
- 豚肉
- 胚芽(米ぬか・ふすまなど)
- 豆類
- ソバ
- 全穀パン
- 牛乳
- 緑黄色野菜
- たらこ
- うなぎ
- カキ_(貝)
などが上げられます。(Wikipedia参照)
また、ビタミンB1を摂取するときのコツとして、にんにくを一緒に食べると吸収率が高まります。
理由はニンニクに含まれるアリシンという物質がビタミンB1の吸収を助けてくれるためで、
有名なアリナミンはニンニクの学名である「アリウム・サティブム」とビタミンB1の化学名である「チアミン」を合体させたものなのです。
ビタミンB1は水溶性のため、調理過程で1/3程度は失われてしまうといいます。
そのため日本人は少し不足しがちといわれており、より効率よくビタミンB1を吸収するためにニンニクを併用するのはとても良いと思われます。
ビタミンB1の不足が起きた際の症状
では、ビタミンB1が不足しがちになるとどうなるのでしょうか。
ビタミンB1が不足すると以下のような症状が起きてきます。
- 食欲不振
- 疲労
- だるさ
などですね。
エネルギーを作り出してくれる役割を持っているのですから、不足するとこうなるのも当たり前ですね。
そしてほぼありえない話ですが、あまりに不足しすぎてしまうと脚気やウェルニッケ脳症という運動麻痺や意識障害までになってしまいます。
西洋人はアルコールをよく飲む傾向にあるため、このウェルニッケ脳症の発症が日本人などに比べて多いと言われています。
日本人の一日の推奨量と摂取量
そして私たち日本人は少しビタミンB1が不足していると言われています。
以下の表を見ていただくとわかる通り、
必要な量は
- 成人男性で1.3~1.4mg
- 成人女性1.0~1.1mg
となります。
ですが、平成29年の国民健康・栄養調査では、
- 男性で平均0.93 mg/日
- 女性で平均0.81 mg/日
の摂取となっています。
少し足りていません。
そして、さらに言うとビタミンB1はアルコールを飲んでしまうことによって無駄に消費されてしまい、必要な機能を果たすより先にアルコールの代謝にもつかわれてしまいます。
以下の図は血中アルコール濃度とビタミンB1の濃度をグラフにしたものです。
血中アルコール濃度が上がってから下がると同時にビタミンB1の濃度も下がっているのがわかります。
アルコールを分解する前と後でおよそ20%ほどのビタミンB1の濃度が下がっていますから、これではせっかくビタミンB1を摂取していても結果として不足してしまいます。
ですのでやはり健康を意識するならばお酒の飲みすぎは要注意と言えるでしょう。
ビタミンB1を大量摂取した際の症状
では、アルコールの代謝なども含めて多めに摂ればいいじゃん、となる人もいるかもしれません。
そしてそれはほぼ正解です。
ビタミンB1は水溶性ビタミンですから、大量摂取による健康被害の報告はされていません。
ですので、基本的には普段よりも多めに摂っておいても大丈夫と言えます。
ただ、あまりに大量に摂りすぎた場合は少し注意が必要で、
1日10g程度のビタミンB1を20日間にわたる大量摂取をすると頭痛、いらだちなどや、かゆみなどの皮ふ症状などが現れたそうです。
推奨量が1日1.5㎎程度ですから、10ℊというと1000倍近くも摂っていることになります。
ナイアシンフラッシュなどにもあるように、あまりに短期的に大量に摂取すると体に異変が起こることもあると思います。
なので、1ℊまで程度に抑えておいた方がいいかもしれません。
まとめ
ビタミンB1の概要をまとめると以下のようになります。
分類 | 水溶性ビタミン |
体の中の役割 |
|
一日の推奨量(成人) |
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一日の上限量(成人) | なし |
不足した際の症状 |
|
過剰摂取にした際の症状 |
特に健康被害報告はなし、ただし短期間の超大量摂取は注意。 |
備考 |
|
気を付けておきたい点としてはアルコールの摂取。
仕事場の飲み会やプライベートな付き合いでお酒を飲むことは全然ありだと思います。
ただ、その後のアフターケアを考えておかないと体がついてこれなくなって次の日などにつらくなりますから飲みに行くときはしっかりとした準備が必要ですね。
体がだるいと何もやる気が起きなくなりますから( ̄▽ ̄;)
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。