あなたに教えたいリンの基礎知識

 こんにちは。

 

 あなたに教えたいミネラルの基礎知識、今日はリンについてです。

 

リンとは? 役割は?

 リンは元素記号15番目にあたる金属原子で、リンという名前は和名で漢字では燐と書きます。

 

 英語名は「phosphorus」(フォスフォラス)といい、ギリシャ語で「光を運ぶもの」という意味の「phosphoros」から命名されました。

 

 マッチの先の発火材や、肥料として使われているリンですが、人体の中ではカルシウムに次いで2番目に多いミネラルとしてしられ、重要なミネラルではあるのですが、最近では過剰摂取の懸念が大きくなっています。

リンの役割

 リンの体の中の役割は以下のようなものがあります。

  • カルシウムとともに骨や歯の正常な発達を促進
  • 細胞膜の構成要素
  • DNA、RNAなどの構成要素
  • エネルギー代謝
  • 神経伝達
  • ph値の調整
  • 心臓や腎臓の機能維持

 

 人体のリンのうち、85%は骨や歯に含まれていて、残りの15%が他の働きを担っています。

 

リンの必要量、リンが豊富な食材

 一日に必要なリンの量は800~1000㎎前後です。

リンの食事摂取基準(㎎/日)2)
性別 男性 女性
年齢等 目安量 耐容上限量 目安量 耐容上限量
0~5(月) 120 120
6~11(月) 260 260
1~2(歳) 500 500
3~5(歳) 800 600
6~7(歳) 900 900
8~9(歳) 1,000 900
10~11(歳) 1,100 1,000
12~14(歳) 1,200 1,100
15~17(歳) 1,200 900
18~29(歳) 1,000 3,000 800 3,000
30~49(歳) 1,000 3,000 800 3,000
50~69(歳) 1,000 3,000 800 3,000
70以上(歳) 1,000 3,000 800 3,000
妊婦   800
授乳婦 800

 

 平均したリンの一日の摂取量は900㎎~1000㎎といわれており、基本的に不足することはありません。

リンが不足した際の症状

 リンが不足することはほとんどありませんが、万一不足すると以下のようなことが起きます。

  • 脱力感
  • 筋力低下
  • 溶血
  • 糖尿病などのメタボリスクの上昇

 

 糖尿病などのメタボリスクの上昇はまだ研究段階で、はっきりと断定されたわけではありませんが、注意はしておいた方がいいでしょう。

 

 ただし、リンは先ほども書いた通りよほどおかしな食生活を送っても不足することはありません。

 

 ですので、予備知識程度で覚えておくくらいでいいでしょう。

リンを過剰摂取した際の症状

 リンの過剰摂取した際の症状は以下のようなものがあります。

  • 動脈硬化
  • カルシウムの吸収の阻害
  • 骨粗しょう症
  • 老化

 

 リンの一日の耐容上限は3000㎎程度です。

 

 先ほども書きましたが、リンは欠乏症よりもリンの過剰摂取の方が問題となっています。

 

 理由としては加工食品が増えすぎたためにそれらに含まれる無機質リンを摂りすぎてしまうことが原因になっています。

 

 リンは種類がかなり豊富にありますが、大別すると無機リン有機リンというものに分けることができます。

 

 有機リンは肉や魚などに含まれているリンで、吸収率はおよそ10%~40%ほどと言われています。

 

 対して無機リンはリン酸塩と呼ばれ、加工食品に結着材としてハムやソーセージ、練り物などに使われています。

 

 この無機リンの吸収率は約90%と最低でも有機リンの2倍以上の吸収率があり、加工食品の摂りすぎは自然とリンの摂りすぎにもつながります。

 

 また、無機リンは食品表示法の定めから、使われていても表示されないことがあり、知らず知らずのうちにリンを摂りすぎてしまうこともあります。

 

リンに注意が必要な人

 特にリンに注意が必要なのは腎臓の機能が低下している方です。 

しかし、腎臓の機能が低下するとビタミンDの働きが障害されるため、カルシウムが食事によって体内に吸収されず、血液中のカルシウム濃度が低下します。また、尿中へのリンの排泄機能が低下するため、血液中のリン濃度が上昇します。慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の患者さんでは、カルシウムとリンの血中濃度の異常を調節しようとして、副甲状腺(ふくこうじょうせん)ホルモン(parathyroid hormone:PTH)の量が増加します。このような状態を「二次性副甲状腺機能亢進症(にじせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)」とよびます。PTHは、骨から血液中へとカルシウムを移動させる働きをもつため、PTHが増え続けると骨のカルシウムが減少し、骨がもろくなって骨折しやすくなります。二次性副甲状腺機能亢進症がさらに進行すると、高カルシウム・高リン状態が持続して、血液中で過剰になったカルシウム・リンが血管壁の石灰化を起こします。このように、CKDでみられるカルシウム・リン・PTHの異常により引き起こされる病気を「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder:CKD-MBD)」といいます。

 

 といったように、腎臓の機能が低下することでカルシウムとリンのバランスが崩れ、それを調節するために骨粗しょう症や動脈硬化のリスクが高まってしまいます。

 

まとめ

 

まとめ

分類 元素番号15番金属、人体に2番目に多いミネラル
体の中の役割
  • カルシウムとともに骨や歯の正常な発達を促進
  • 細胞膜の構成要素
  • DNA、RNAなどの構成要素
  • エネルギー代謝
  • 神経伝達
  • ph値の調整
  • 心臓や腎臓の機能維持
一日の推奨量(成人) 800㎎~1000㎎(ミリグラム)
一日の上限量(成人) 3000㎎
不足した際の症状
  • 脱力感
  • 筋力低下
  • 溶血
  • 糖尿病などのメタボリスクの上昇
  •  
過剰摂取にした際の症状
  • 動脈硬化
  • カルシウムの吸収の阻害
  • 骨粗しょう症
  • 老化

備考

不足することは基本前提として考えなくてよし

加工食品に含まれる無機リンの摂りすぎは過剰摂取につながる可能性があるので要注意

 

 リンについては不足することは全くと言っていいほどなく、摂りすぎにこそ気を付けていただきたいミネラルであると思います。

 

 リンを摂るときはカルシウムも同時に摂らなけれバランスが崩れてしまいますから、結果としてどちらかの不足につながるとも言えます。

 

 リンとカルシウムはバランスよく取るということを覚えておきましょう。

 

 皆さんが健康でありますように。

 

 本日もご覧いただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

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