こんにちは。
あなたに教えたいミネラルの基礎知識、今日はマグネシウムになります。
マグネシウムとは? 役割は?
マグネシウムは元素記号12番目の元素で、必須ミネラルの1つ。
マグネシウムという名前はその産地であるギリシャにあるマグニシア県にちなんで命名されました。
人体の中では4番目に多く存在するミネラルで、通常約21~28 gのマグネシウムが含まれています。
このうち、約50%が骨組織に, 残りは筋肉やその他の細胞に多く含まれ、血液中には約1%程度存在しています。
マグネシウムの役割
マグネシウムの体の中の役割としては以下のようなものがあります。
- エネルギー産生
- 解糖
- 骨格系の発達
- DNA、RNAの合成
- 抗酸化物質の合成
- 神経伝達
- 筋収縮
- 300種類以上の酵素の補酵素
マグネシウムの有名な効果はエネルギー産生に関わっているということ。
テレビ番組などでも取り上げられれていますが、マグネシウムを豊富に摂ることでエネルギー産生が活性化し、人体の中性脂肪、血中のグルコース(糖)をエネルギーに変換してくれることで、マグネシウムを多く摂る生活をするだけで多少ではあるものの、ダイエット効果も見込めるという話もあります。
また、カルシウムと同じく、筋肉の収縮のための神経伝達や、精神的な安定を維持することにも一役買っていますし、300種類以上の酵素の補酵素としての役割ももっているため欠かすことのできないミネラルと言えます。
マグネシウムの必要量、マグネシウムが豊富な食材
一日に必要なマグネシウムの量は以下の通り。
成人の場合およそ300~350㎎前後は必要になります。
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量a | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量a |
0~5(月) | - | - | 20 | - | - | - | 20 | - |
6~11(月) | - | - | 60 | - | - | - | 60 | - |
1~2(歳) | 60 | 70 | - | - | 60 | 70 | - | - |
3~5(歳) | 80 | 100 | - | - | 80 | 100 | - | - |
6~7(歳) | 110 | 130 | - | - | 110 | 130 | - | - |
8~9(歳) | 140 | 170 | - | - | 140 | 160 | - | - |
10~11(歳) | 180 | 210 | - | - | 180 | 220 | - | - |
12~14(歳) | 250 | 290 | - | - | 240 | 290 | - | - |
15~17(歳) | 300 | 360 | - | - | 260 | 310 | - | - |
18~29(歳) | 280 | 340 | - | - | 230 | 270 | - | - |
30~49(歳) | 310 | 370 | - | - | 240 | 290 | - | - |
50~69(歳) | 290 | 350 | - | - | 240 | 290 | - | - |
70以上(歳) | 270 | 320 | - | - | 220 | 270 | - | - |
妊婦(付加量) | +30 | +40 | - | - | ||||
授乳婦(付加量) | - | - | - | - |
平均した日本人のマグネシウム摂取量はおよそ250㎎前後ということなので、基本的に不足しがちと考えていた方がいいでしょう。
そのためマグネシウムを豊富に含んだ食材、あるいはサプリメントで補う必要性があります。
マグネシウムを豊富含む食材としては
- 大豆
- にがり
- ナッツ類
- サーモン
- 香草類
- ホウレンソウなどの緑黄色野菜
などがあります。
お手軽なのはアーモンドやヒマワリの種などのナッツ類。
料理ではあるいはバジルをたくさん使った料理やサーモンを食べるのもよいでしょう。
注意としては豚肉や牛肉にはそれほど多く含まれていないため、何かしら別のところで補ってあげる必要があるということ。
糖質制限などで肉食中心の生活をしている場合はにがりを使った豆腐やアーモンドなどを食べてマグネシウムを補うといいでしょう。
マグネシウムが不足した際の症状
マグネシウムが不足すると以下のようなことが起きます。
- 吐き気
- 精神障害
- テタニー(筋肉の痙攣)
- 骨粗鬆症
- 虚血性心疾患
- 糖尿病
マグネシウムとカルシウムは互いに協力し合って体の中で動いています。
そのため、カルシウムが担う神経維持や、骨の維持などにはカルシウムも深くかかわっており、マグネシウムが不足するとカルシウムが不足したときと同じような症状が表れます。
それが精神障害や骨粗しょう症で、イライラや集中力の低下、うつ、骨がもろくなるなどの弊害が出てしまいます。
また、マグネシウムが不足すると血管が縮まることが少なくなるため、長年慢性的なマグネシウム不足のままでいると血管の弾力性がなくなってしまいます。
そのため、虚血性心疾患のリスクも上がります。
他にもインスリンの分泌能力が落ちるために糖尿病リスクもあがってしまうので、マグネシウム不足は場合によっては大幅に健康を損なうことにもなりかねません。
不足した際の症状などは以前に記事で軽く解説していますので、よければ見てみてください。
関連記事
糖質制限中のマグネシウム不足について
マグネシウムが不足する心配がある人
マグネシウムはどのような人も基本的には不足しています。
ただ、その中でも特にマグネシウムが不足するであろう人というのは、肉食中心、かつストレスフルな人です。
肉食中心で他のものをあまり食べない場合はマグネシウムが不足しがちになります。
その時は肉だけでなく、魚や海藻類、キノコ類を摂ることで補えると思います。
糖質制限やケトジェニックダイエットをしている方の場合、あまりにストイックにやりすぎるとミネラルが不足することがあるので注意です。
そして、慢性的にストレスを感じている人は特に注意です。
これは医療教育研究所からの引用ですが、
生体内のマグネシウムは精神的ストレスにより量的に低下することから, 中枢神経機能においても重要な役割を担っていることが知られている。マグネシウムの低下がうつ病や月経前不快気分障害に関与していることや, 大うつ症状の代表的な症状である自殺企図が現れている患者の脳脊髄液においてマグネシウムが低下しているなど, マグネシウムと情動障害の関連について様々な報告がある。また, 双極性のうつ病患者にマグネシウム(アスパラギン酸マグネシウム塩酸塩として) を投与すると情動面において有効性が認められたという報告がある。
とあるように、マグネシウムはストレスによってその量を減らすことがわかっており、それが原因となってマグネシウムが不足することによってうつ病などの気分障害が現れ、さらにストレスがたまり…と悪循環を起こしてしまいます。
言われなくてもストレスがよくないことくらいわかってるよ!
と言われてしまいそうではありますが、それでもストレスから逃げる、解消するといった観点は常に持ち続けていたいものです。
マグネシウムを過剰摂取した際の症状
マグネシウムを過剰摂取した際のリスクは以下のようなものがあります。
- 血圧の低下
- 吐き気
- 心電図異常
- 下痢
- 尿路結石
マグネシウムは基本的に不足しがちであり、食品から摂取しようにもよほど偏った食生活を送っていなければ過剰摂取の危険性はありません。
ただ、腎臓の機能が低下していたり、サプリメントを飲みすぎてしまった場合などはその例外で、他のミネラルと同じように、不足しているときの異常と同じような神経伝達の異常などが見られるようになります。
また、ペットなどのエサなどにマグネシウムが多く含まれ過ぎていると尿路結石になってしまった事例などもあることから、ペットを飼っている方はそのあたりも気を付けた方がいいかもしれません。
厚生労働省の策定基準によると、一日の耐容上限は定められていません。
どちらかというとマグネシウムの場合は不足していることを意識して、出来るだけ多く摂るようにした方がいいでしょう。
まとめ
それではマグネシウムのまとめになります。
分類 | 主要ミネラル |
体の中の役割 |
|
一日の推奨量(成人) | 350㎎~400㎎(ミリグラム) |
一日の上限量(成人) | なし |
不足した際の症状 |
|
過剰摂取にした際の症状 |
|
備考 |
|
本当かどうかはわかりませんが、マグネシウムを多めに摂るだけで痩せてくれるのであればこれほどうれしいことはありませんよね(笑)
とはいえ、基本的に不足しがちなミネラルですので、サプリメントや食事の工夫などで多めに摂るようにすると何らかの効果は期待できると考えてよさそうです。
私も少しサプリメントを飲むようにしてみますね(笑)
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。