あなたに教えたいカルシウムの基礎知識

 こんにちは。

 

ミネラルの基礎知識、今日はカルシウムのご紹介になります。

 

カルシウムとは? 役割は?

 カルシウムってなに? と聞かれても皆さんすでにご存知でしょうが、詳しく説明をしていきたいと思います。

 

 カルシウムはアルカリ性の金属に分類され、元素記号表では20番目の元素にあたります。

 

 水平リーべ、僕の船…の最後にうたわれていますね。

 

 カルシウムという名前はラテン語で石を意味するcalx(カルクス)から転じ、石灰を意味するcalcsis(カルシス)に由来するようです。

 

 カルシウムは体重の1~2%存在し、体の中にあるミネラルの中で最も多いミネラルと言われており、人体には必須のミネラルとなります。

 

 カルシウムは体の中では作ることが出来ません。ですので100%食品、もしくはサプリメントなどで摂取する必要があるので偏食になると不足気味になることもあるので要注意です。

カルシウムの役割

 カルシウムの体の中の代表的な役割は以下の通り

  • 骨、歯の形成
  • 筋肉の収縮
  • 神経活動の補助
  • 血液凝固作用
  • 細胞の分裂・分化
  • 神経興奮の抑制
  • ホルモンの分泌

 

カルシウムの役割と言えば皆さんご存知の骨。

 

 体の中のカルシウムの99%は骨、そして歯に使われていて、残りの1%は血液中や体の組織に運ばれ、筋肉の収縮や神経活動の補助などを行っています。

 

 こう聞くと「やっぱカルシウムと言えば骨なんだな」と思われるかもしれません。

 

 ですが、実は体の中ではどちらかというとその残りの1%の血液のカルシウムの方を優先されるようで、骨にあるカルシウムはその貯蔵庫としての役割が非常に大きいのです。

 

 そのため、後述するカルシウム不足になって骨吸収と呼ばれる現象が起きてしまうと、骨粗しょう症や子供の場合成長障害にも繋がってしまうこともあるのでカルシウムはしっかりと摂ったほうがいいでしょう。

カルシウムの必要量、カルシウムが豊富な食材

 カルシウムの一日に必要な量はおよそ600㎎前後。

 

カルシウムの食事摂取基準(㎎/日)2)
性別 男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5(月) 250 200
6~11(月) 250 250
1~2(歳) 350 450 350 400
3~5(歳) 500 600 450 550
6~7(歳) 500 600 450 550
8~9(歳) 550 650 600 750
10~11(歳) 600 700 600 750
12~14(歳) 850 1,000 700 800
15~17(歳) 650 800 550 650
18~29(歳) 650 800 2,500 550 650 2,500
30~49(歳) 550 650 2,500 550 650 2,500
50~69(歳) 600 700 2,500 550 650 2,500
70以上(歳) 600 700 2,500 500 650 2,500
妊婦  
授乳婦

 

 ただし、平均した日本人の一日のカルシウム摂取量はおよそ500㎎前後と言われており、日本人は全体的に、なおかつ長期的に見てもカルシウムの摂取量は足りていないと言われています。

 

 カルシウムを豊富に含む食材は小魚の煮干し、牛乳やチーズなどの乳製品がおすすめです。

 

 また、カルシウムは食べる食品、タイミングなどによっても吸収率が異なります。

 

  • 牛乳では50%
  • 小魚では約30%
  • 緑黄野菜や海藻では約20%

と言われており、個人的なおすすめとしては小魚の煮干し、もしくはチーズが一番効率よくカルシウムを摂取できると言えるでしょう。

 

 他にも同時にマグネシウム、ビタミンDやビタミンKの摂取をすることでも吸収率があがり、さらに言えば骨に圧力をかけることによってカルシウムの吸収が促進されますので、運動をすることも有効と言えるでしょう。

 

カルシウムが不足した際の症状

 カルシウムが不足した際の主な症状は以下の通り。

 

  • 骨粗しょう症
  • 軟骨の変性と変形性関節症
  • 筋肉のけいれん
  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 認知障害
  • 免疫異常
  • 糖尿病

 

 皆さんのイメージでは

 

カルシウムが不足する = 骨がもろくなる

 

 というイメージかもしれませんが、他にも多種多様な弊害が待っています。

 

 骨がもろくなるのは一番代表的な症状ですね。

 

 先ほど体の中のカルシウムのうち、1%は血液や各組織に運ばれていて、そちらの方がどちらかというと体にとっては大事だ、と書きました。

 

 カルシウムの血中濃度は実に厳格に調節されていて、カルシウムの摂取が不足し、血中濃度が低下すると、なんと骨からカルシウムを放出して骨を脆くしてでもカルシウムの血中濃度を一定に保とうとします。

 

 この現象は骨吸収(もしくはカルシウムパラドックス)と呼ばれていて、骨粗しょう症の直接的な原因になっています。

 

 また、カルシウム不足によってインスリンの分泌がうまくいかなくなり、糖尿病になることもありますし、

 

 子供さんの場合は成長障害や少数ではありますが、くる病、骨軟化症といった症状が起きることもあります。

 

 ビタミンDの不足もくる病の原因となりますが、同時にカルシウムが不足することでもなり、日本ではごく少数ながら増加傾向にあるといわれています。

 

 大人の場合は筋肉の収縮、神経活動の補助などがうまくできなくなりますから、筋肉がつったり、イライラが止まらない、あるいは高齢者になると認知症の原因の一つにもなってきます。

 

 ただ、特にカルシウム不足に陥りがちがな方として塩分が多めな食事を摂っている方はカルシウム不足になりやすいと言えます。

 

 その理由としては塩分過多の食事をした際に、体はいらない塩分をおしっこに混ぜて外に排出します。

 

 ですが、その時同時に関係のないカルシウムも一緒に排出してしまうのです。

 

 そのため、塩分が高めの食事を摂った時や、いつも塩っ辛いものを食べている人は通常よりもカルシウムを多めに摂った方が言えます。

 

 後は、勘違いされやすいものとしてはカルシウム拮抗薬というものがあり、これは血圧を下げる降圧剤として使われることがありますが、いかにもカルシウムが不足してしまいそうな名前ですよね(^_^;)

 

ですが、北海道薬剤師会によると

Ca拮抗薬は血液中のカルシウムに作用するのではなく、細胞中のカルシウムを少なくするように働きます。名前から想像されるようなカルシウムと競合するような作用やカルシウムの吸収を阻害する作用はありません。したがってCa拮抗薬との降圧効果がカルシウム剤により薄められることはないと考えられます。

とあり、カルシウム拮抗薬を摂ることによってカルシウム不足に陥るということはないようです。

参考:http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H22-8.pdf

 

カルシウムを過剰摂取した際の症状

 次にカルシウムを過剰摂取した際の症状についてです。

 

  • 高カルシウム血症
  • 高カルシウム尿症
  • 軟組織の石灰化
  • 泌尿器系結石
  • 前立腺がん
  • 便秘
  • 鉄や亜鉛などの他のミネラルに対する吸収障害

 

などが上げられます。

 

 カルシウムは摂りすぎることで本来柔らかいはずの組織を石灰化してしまうことで神経を圧迫して痛みが走ったり、軟骨などが石灰化すると関節炎などの激しい痛みが走る症状が現れたりもします。

 

 また、血液中のカルシウム自体が塊となってしまうことで尿路結石などになり、これも激しい痛みを覚えます。

 

 他にも高カルシウム血症となった場合は腎臓に過大なダメージが入り、腎性尿崩症という人体の水分を管理する機能がうまく働かず、おしっこがどんどん出てしまい、脱水症状をおこしたり、最悪の場合腎不全に至り、死ぬことさえあります。

 

 そして特筆すべきは他のミネラルの吸収阻害。

 

 カルシウムを摂りすぎることによって、鉄、亜鉛、カルシウム、リンなどの他のミネラルが吸収されるのを邪魔してしまいます。

 

 そのためカルシウムの過剰摂取は他のミネラルの不足につながってしまうとも言えます。

 

 マグネシウムやリンはカルシウムとの理想的な摂取バランスがあり、

 

  • カルシウム:マグネシウムは2:1
  • カルシウム:リンは1:1

 

と考えられています。

 

 一日の上限量は2500㎎

 

それ以上は摂りすぎてもいいことはなく、逆に体に害が及んでしまいますから、いくら不足気味だとは言え摂りすぎてもいいことはないので注意しましょう。

まとめ

 

まとめ

では、カルシウムのまとめです。

分類 アルカリ性金属
体の中の役割
  • 骨、歯の形成
  • 筋肉の収縮
  • 神経活動の補助
  • 血液凝固作用
  • 細胞の分裂・分化
  • 神経興奮の抑制
  • ホルモンの分泌

一日の推奨量(成人) 600㎎(ミリグラム)前後
一日の上限量(成人) 2500㎎
不足した際の症状
  • 骨粗しょう症
  • 軟骨の変性と変形性関節症
  • 筋肉のけいれん
  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 認知障害
  • 免疫異常
  • 糖尿病
過剰摂取にした際の症状
  • 高カルシウム血症
  • 高カルシウム尿症
  • 軟組織の石灰化
  • 泌尿器系結石
  • 前立腺がん
  • 便秘
  • 鉄や亜鉛などの他のミネラルに対する吸収障害

備考

  • マグネシウムやリンは理想的な摂取バランスあり
    • カルシウム:マグネシウムは2:1
    • カルシウム:リンは1:1

 

 昔からイライラしている人はカルシウムが足りないと言われていましたが、どうやら本当だったようですね(^_^;)

 

 全然信じてませんでした(笑)

 

 日本人は全体的に不足気味、とはいえ摂りすぎても結石などになってしまうのであまりの過剰摂取もNG。

 

 ぶっちゃけ尿路結石とか想像するだけで痛いので私は絶対に摂りすぎないようにします( ̄▽ ̄;)

 

 皆さんもお気を付けて。

 

 皆さんが健康でありますように。

 

 本日もご覧いただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

bisha

ダイエットにちょっと詳しい人。 過去にレコーディングダイエットで10キロ、糖質制限ダイエットで10キロやせた経験あり。 主にダイエットに役に立つ情報をお届けしていきます。

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