こんにちは。
糖尿病は今や世界的な生活習慣病となりつつあり、
どの先進国も糖尿病対策には力を入れています。
ただ、その成果が出ているのかいないのか、糖尿病患者は増え続けています。
今回はそんな中で私たち人間だけではなく、人間に飼われている動物までもが糖尿病になってきているというお話です。
イギリスではサルにバナナを与えるのが禁止に
糖尿病になるならないは決して他人事ではありません。
動物でもしっかり? 糖尿病になることはわかっています。
その原因は人間と同じく食事が主な原因。
そのため動物園では動物が糖尿病にならないよう工夫しているところもあります。
皆さんは猿といえば何を食べているイメージがあるでしょう?
色々あるかと思いますが、バナナが多いのではないでしょうか?
しかし、イギリスのある動物園ではサルにバナナを与えることを取りやめました。
去る2014年1月14日に、英国デヴォン州のペイントン動物園が、サルにバナナを与えない方針を発表しました。
理由は
「人間向けに品種改良されたフルーツはサルにとっては糖分が多すぎて健康に悪い」
らしく、その筆頭にあるのがバナナだから、ということです。
その記事内で動物栄養学の専門家の話では、品種改良されたフルーツは野生のものに比べて、糖分が多く、その分たんぱく質と食物繊維が少ないとのこと。
これを動物にあげるのはチョコやケーキをあげるのに等しいとまで言っています。
バナナも同じことで野生のものと比較すると非常にカロリーが高く、糖分が多いため、肥満はもちろん糖尿病などの病気をもたらす可能性があります、とのこと。
そしてこの取り組みをしているのはイギリスの動物園だけではありません。
オーストラリアでも「果物断ち」
オーストラリアのメルボルン動物園では、今度は猿だけに限らず、飼育している多くの動物たちに「果物断ち」をさせているとのこと。
理由はイギリスの動物園とまったく同じで最近の果物には糖分が多過ぎて、動物たちを太らせ、歯を腐らせるから、としていています。
やり方は単純に餌に入れる果物を徐々に減らし、緑の野菜に置き換えているだけ。
とくに笹と果物ばかりに食べ物が偏りやすいレッサーパンダには、ビタミンとミネラルを詰めた特製の「パンダボール」も与えているといいいます。
メルボルン動物園の獣医、マイケル・リンチ医師によると
今の果物は自然のままの昔の果物とちがい、品種改良や遺伝子組み換えで動物には不健康なまでに甘くなっている
とコメント。
もちろん「サルたちにも、大好物のバナナを一切与えていない」とリンチ医師は誌に語っています。
今の果物は甘くなりすぎ
先のメルボルン動物園の記事内にて、メルボルン大学の食物科学者、セネカ・ラナディーラ博士も、プラムなど一部の果物の糖分は過去20年間で倍になっているといっています。
「りんごだって、昔はもっと小さくて苦かった」、とも。
昔はミカンやイチゴも甘いだけではなく、すっぱくて今のように大振りなものも多くありませんでした。
それを品種改良に品種改良を重ねた結果、大きく、それでいてカロリーはほとんど変わらず、しかしながら甘みをふんだんに凝縮した果物を作り出すことに成功しています。
ただ、過ぎたるは・・・というもので、それが原因でカロリーは変わらずとも中の栄養構成比はしっかり変わっていて、同じように同じ果物を与えていても肥満や糖尿病になってしまうのです。
また、動物はすごく素直ですから、好きなものがあればそれを好んでたべるようにもなります。
リンチ医師は
「動物は果物の糖分が大好きだ。とくにサルとレッサーパンダは果物ばかり食べてしまう」
とコメントしています。
そのためイギリスの動物園では野生のバナナを仕入れようとしたようですが、わざわざそのような人間に売れにくいものを大量に生産しているところはなかったようで、バナナのエサやりを断念したともあります。
昭和の昔話になってしまって申し訳ないのですが、
実際昔のイチゴには練乳や砂糖を掛けたりして食べてたと思います。
それってなんでなの?
ってなるかもしれませんが、それは昔のイチゴってとてもすっぱかったのです。
だから子供が食べるときなどは砂糖や練乳をかけて食べていたりしたのです。
それくらい甘味をカバーしないと美味しくもなかったものなんですよね。
ですが今は糖度こそ正義! みたいな風潮が蔓延していて、甘ければおいしい、甘ければいいものだ、というような価値観のもとに品種改良が重ねられています。
贅沢病ではありませんが、飽食の今の時代に果物ももちろん含まれていて、その中身まで変わってしまっているということは気をつけなければならないことなのかもしれませんね。
動物の糖尿病事例
ちなみにここまで書きましたが

って思った方がもしかしたら少数なりいるかもしれません。
ですので、実際に動物が糖尿病になるかどうかもお伝えしておきます。
はい、結論としてはなります、もちろん(^_^;)
だって、すい臓があってインスリン分泌できるんだから仕組みは一緒ですからね( ̄▽ ̄;)
ちなみに魚には糖尿病はありません(笑)
さて、動物の糖尿病ですが私たちの身近な例で言えば犬と猫です。
犬は傾向としてですが、1型糖尿病にかかりやすく
猫は2型糖尿病になりやすいと言われています。
この理由は
犬の方がインスリンの分泌に問題があることが多く、
猫はインスリンの受け取りに問題があることが多いため、
人間で言うところの1型、2型に分類されることになります。
それに加えて私たち人間がよかれと思って可愛いペットに自分たちが食べている食事を分け与えることが多いのも問題です。
これは明言しておきますが、もってのほかです。
マウスの糖質制限実験の時に、江部医師や山田医師が言及したように神経構造や持っている内臓などは同じでも、腸内環境など食事に関しては一緒にしてはいけません。
昔、お味噌汁にご飯やおかずを一緒くたに混ぜ込んだ「ねこまんま」なんてものを上げていた家庭もありましたが(私の実家です( ̄▽ ̄;))、白米なんて上げてたら犬や猫からしたら糖質過多もいいところ(-_-;)
出来る限りで結構ですので、高たんぱく、低糖質の食事を与えるようにしてください。
堺市の公園では糖尿病の猿が激やせ
犬、猫もそうですが、猿ももちろん糖尿病になります。
というかすでになっていて死んでいっている猿もいます。
こちらは2015年の朝日新聞の記事ですが、
見物客が餌を与えすぎて「メタボ猿」とまで呼ばれた大浜公園(堺市堺区)のアカゲザルのうち数匹が、今度は激痩せしてしまった。担当獣医師らは症状から1匹は末期の糖尿病の可能性が強いとみる。見物客の身勝手な餌やりによる幼少期の過食が原因とみられるが、有効な治療法はないという。
とあるように、これも同じく見物客が勝手に遊び半分でお菓子や自分たちのお弁当の余りを投げ込みすぎたために過度な肥満になり、そして糖尿病にかかった結果、末期の症状に見られる激やせを起こしています。
末期の糖尿病で激やせする原因はインスリンの分泌、もしくは受け取りがすでに機能をはたしていないということですから、この猿はおそらく早晩死んでしまうと思います。
尿もおそらく異常なくらい甘く感じられるでしょうね…(;´・ω・)
同じくこちらは中国の北京動物園でのお話で、
北京動物園では5日、国慶節期間中最多の入園者8万1500人を記録した。入園者の増加は飼育員の頭痛の種だ。園内100カ所以上に設置してある「動物にエサを与えないで下さい」という注意書きを無視して、動物の檻の中にエサを投げ入れる客が増えるからだ。その結果、病気になる動物も一気に増加する。糖尿病になるサルも多いという。飼育員は「動物をかわいがるのなら、絶対にエサを与えないで」と訴えている。この記事には数多くのコメントが寄せられている。
やはり観光客が注意書きを無視してエサを上げ続けた結果、糖尿病になる猿もいて、非常に困っていると報じられています。
このように動物も人間と同じように糖尿病にかかりますし、その原因も同じように食事。
糖質過多の食事や不自然に甘くなった果物がそれを助長してしまっているということです。
動物も糖質制限
ちなみにおまけの話ですが、イギリスの動物園でバナナを与えなくなった結果、以下のような効果がえられました。
その結果、サルたちには目に目えて変化が現れた。毛皮が厚くなって状態も良くなったほか、タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いたという。バナナを恋しがる様子は見られないと広報は話している。
江部医師がブログですでに言及していますが、
これは、糖度の高い糖質の多いバナナを食べることで、血糖値変動幅が増大したためと考えられます。
血糖値が急症状したあと急激に下降するとき、人間においてもイライラとか攻撃性がでることがあるので、サルでも同じことと思います。
糖度の高いバナナを禁止することで、血糖変動幅がほとんどなくなり、精神症状(攻撃性)が改善したものと思います。
サルに糖質の少ない餌(野菜中心)を食べさせることで、攻撃性が減ったということは、人間においても、高糖質食から糖質の少ない食事(糖質制限食)に切り替えることで、心理的安定が得られる可能性を示唆していますね。
私も全くの同意見です、異論をはさむ余地がありませんね(^_^;)
不自然なほど甘いバナナが血糖値を引き上げ、それが下がるときに人間で言うお腹が減って落ち着かない、イライラするといった症状が表れなくなったのだと思います。
これによって群れ全体も落ちついたため、群れ全体のストレスも下がっているでしょうから、結果として猿の群れ全体の健康寿命も延びていると思っていいと思います。
糖質制限、というか元々彼らが食べていた食事に戻しただけですから制限というと少しおかしいかもしれません。
私たち人間も同じように昔の食事に戻すことで健康を取り戻したいですね。
まとめ
今回は動物と糖尿病についてのお話でした。
犬や猫、猿やゴリラ、オランウータンなどの動物たちも普通に糖尿病になります。
根本は糖質過多、栄養過多による食べすぎ、そして肥満です。
堺の猿などはメタボ猿なんて呼ばれていたそうですからよほど大きかったのでしょうね(^_^;)
ただ、結末は人間と同じ。
糖尿病になり、痩せこけて最後は苦しんで死んでいきます。
犬や猫のペットを飼っている方は今ではほとんどないと思いますが、決して人間の食事を与えてはいけませんよ、まあ常識でしょうけど…(^_^;)
動物も私たち人間も同じように健康でいたいですね。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。