こんにちは。
皆さんはアディポネクチンという言葉を聞いたことがありますか?
ネットで調べると痩せホルモンの名前で有名なのですが、糖尿病にも有効であることはそこまで知られていないかもしれません。
お勉強と思って少しお付き合いください。
アディポネクチンとは?
では最初に、
- アディポネクチンとは何なのか?
- 効果とはどのようなものがあるのか?
というところから説明していきたいと思います。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるたんぱく質で、細かく分けると
- 低分子量
- 中分子量
- 高分子量
この3種類に分けられ、私たちが知っているアディポネクチンは高分子量のもの。
これが冒頭でも書いたように世間では「やせホルモン」という名前で知れ渡っていることが多いです。
アディポネクチンが体の中でしてくれる仕事は結構多く、wikipediaからの引用になりますが
- インスリンを必要としない糖の取り込み促進作用
- 脂肪酸の燃焼
- 細胞内の脂肪酸を減少してインスリン受容体の感受性を上げる作用
- 肝臓のAMPキナーゼを活性化させることによるインスリン感受性の亢進
- 動脈硬化抑制
- 抗炎症
- 心筋肥大抑制
などがあり、後は食欲の抑制などの効果も期待できる優れものです。
脂肪酸の燃焼の効果があることはすでに分かっており、アディポネクチンを増やすことで通常よりも脂肪が減りやすくなり、体重が落ちることから「やせホルモン」の名称で呼ばれることになりました。
ただ、それだけではなく、
1番目のインスリンを必要としない糖の取り込み促進作用、
3番目の肝臓のAMPキナーゼを活性化させることによるインスリン感受性の亢進(促進)などの効果
も期待できることから単なるダイエット効果だけでなく、糖尿病患者の方にも役に立つといわれているのです。
アディポネクチンは糖尿病にも有効
糖尿病の主な原因は
- インスリン分泌の低下
- インスリン抵抗性の悪化
この2つによって糖が体にうまく取り込めなくなることで起こります。
逆に言えばインスリンがなくても糖をうまく取り込めて、
エネルギー、あるいは脂肪として体に蓄えられることが出来れば問題はない、ということになります。
まあ、そこまで単純ではないので専門家からは怒られそうですが(^_^;)
(インスリンの作用は他にもいっぱいあるので…)
ただ、インスリンの大事な役割はやはり糖を体に取り込むこと、これを補助、そのあるいは別の形で助けてあげることが出来れば少なくとも糖尿病の改善には役に立つのは間違いありません。
引用ばかりで申し訳ないのですが、Wikipediaの説明によると
骨格筋においてアディポネクチンは受容体に結合し、AMPキナーゼを活性化して、通常はインスリンにしか反応しないインスリン感受性のグルコーストランスポーターであるGLUT4を膜の表面へ移動させ、グルコースを取り込む作用があるといわれている[3]。運動の結果によりアデノシン一リン酸(AMP、アデニル酸)が増加することが知られているが、このAMPがAMPキナーゼを活性化する経路と同じである。つまり、アディポネクチンは、インスリンの作用を介さずに、運動効果とほとんど類似のグルコースを取り込む作用を示すことになる[1]。
と書いており、多分意味が分からない人が大半だと思いますので、最後のところにだけ注目していただければ結構です。
細かいところは省いて、アディポネクチンは運動をしているときと同じ具合にインスリンを使わずに糖を取り込む、という効果があると言うことです。
運動をすると血糖コントロールがよくなるとよく言われていますが、
これはインスリンの分泌が促進されるという効果のほかに
「運動中に起こるインスリンの非依存的な糖の取り込み」
ということが起きているのです。
つまり、糖の取り込みにはインスリンは基本的には絶対不可欠なものであることは間違いないのですが、
運動をすることや、アディポネクチンを多く分泌させることによってある程度はインスリンに頼らない糖の取り込みということが出来るということになります。
アディポネクチンの増やし方は?糖質制限で増える?
では、アディポネクチンを効果的に増やす方法はどのようなものがあるでしょうか。
よく言われるのは
- コーヒーを毎日飲むこと
- 大豆製品をよく食べること
- 運動をすること
これらがよく上がります。
ただ、あまり知られていないこととして、糖質制限をすることによってもアディポネクチンは増える、ということがわかっています。
これはアメリカのメリーランド州で行われた実験で、
- 81人の肥満女性が対象
- 低脂肪食と低炭水化物食に分け、同党の減量介入をする
- 4か月後、半年後に測定を行った
というもの。
結果として
- 体重に関しては低脂肪食グループは4.97㎏の減量に対して、低炭水化物食は9.1㎏の減量
- 脂肪に関しても低脂肪食グループは2.62㎏の減量に対して、低炭水化物食は5.45㎏の減量
- アディポネクチンは低脂肪食は0.82mcgの増量に対し、低炭水化物食は1.92mcgの増量が認められた
- 両グループの年齢や体重などはベースラインで類似しており、偏りは認められなかった
といった結果になりました。
この実験からわかることはダイエットをしたいときにおいて、低脂肪食も効果はあるものの、低炭水化物食、糖質制限の方がアディポネクチンの量が増え、脂肪の燃焼がより活性化されることから低炭水化物食の方が減量効果が高いといえるのです。
もちろんこれは糖尿病患者の方や、ごく一般の健康に気を付けている方にも流用できるといえます。
糖質制限をすることによってアディポネクチンの量が増え、脂肪の減少やガンの抑制、食べすぎの防止などが期待できるのですから、糖質制限をしたことがない方は一度やってみる価値はあると思います。
まとめ
アディポネクチンは痩せホルモンのほかにも、長生きホルモンと呼ばれることがあります。
それはダイエット以外のがんの抑制や動脈硬化の抑制、抗炎症作用などが期待できるためで、ためしてガッテンでは金さん銀さんの長生きの秘訣として紹介されてきました。
ここで紹介した3つのコーヒー、大豆、運動の中でコーヒーはまだ調査が必要と言われています。
大豆に関してはβコングリシニンという物質が役に立つということがわかっていますから、豆腐などの大豆製品を摂ることは確実に有効と言えます。
運動はできる方はやった方がいいです、まあこれは基本的な健康法ですよね。
糖質制限をすることでアディポネクチンが増えるということは多分ほとんどの方が知らなかったと思います。
まだの方はぜひやってみてください。
皆さんが健康でありますように。
本日もご覧いただきありがとうございました。